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護衛役は女の子っ!

護衛役は女の子っ!《番外編》〜マリアの決意〜

作者: 春日陽一

<護衛役は女の子っ!>をお読みになったことのない方は先に本編をお読みになって下さい。

きれいに着飾って楽しくお茶会。

でも、話している内容は決してきれいなもんじゃない。


きれいに着飾って優雅に舞踏会。

でも、裏はドロドロしてて決してきれいなもんじゃない。


みんなで笑って、家族で団らん。

でも、それはみんな嘘で決して仲がいいわけじゃない。


「家族なのに・・・・・・」

そう言った彼女はこの家の長女、マリア・シー・ザビルである。

彼女の兄弟たちは全員で五人、そしてみんな、ライバルだ。

「兄弟がライバルかぁー、今思うと結構さびしい家だなぁー」

彼女は今出てきた家を見ながら呟く。

ザビル家はこの国の中では結構有名な家柄だ。

別にマリアは父の地位を継ぎたいわけではない、しかし、女も親の跡取りをできるこの時代、自然と跡取り争奪戦みたいなものに巻き込まれる。

そんな日々がマリアは嫌いだった。

いっそこの家から今すぐ出て行きたいくらいだった。

もし、マリアが

「家を出て行く」

と言ったら、兄弟たちは喜ぶだろうが、父は止めてくれるだろう。

「それは、優秀な道具を呼び止めるのであって、私じゃないと思うけどね」

それが他の兄弟たちからしたら一番邪魔なのかもしれないが。


「私は人形じゃないっ」

そう思った時から私はここから出たくてしょうがなかった。

このドールハウスから・・・・・・



マリアは驚愕した。

「な、なんで、アンジェがそこにいるのよっ!」

思わず声に出してしまうほど。

何とアンジェは王の第一騎士がいる位置にいたのだ。

幸い、あまりマリア自体声を大きくしていないのと、周りのざわめきとがあって目立つ事はなかった。

まぁ、隣にいるセリーヌ家の次女には気づかれたようだが。

そんなことを気にしているほどマリアは冷静ではなかった。

「もー、アンジェのおじさまとおばさまに約束したのに〜」

実はマリアは何をするかわからないアンジェを心配するアンジェの両親に

「大丈夫です。

 アンジェは私が責任をもってしっかりと連れて帰りますから」

と約束していたのだ。

そんなこんなでパニクっているマリアを知っているのか知らないのか、アンジェはマリアを見つけたようで手を振ろうとした。

「やばいっ!」

とマリアは思ったが、幸いアンジェは横にいる王様アージスに見られているのに気づき手を振ろうとしたのをやめた。

「ほっ」

マリアはひとまず安心した。


「それにしてもこの事態をどうしよう?」

マリアがそれを考えているともう一つの考えが頭の中に浮かび上がってきた。

「このままアンジェを利用して、自分がアンジェの世話役になり、いっそこのまま家を出てしまったら・・・・・・?」

これなら、アンジェの両親との約束を破った罰だと言って、アンジェの両親も自分の両親も納得させれるだろう。

それにマリアは一度でいいから王宮で働いてみたかった。

そしていろんな事を学びながら、礼儀や作法を身につけたいと前々から思ってた。

「世話なら兄弟達のをしたことあったしなぁ〜」

まぁ、当の本人達は忘れていると思うけれど。


後、もう一つ。

マリアはアンジェを助けてやりたかった。

昔、マリアはアンジェに助けてもらった事があったのだ。

多分、あの(男の格好)のままという事はこれからも王宮で男として暮らすつもりだろう。

「それはつらいと思う」

とマリアは思った。

「よしっ、今度は私が助けてあげる。

 人形のように扱われる私をあのドールハウスから出してくれたのはアンジェだしね」

マリアはアンジェの世話役になる事にした。

どうせマリアは今回の面接を本気で受ける気はなかった。

ただ、父に言われたために仕方なく来ただけだ。


「待っててね、アンジェ。

 私が今度はあんたを助けるわ」

そう言ってからマリアは呟く。


“そして、ありがとう。

 私がドールハウスから出るきっかけをつくってくれて。”

こんにちは、春日まりもです。

初の番外編を書きました。

これからも<護衛役は女の子っ!>をどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[一言] どうも初めまして。 先に本編を拝読させていただいたんですが、長いw んだもんで、まだ途中ですがこっちの番外編も見させていただきました。まだこれからじっくり読んで行こうかと思います。 …
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