クエスト『首なき騎士』⑥イフン・バースデイna昔話。
「悪魔とは失礼ですね……力を求めるのですね?誰かを護れる力を貴方は求めるのですね?貴方にはその資格があります」
優しい声で俺に囁き掛ける声がした..........。
「お前は一体?……」
俺は周りを見渡した。
正面に人と思われる存在を確認。水のカーテンと呼べば良いのだろうか?正面に居る人物の周りに上から降り注ぐ水がその容姿を隠す。部屋の中は円形状に構成されており、一本の道がその存在の元へと足を進める事を可能にしていた。その道以外は進む事は不可能。谷底は底が見えなかった。
「人で有り、人で無い者よ。貴方は誰かを護れるだけの力を求めるのですね?」
不思議だ。恐怖感が一切ない。むしろ落ち着く。
「人で無い?何だって?意味が分かんないんだけど..........それは俺の事を言っているのか?」
その人物の声を聞いた所為であろうか?震える体は正常に戻る。
「フフフフ、貴方以外に誰がこの場に居るのでしょうか?」
本当に優しい声だ。心が洗われるとはこういう事をいうのであろうか?
「未だ自覚が無いのでしょうね。しかし貴方になら私のスキルをギフトする事が出来ます。どうですか?試して見ませんか?」
「なっ、なに?スキルギフト?俺にしてくれるのか?それでドアの向こうに居るサイクロプスを倒せるのか?イフンを助けられるのか?」
必死だった。俺が今求めるのは力。今はそれだからだ。
「ええ.........ただし条件があります。私が貴方に力を与える代わりに、お願いしたい事があります..................」
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「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁっ」
私は騎士としての領分を全うしている。
騎士は自分の為に力を使ってはいけない。誰かを護る為に己の力の全てを注ぐ、それが騎士である。
私は満足している。
今迄でこれ程までに身命を賭して納得する相手に満足する出来事はあったのだろうか?誰かの為に力を振るえる事を、キララへの恩が少しでも返せる事を、そして何よりあの人の為にこの身を犠牲にしている事を...........。
もうダメですね..........。手足が動かない。私はここで死ぬ事になりそうです。
血が目に入り。掠れ見るサイクロプスは最後の一撃を私に打ち込もうと棍棒を大きく振りかぶっている。
こんな死の瀬戸際なのに私の顔には笑顔があった。自分に違和感を感じる。後悔は無いのか?そう自分に自答して、つい笑ってしまった。
楽しかった..........そう私は幸せ者だった...............。
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冒険者になりたての頃は私に気軽に話掛けてくれる同性・異性は沢山居た。冒険者の良い処は自分の素性を隠せるという利点がある。
名門である私の家柄を隠し、一介の冒険者として、一介の人として生きて行く事を望んでいた私。しかし私の中に流れるバースデイの血がそれを許さなかった。
私が剣を振るうと大地は裂けた。私が駆け出すと皆が止まって見えた。私が少し力を込めると岩が砕け散った。少しばかり胸を強調する服を着こなすと男達はこぞって血飛沫を上げた。それはごく自然の事だと私は思っていた……。
冒険を繰り返す度に、私に気軽に話掛けて来る冒険者は減っていき。私に何か非があるのかと悩み、私は自分の力と胸のラインを磨き続けた。
そして、私の力が異常な事である事を知ったのは、冒険者として半年の月日が過ぎた頃であった。
「さっ、さっ、最年少記録ですよ..........この世界の10人目の栄誉です。どうぞお返しします」
顔を引き攣らせ、私の冒険者カードを私に差し出すギルド組合の受付嬢。その冒険者カードは黄金色のカードに変わっていた。
冒険者ランクS。
英雄と呼ばれるその領域に私は若干14歳で辿り着いた。それを首に掛け鎧の中に隠し私は一緒に冒険をしてくれる冒険者仲間を捜した。
しかし.......冒険を一緒にする際にどうしても冒険者カードの提示は必須となり、仲が良くなって冒険を一緒にしようと私を誘ってくれた冒険者に私の冒険者カードを見せる必要があった。
「質が悪いな!なんだよテメェー当てつけかよ!!!」
と絡まれた事もある。
「すっ、すみません。私たちのパーティーでは力不足で...........」
と断られた事もある。
それはまだマシな方だった。
「あっ、明日、ひっ、日の出に、この街の入口で集合で、よっ宜しくお願いします」
そう言われ、私は街の入口でメンバーを待ったが夕方になっても姿を見せないメンバーもいた。
そんな私の状態を何処で嗅ぎつけたのか、私を迎えに兄がわざわざ赴いた。
「イフン。悪い事は言わない。王国騎士団に入れ。冒険者としてのお前の噂を聞いた。まともに冒険もしていないのだろ?王国騎士団であればお前の居場所はある。断言しよう。きっと父上も喜ぶぞ」
そう言われてしまえば私に選択の余地は無かった。
父上は私を自由にしてくれた。冒険者になりたい。バースデイとしてでは無く。イフンとしてこの世界で生きたいと、我がままを言った私を笑顔で。
「うむ、自分の可能性に賭けてこい。お前の好きにするがよい。そして世界を見てこい。普通の人として生きるのもお前の自由.............正だ!体の関係を持つ前に、その男は必ず私の前に連れてこいっ!必ずだぞっ!必ず連れてこいっ!」
最後だけは怖かったがそれ以外は笑顔であった。
王国騎士団に入り私は直ぐに万人隊長の役職を与えられた。将軍とされる役職。当時15歳の私には気が重かったが、それを支えてくれる副隊長、それに他の将軍、そして何より私を王国騎士団に誘ってくれた兄が私に気を使い、色々と手を回してくれた。
王国騎士団でも頭一つ抜けている私であったが、それ以上の化け物が居た為、私の存在は左程目立たなかった。そう王国騎士団には私の兄が居たから...........。
しかし私より年配の人ばかり、年頃の私としては年齢の近い友達が欲しかった。しかし私みたいな化け物と友達になってくれる存在なんていないと私はそれを諦めていた...........。
「君がイフン・バースデイかい?」
黒髪のロリ顔のペチャパイ。ガチガチの黒い服を着る、私より年下のその少女は王宮の廊下ですれ違った私にそう言った。
コクリと頷いた私をまるで目の敵のように見るその少女。私を隅々まで舐めまわし。
「ふーん、普通だね。本当に君がイフン・バースデイなのかい?僕はてっきり化け物の様な容姿を持つ人物だと思っていたんだけどね。以外だったよ。笑ってやろうと思ったんだけどね。本当に残念だよ」
それがキララとの初めて会った時の出来事。人付き合いが下手なキララの照れを隠し私を褒めた言葉。
うふふふふふ。ホントに分かり難い子なのよキララって。だから誤解されるのよ。
その後兄に聞いた話だと、キララは王宮魔術師の副官の地位を最年少でその役職に就いた鬼才である事が分った。兄の話では兄を越える能力を秘めている怖い子との事であったが.........。
私の気持ちは高揚した。私と年齢が変わらない化け物がもう1人居た。そう思うと私の足は時間を見つけてはキララの所に向いていた。
「なんだい君は!ちょっと慣れなれしくないかい?僕は忙しいんだ!用がないなら僕にお茶でも持ってきたらどうなんだい?自分の分も持ってくるんだよ」
と、分かり難く私を歓迎してくれたキララ。
楽しかった。キララと過ごす時間は本当に楽しかった。いつまでも一緒に王国で一緒に過ごせると思っていた。しかし、またも私の中に流れる血がそれを邪魔をした。
「け、結婚!?」
「ああ、第2王子がお前にゾッコンみたいでな。王もバースデイ家の者なら申し分ないとの事だ..........あの男殺してやりたいよ............こんな年端もいかないイフンを..........羨ましい..........」
涙ながらに父上はロリコンである事を私に打ち明けた。
第2王子のいい噂は全くと言っていい程聞かない。むしろその逆。女と見れば直ぐ囲う。どれだけの女性が泣かされたのだろうか?そんな噂しか聞かない人物であった。ふくよかな体格でハッキリ言って気持ち悪い。しかしバースデイの名の為、私はその申し入れを受諾した。
私の結婚。その話は直ぐに王国中に知れ渡る事になり。勿論それはキララの耳にも入った。
「イフン!君はこの結婚を本当に望んでいるのかいっ!?最低な噂しか聞かない男じゃないか!本当にそれでいいのかいっ!?僕と過ごす時間はそんなにつまらなかったのかいっ!?」
以外だった。いつもの余裕は見せず、鬼気迫る顔で私に迫り寄るキララ。私の顔は自然に笑顔になり、そして、いつまでも2人で楽しく過ごせると思っていた私の目には涙が溢れ、それは私の頬を伝い、キララのお気に入りの絨毯を汚してしまった。
私は直ぐに自分の服の袖を伸ばし。
「ごめんねキララ...........ごめんねキララ............ごめんねキララ.............」
自分の袖で絨毯を拭き、私は何度も何度も謝った。
それを見たキララは。
「イフン、君は何も気にする必要は無いよ..........」
そう言って部屋を飛び出したキララ。
それから5日経った。部屋から飛び出してからのキララの所在は不明。私はキララが帰って来るのを王宮魔術師副官の部屋。キララの部屋で待った。私は気分が沈み。只々キララの帰りを待っていた。
そんな時廊下が騒がしい事に気が付いた。
「魔物・魔獣の襲撃だああああーーーーーーーっ!」
私は急ぎ自分の部屋に行き鎧と武器の装備を行い。城門へと足を進めた。
そこで私はとんでもない光景を目の当たりにする。
城外の街に被害を出さず、人々の横を素通りする魔物・魔獣の数約3万の軍勢。城に続く一番大きい道を規則正しく進むその姿は先頭を行く魔獣ドラゴンの頭に立つ1人の少女によって命令されている事が直ぐに判断出来た。
誰かが言った。
「わあああああっーーーっ!ま、魔王軍だあああーーーーーっ!!!」
「魔王が攻めて来たぞおおおーーーーーーっ!!!」
そう魔物・魔獣を命令する能力。
それは且て存在した魔王と同じ能力。魔石を生命活動の核として魔獣・魔物を創作しそれを統べる王。
『魔石で想像された命無き者達の王:ノーライフキング』
そう呼ばれる存在が目の前に居た。
私は臆する事無くその少女に声を掛けた。
「キ、キララぁーーっ!な、なにやってるのおおーーーーーーっ!」
「やぁーイフン。ちょっと王国を滅ぼそうと思ってね。ちょっとそこどいてくれるかい?」
呆れた.............。
本当に呆れた。中位の魔物・魔獣を躾の行き届いたペットのように自在に操り、まるで日常の生活に組み込まれた一連の作業を行うかのように王国を滅ぼすと言ってきた。私は可笑し過ぎて腹を押さえて笑いを堪えた。
プルプル震える私に。
「イ、イフン様如何いたしましょうか?...........」
キララの姿を見た部下が私に問いかけて来た。
今城内にいる最高階級者は私。魔物・魔獣が騒ぎ出したと報告があり、結婚を近々に控えた私を残し主要なメンバーの殆どがその対応で王国を離れていたからであった。それもきっとキララの陽動である事は直ぐに理解出来た。
「城門から離れなさい。跡形も無く吹き飛ばされます」
騎士達の退避を見計らい、魔法で城門を粉々に破壊するキララ。
足の速い小型の魔獣に命令を下し、城内に居る人間を全て、城門と城内の入口の間の広間に集めた。
「やぁー王様。久しぶりだね............」
ドラゴンの横に並び立ち。王の前で腕を組み。見下す態度で王に挨拶するキララ。
「き、貴様は王宮魔術師副官のキララ・パンプキンか!?」
「ああ、そうだよ。ちょっと僕は今怒てる事があってね!君の後ろに居るそのお下劣な生き物に、僕の親友を嫁がせるなんてふざけた事を小耳に挟んでね。もちろん冗談だろ?」
王は自分達を取り囲む魔獣・魔物に威嚇されながらも、胸を張り威厳を保ちながら、キララの問いに答えた。
「あはははははっ、やだなーーーっ!そんなの冗談に決まってるじゃーないっすか!キララさんのお友達にそんな事させられる訳ないっすよ!?ほんとやだなぁー何言ってんっすか?そんなの当たり前っすよ。肩凝ってませんか?揉みましょうか?」
高々と笑った後から背中を丸め、手を擦り合わせ、キララにそう言った王。もはや何の威厳も無く、只のキララの下僕と化した王を見る皆の目が、とても冷ややかになっていた。
「そうかい。僕の早とちりだったみたいだね。いやー本当にすまない事をしたね。あっ!肩凝ってるから揉んでくれるかい?」
その言葉を聞いた王は直ぐに笑顔でキララの肩を揉みだした。
キララはここぞとばかりに王に色々な制約を受諾させていた。それはこの世界の人々の暮らしを楽にする政策から私個人のもの、キララ自身のもの、その制約が守られる様に魔法契約書に王のサインを求め、王はそれを笑顔で速攻サインした。
そしてキララは第3王子を四つ這いにさせ椅子代わりに、王に足を揉ませて、私に言った。
「すまないイフン。この魔獣・魔物を魔石に還すのを手伝ってくれるかい?」
「うん、もちろん。私張り切りますよ」
そう私は張り切った。キララの行動に感極まりその反動で私は目標の制御をするのを怠った。
「キララちょっと離れて下さい。一気に蹴散らしますから」
私は剣の抜き。剣に私の中にある全ての太陽の力を乗せた。それは私のチートと呼ばれる力。皆はそれを見てこう呼んだ。
「勝利を約束された剣:エクスカリバー」
私は光り輝く剣お天に突き刺す様に高々に掲げた。
太陽から注がれる薄っすらとした光。次第に濃くなり。視界が光だけに覆われる。私が外敵と定めたものを全て無に帰す。その範囲は王国城を中心に広範囲に広がり。全ての魔獣・魔物が魔石に変わり............。
王城も無に帰した...........。
「............あっ、やべぇー」
つい言葉が漏れた。
それを見たキララは顔を引き攣らせて、私にこう言った。
「じ、じゃーぼぼぼぼぼ、僕は、王国を、ははははは、離れるから、後よろしくね...............」
こうしてキララは王国を去った。
キララに全ての罪を被せた王国。私の罪はキララに脅され無理にやらされた事と処理された。
それでは納得できない私は王国騎士団を辞める事を告げたのだが、しかし私の力を欲した王国はそれを許さなかった。話し合いの元千人隊長で手を打つ事になりバースデイの名を出された私はそれをなくなく受諾する他に道は無かった。
その後、キララとの友情は続き手紙でやり取りをする事になる。
キララが罪を逃れる為にギルドを立ち上げた事。元気で楽しく過ごしている事。そして、そのギルドに所属する冒険者の悪行を綴るその手紙を私は何よりも楽しみにして生きていた。
しかし、それを良く思わなかった兄が私に任務を与えた。
『首なき騎士』のドロップアイテムの収集任務。
王国騎士団の象徴とも呼べる聖騎士の鎧一式。
ただの象徴の飾り物であるその鎧は、私の力により無に返り。王国騎士団の威厳を示す為にも早急に再作成が必要な案件。
長期を予想された任務である事をキララに伝え。そしてとうとうキララとの手紙のやり取りが最後になった時。キララの文面は凄く怒っていた。しかしその文面の最後に不自然な行間があり...........。
『困った事があったら、いつでも僕を頼るんだよ。君の親友キララ・パンプキン』
透かし文字で手紙をしたためる、分かり難いキララ。
初めて私を友達と言ってくれたキララのその手紙は私の御守りとなり、いつも肌身離さず持ち歩いている。
毎日『首なき騎士』を狩るだけに心力を注ぎ、只々戦いに明け暮れる日々。そうこうしている間に1年の歳月が過ぎた。
一時的に任務からの帰還を許された私は直ぐにキララに手紙を送った。キララからの返信も直ぐに届き。そこで私は知る。キララのギルドに所属している冒険者の聞いた事も無いスキルの名『ドロップアイテム率上昇』。
私は兄に相談を持ち掛けた。兄も余りにも酷い結果になくなくその申し入れに首を縦に振った。
キララに会える.........そう思った私は浮足立った。そしてとうとう..........やっと...........キララに会う事が叶った。
嬉しかった。
キララもそんな私に笑顔で迎え入れてくれ、時間を忘れて他愛もない話をした。こうなる事は安易に予想された出来事。だから私は先に手紙を送りクエスト内容を伝えていた。
そしてキララが徐に席を立ち。ドアを開き声を張り上げた。
「こらーールル、帰って来たんなら、さっさとコッチへ来なさい!この役立たず」
変わってないなーキララは..........言葉と表情が一致していない。でもこんなに表情豊かだっけ?もうちょっと分かり難かったんだけどな...........そんな事を考えている私の前で、ルルと呼ばれた冒険者は何を思ったのか、突然キララの胸を揉んで押し倒した。
はっ、はあああああああああーーーーーーーっ!キララがキララが大人になっていた!
その次の日キララは必死に私に誤解を解こうとあれこれと言い訳をしていたが..........。
表情とそれは矛盾している内容だった。
キララが好きな人ルル・トイドール。その男は欲望のままに何の躊躇いもなく行動を起こす人物。化け物であるキララや私に何の戸惑いも無くその欲望を剝き出しにする鬼畜。
完全実力主義の冒険者の世界でランクSを持つ私にポンコツとか、どMとか言われた事が無い言葉を平気で使い罵る変わり者。
初めて経験するここまで人を貶め侮辱する言葉。初めて経験する普通の女性としての扱いに、いつの間にか私も彼を.............。
その彼の為に私は今この人生の幕を閉じる筈だった............そう覚悟をしていた............。
でも................。
自分の血で掠れる目が、サイクロプスの背後から駆け寄る存在に気が付いた。
いや、恐らく目が捉えたのでは無く。それは彼のスキルによる気配の操作によるものだろうと思われた。
死が怖くてでは無かった.........また会えた..........もう一度この掠れた目で彼を見る事が出来た.........ただそれが嬉しくて...........私の頬に涙が伝った。
サイクロプスはその存在を感じ取り、棍棒を振り下ろす事を止めて彼の方に振り返る。
何故戻ってきたの?..........貴方には生きていて欲しかった..........。
そう思った瞬間。私は彼の手に光り輝く存在に気が付いた。
それは余りにも巨大な力。サイクロプスでも私の体を恐怖で支配する事は無かった。しかし彼の手に光り輝くその存在は私の身を震わせた。
彼はサイクロプスに飛び掛かり、その手をサイクロプスに向かい翳した。
「究極の光属性魔法ーーーーーーーーーっ!」
そして............。
言葉と同時に、光り輝くそれにサイクロプスの体が包まれた.............。