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プロローグ

一話目なので説明多いです。

すいません。

「やっとここまできたか…」


 明らかに高級そうな椅子に身を沈めながら俺、垣根裕太(かきねゆうた)は転生してから今までの数々の理不尽を思い出す。


 『交通事故』これが俺の前世の死因だ。

 その時の俺はまだ16歳で、自分でも若すぎる死だったと思う。

 そのあとに意味のわからない自称神様にお金だけ待たされてこの世界に落とされたのだった。


 もともと転生した時に質素な暮らしをするならば十分生きていけるお金を貰ったのだが、感じたのは感謝ではなかった。

 そう、割に合わない、と。


 なぜなら街の外を少し歩けば賊に出会うしスラムに行けば死体が転がっている。

 世界も十分発展しているとは言えず、まるで中世のヨーロッパのようであった。

 こんな世界だったからこそ、俺はこう思ったのかもしれない。

 成り上がって最高水準の暮らしをしようと…


 まず成り上がるために元手の金がたくさんあったので金貸しをした。そこで様々なところから信頼を得てから色々な商会に投資をした。そして商会とのパイプが太くなったらその商会に前世の知識を売った。


 ここでその前世の知識でできた商品に俺のロゴをいれることと、売上の一部を俺に渡すことを契約した。

 そしてその商会のツテを頼りこの地域の領主である子爵様とパイプを持った。さらにその領主がとある公爵の一派だったのでその公爵にも紹介してもらい繋がりができた。


 まあそれまでに賄賂などにかかったお金は莫大だったが今まで稼いできたお金があるので大打撃にはならなかった。

 そして公爵の後ろ盾ができたから自分の商会を作り、俺のロゴ入りの商品を売っている商会を吸収して今ではこの子爵様の領地で一番の商会になった。


 ガチャ


 そう物思いにふけっていると扉が開く。


「失礼します」


 そう言って部屋に入ってくるのは犬耳でメイド姿の少女、リリィである。


 彼女と出会ったのはまだ金貸しをやる前のことだ。この時代は前世と比べて生活レベルが低いせいなのか物乞いや孤児がたくさんいる。


 だが大体の物乞いが金を、または食べ物を少なからず恵んでもらっているのに対し、何1つもらえていない少女がいた。

 それが彼女、リリィであった。

 なぜかその時の俺は彼女に心惹かれ、食事を奢ったのだ。その時に見せた彼女の笑顔は今でも忘れない。


 なぜ恵んでもらえなかったのかが獣人で、しかも黒髪のせいであると知ったのは大分後になるが…


「お疲れ様です、ユータ様」


 そういって彼女は俺の前にカップに入っている紅茶を出してくれる。

 彼女は金貸しの時からずっと俺ために料理や洗濯や掃除をして支えてくれていた。

 彼女の支えがなかったら俺は間違いなくここまで来れていなかった。


「なあ、リリィ」


「はい、何でしょうか?」


 俺は返事をせず、彼女の前まで歩く。

 頭に?マークが出ている彼女を放っておいて手に隠していたものを彼女に見せる。


「え…ユータ様…これって…」


 公爵様に頼んで国が囲っている職人に頼んだものだ。

 ミスリルのリングにオリハルコンが装飾としてあしらわれている。

 そう、結婚指輪だ。


「リリィ、俺と…結婚してくれないか?」


 その言葉を聞くと彼女は、初めて食事を共にした時のように、幸せそうに、泣きながら、笑いながら、こう答えるのであった。


「はい、もちろんでございます。ユータ様、いえ、あなた様…」

一話目でエンディングみたいですがこれからちゃんと話は続きます(笑)

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