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訪問者セリア

ブックマーク、感想、評価ありがとうございます!

 目がさめると目の前に一糸まとわぬ美女がいるというものはなかなかにいいものである。

 そして俺はその昨日の乱れた表情を全く感じさせないリリィの綺麗な寝顔に唇を落とし犬耳を触る。


「はむぅ」


 リリィのその気持ち良さそうな声が漏れる。

 このままだと朝からおっぱじめそうになるので自制してベットから下りた。

 窓から外を見るともう日が天高く昇っていた。どうやら昼まで寝てしまっていたらしい。


 (てか、昨日やった後にそのまま寝たから身体中ベットベトだわ、早く風呂入ろ…)


 ドンドンドン


 そんなことを考えていると家の戸が乱暴に叩かれる。


 (誰だよ、こんな朝っぱらから!いや、もう昼か…)


「ユータ殿!ユータ殿はおりますか!」


 さらに乱暴に家の戸が叩かれ、俺を呼ぶ声が開いていた窓から聞こえてくる。


 あれ、窓が空いてる、だと…

 え、これ昨日も開いていたんだとしたら、ご近所さんに昨日の声聞こえてたんじゃね⁉︎

 これじゃあ今日から俺はご近所さんとどう接すれば…


「ユータ殿ー!いるのはわかってるんですよ!」


 尋ね人がなかなかうるさくなってきたので考えごとをやめ、そこらへんにあったローブを着て玄関へと向かう。

 まあ、全裸にローブというヤバい格好の上に、昨日の営みの匂いをさせながら尋ね人に対応するのはなかなか常識が欠けているように思われるが、こんなにやかましい尋ね人と言ったらあいつしか思い浮かばないので大丈夫だ。


「はいはい、今出ますよ」


 そう言って扉を開けると目の前に子爵の家紋が入った鎧を着た美しい女性、セリアが立っていた。


「やっと出てきたか、ユータ殿。はぁ、しかしなぜ私は子爵様の私兵のはずなのに、こんな雑務ばかり押し付けられるのやら」


 そう、接待なのかなんなのか、領主が俺に伝えることがある時、毎回セリアがやってくる。

 まあ、たしかに始めて領主の屋敷に行った時に警備をしていた彼女に少し見惚れたのは確かだが、もう中身が残念なことを知っているので、そう言った類の感情はない。

 いや、こいつがくるといつもうるさくなるのでもう嫌だ。


 たしかに見た目は結構いい方だが、良く言えば元気があり、おっちょこちょい、悪く言えば落ち着きがなく、アホな子なのである。


「で、何か要件があるんじゃないのか?」


「ああ、そうだった、そうだった」


 そういうと、セリアは身だしなみを整え、コホン、と咳をしてから言った。


「領主であられるバルコフ子爵様から手紙を預かっております。それと返答は私に、とのことです」


 そう言って渡された手紙の封を切り、中身を取り出す。

 そこには貴族らしい長ったらしい文が書かれていた。

 まあこの手紙に書いてあることを要約すると『娘が成人したため、パーティーを開くので招待する』というものだ。

 いやはやなんでこんな一文を長ったらしくかけるのやら。


「わかった、行こう」


「了解した。そのように子爵様には伝えておく。それと…」


 するとセリアは真顔になりこう言った。


「それと…ユータ殿、なかなかに臭いぞ!人と会わないからって風呂に入らないのはどうかと思うぞ!」


 そう好き放題言って彼女は帰っていった。

 やっぱりあいつアホな子だった…


 ♢


 そのあと俺はすぐにリリィを起こして今のことを話す。


「領主の娘の成人パーティーですか⁉︎大変じゃないですか!」


「ん?何が大変なんだ?」


「何って…じゃあユータ様は貴族のパーティーの常識は知っているんですか?」


 そう、俺は貴族でもなんでもないので貴族の常識や礼儀には疎いし、リリィは元が貧民だったので知っているはずがない。

 一応俺は儀礼用の服は子爵様に会いに行くときに買ったのであるがリリィにはそれすらない。


「なるほど…たしかに大変だな」


「そうなんです!だから早く準備しないと!」


 そう言って勢いよく立ち上がったため、リリィの体にかけてあったタオルがハラリ、と落ちる。

 ボッ、という音が聞こえるくらいの速さでリリィの顔が赤くなる。


「なあ、その準備ってのは後でもいいんじゃないか?」


 そう言ってそのままリリィをベットに押し倒す。


「ふえぇ⁉︎」


 そう言って驚く彼女と再び起きたのはもう夜になっている頃だった。

次回はリリィとお買い物の回です。

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