死に損なった彼女
彼女の様子が変だ……
元々……変な行動が多かったが……
最近はもっと変になってる……
目を合わせてくれないんだ……
手を繋いでくれないんだ……
真夏だと言うのに……長袖のパーカーを着て……
僕に何かを隠している……
君は誰に怯えているんだい……
今日彼女が手首を深く切ったみたいだ……
僕は病院に駆けつける……
彼女はベッドで眠っている……
うなされながら
助けて……
ひとりにしないで……
あぁ……彼女を苦しめていたのは僕なのか……
彼女目を覚ました……
僕は愛おしそうに包帯の巻かれた腕を撫でる……
小さな声で彼女が言う……
ただいま……
僕も微笑みながら言う……
お帰り……
君はいつまでピエロでいるんだい……
仮面をとった君を見てみたいよ……