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最初に、この作品は「続編」です。

しかし前の作品知らなくても大丈夫な様にします。

知っていればより楽しめるのは間違いないです。


血・グロ・ホラー表現がありますので苦手な方はご注意下さい。

(NL・BL・GL関連は一切ないです。)

はぁ…はぁ…


誰かの息づかいが聞こえる。とても近い。

頼むから落ち着いてくれ、俺も今構っていられる余裕が無いんだ。

考えている間も近くで荒い息づかいが鳴り続けている。


こっちも大変なんだから自分でなんとかしてくれ!


ケンタ「はぁ…はぁ…はぁ…」


…俺?この息づかいは俺なのか?

こんなに呼吸が乱れている俺を、俺自身は知らない。


ケンタ「は…はは…そうだよな…はぁはぁ…」


そうだ、考えれば分かるじゃないか。この教室には俺以外誰もいない。

だから呼吸が聞こえるって事は、俺しかないじゃないか。

上手く声が出ない程に震えている。


ケンタ「はは…は…どうしたんだ俺…こんな寒くも無いのに…おかしいよな…はは…は…」


奥歯があり得ない位ガチガチと鳴る。

このまま歯が割れてしまうのではないか?と思う程。


ケンタ「収まれ…収まれ…っ」


自分の意識では止めようと努力しているが、全く言う事を利かない身体。

どうしてこうなったのか?俺は乱れる思考を落ち着かせて考えた。

ひょっとして俺は何かを忘れてる?


ケンタ「…俺…そう言えばなんでここに…?」


もぞもぞと机の下から這い出して蛍光灯の下に立ち尽くす。

辺りを見渡すが誰もおらず、静まり返った教室にはジーと言う電気の音が聞こえる。

表へ視線を向けると外は真っ暗で何も見えない。

机や椅子が規則的に並べられているが…ふと視線が気になる物を見つけた。


ケンタ「…?なん…」


ズキリ。と頭が痛み、不思議な感覚だった。

徐々に何かを思い出して来た。

あぁ…そうだ。俺はついさっきの出来事を忘れてた。


ケンタ「…あ…あぁ…ああ…」


目の前で起こった非現実。

妙な重さを感じた靴に千切れた…


ケンタ「そ…そうだよ…足首が…落ちてて…」


俺は必死に思考を整理する。

頭に出て来た言葉をそのまま口に出していく。

それはさながら読み上げるアプリの如く、文字をそのまま発音している様だ。

しかし途中で読み上げる言葉が詰まる。


そうすると気になる事があった。

辺りを見渡しても足首と言う物が何処にも無い。

もしかしてそこだけ夢を見ていた?


ケンタ「…なんだって俺は足首なんて…そんなもの無いじゃないか。」


少し落ち着いた心臓と脳を感じながら教室の後ろ側に向かう。


ケンタ「うを」


何かに躓き俺はバランスを崩した。

誰だ?こんなイタズラする奴は?転んだら怪我するだろう。


ケンタ「まったく…誰だよ、こんな所に穴なんて…」


穴?教室の床って簡単には開かないだろう。

落ち着いた頭でツッコミを入れる。

ここまで回復すればとりあえずは正常な考えが出来そうだ。


ケンタ「教室に穴…開いてたっけ…?」


日々通った教室の今居る部分を必死で思い出すが穴があいていた記憶は無い。

まだ何か忘れている。俺の中の何かが警報を発している。


ケンタ「…っつ。また頭が痛てぇ…。」


ぼんやりと 穴の開いた瞬間を 思い

巨大な白い何か、廊下を歩く音 金色の眼が_


ケンタ「はっ!?…はぁはぁ…」


落ち着いた筈の思考が一気に騒ぎ始める。

おかしいおかしいおかしい。居る筈無いじゃないか。

俺の頭はおかしくなってしまったのか?変な足音はこの学園の生徒だっただろう?


ケンタ「…」


いや…分かっていた。

アレは生徒でも何でもなく、そして何だか分からない。

しかし見もしない内から、アレには見つかってはならな。

そう身体が本能が恐怖した。

だから俺は


ケンタ「…はぁはぁ…はぁ。だから俺…ここに隠れたのか…」


何故か忘れていた。恐らく目の前で起こった出来事のショックで一時的に記憶が飛んだのだろう。

本当にこんな事あるんだなぁ。と他人事の様に呟いた。


俺は立ち上がり、真っ暗な廊下へ歩き出した。


《2階-廊下》


他にも生徒が居る筈だが、全く物音がしない。

恐らく皆何処かへ隠れて助けを待っているのだろうか?

…出来る事なら俺もその場に行きたい。


ケンタ「でも…ショウマツやアイミを見つけてからだな…」


そう。あの二人を見つけたら。

どこかの教室で助けを待とうと思う。

大丈夫。あの二人は俺が言うのもなんだが逞しい。きっと大丈夫だ。



真っ暗な廊下を歩く、誰の気配もしない空間に俺の足音だけが反響する。

誰もいない学校ってこんなに静かで音が響くのかと、どうでも良い事を考えて自分を落ち着ける。


ケンタ「…ゴク」


ショウマツが良く学校の怪談を話していたっけ。

ふと、そんな事を思い出した。正直最悪のタイミングだと思った。


ケンタ「…ショウマツに出会ったら、先ずは蹴り飛ばしてやるか…」


若干気持ちに余裕が出て来たのか、俺はショウマツへどんな罰をくれてやるか考えた。

静かな廊下。もう少しで階段が見えてくる頃だ。

そこで俺は最悪の状況に悶絶した。


ケンタ「…!?く…くそ…なんだってこんな時に…」


俺は見てしまった。この部屋を…。

そこに有った名称は…


ケンタ「トイレ…行きたくなった…」


色々な事があって忘れていたが、実は凄くトイレに行きたかった。

しかしこの「トイレ」と言う単語を見なければもう少し耐えていられたと思う。

この場所に「トイレ」を設置した奴に憎しみを感じた。


ケンタ「だ・・だめだ…我慢出来ない!」


俺は弱々しい電気が点滅するトイレへ入った。



暫くしてトイレのドアが開く。


ケンタ「…くはぁ…もう思い残す事が無い」


至福の刻を過ごした俺は目眩がする程の心地よさに包まれていた。

暗い廊下も今なら普通に受け入れられる程だ。


ケンタ「よし…!心機一転二人を捜すか」


階段に向かい出したその時。先から走る音が聞こえる。

それは一直線にこちらに向かって来ている。

…廊下なのだから一直線に繋がっているのは当たり前だ。


ケンタ「あ…ちょ…!?隠れないと…!」


俺は急いでトイレ前の手洗い場の陰に隠れた。

今更だが、教室での得体の知れない何かなら。

見つかってしまうんではないか?そんな思いが過った。

その瞬間俺は恐怖で動けなくなった。


ケンタ「…はぁ…はぁはぁ…」


息づかいが荒くなり、足が言う事を利かなくなる。

徐々に足音が近づいてくるが暗くて遠目に姿を確認する事は出来ない。


「はぁはぁ…!」


暗闇から息づかいが聞こえる。

どうやら走っている奴の息づかいか?

何か焦っている?走っているから疲れているのか。


足音の主がぼんやりと見えて来た。

その姿は。


ケンタ「あ…うちの生徒じゃないか…なんだよ…脅かしやがって」


俺は隠れていた場所から立ち上がり走る相手に話しかける。

「やあ、どうしたんだ」きっとそんな感じの言葉だったと思う。

本当に当たり障り無く、誰にでも無難な挨拶。

それを見た走ってくる人影は。


「ひぁっ…きゃあああああああああ!!」


耳を劈く悲鳴を上げてその場で転んだ。

余程全力で走っていたのか、転んだ後2~3回転がって壁にぶつかった。

俺は最初の悲鳴で耳がキーンと痛んだ。


ケンタ「…お…おい。大丈夫か?」


「ひぃぃぃ…た…たすけ」


何か錯乱している様で定まらない視線が右往左往しながらぶつぶつと何か喋っている。

身体がガタガタと有り得ないくらい震えている。

そしてよく見ると、女子生徒だった。


ケンタ「大丈夫だって!おい!しっかりしてくれ!」


俺はブツブツと呟く女子生徒をユサユサと揺らして問いかける。

徐々に女子生徒の視点が定まり、俺の目を見る。

二人、暗い廊下で見つめ合う。


「あ…え…?私どうしたの…?」

ケンタ「いや…よくわからないけど、走って来て転んで…」


女子生徒は目を大きく見開いて俺を見る。

まだ何か落ち着いてない様だ。

一体なんで走っていたんだろう?


ケンタ「…あの?落ち着きました…?」

「は…はぁはぁ…アナタ誰…」


まだ錯乱しているのか俺の事を聞いてくる。

無理もない。俺もついさっきまで同じ様な状況だった気がする。

ここは早めに落ち着いて貰うのが良いと思った。


ケンタ「俺の名前は、ケンタ。そこのクラスだ」


俺は教室を指差した。女子生徒は黙ってその先を見る。

まだカチカチと歯をならしながら震えている。

何があったのだろう?もしかして俺の見たのと同じのを?


「…そ…そう」


女子生徒は一言相づちを打った。

とりあえず二人を捜しに行かないとならないから俺は立ち上がる。


ケンタ「よっしょっと…んじゃ俺いくわ。」


歩き出そうとする時にグイっと引っ張られる。

後ろを振り向くと真っ青な顔をした女子生徒が俺の上着を引っ張っている。

そのまま無理に振り払う事も出来るが…する意味は無いだろう。


ケンタ「…?あ…あの?どうしました」


俺はまだ恐怖の色をした女子生徒に聞いてみる。

女子生徒は口が回らないのか、一所懸命に首を振っている。

何を言いたいのか?首を振るだけでは分からない。


ケンタ「あの…俺友達探さないと行けないから。向こうに居るかもしれないし…」


そこまで言った時、急に女子生徒が掴み掛かって来た。

先ほどまでの上着を掴む様な動作ではなく、胸ぐらを両手で掴む。

「うを!?」と言う声を上げながら俺は壁に背中をぶつける。


胸ぐらを掴む女子生徒が「はぁはぁ…」と乱れた呼吸をしながらうつむく。

少しの間そうしていたが、その口を開いた。


「あぁ…あ…あっちににに…いいいいっちゃ…だだだ…め」


「あっちに行っちゃ駄目」とガチガチと震えながら俺に伝えてくる。

その目は恐怖の色に染まり、瞳より涙が溢れ出ている。

どうしたんだ?


ケンタ「いやでも、もしかしたら向こうに友達が居るかもしれないし…」


ショウマツとアイミが心配だし、何より得体の知れないの居るみたいだから伝えないとならない。

とりあえず今は二人と合流してから脱出する方法を考えるたい。


「…だ…だだだめだよ…向こうは…」


…??何を言いたいのだろう?もう少し落ち着くまでここで休んでた方がいいと思う。


ケンタ「あの…もう少し休んでいた方がいいと-」

「違うの!絶対だめ!行っちゃ駄目なの!!!」


大声を張り上げて訴えかけてくる。

一体どうしたと言うのだろうか。

いつまでもここに居る訳にもいかないし、急がないと。


ケンタ「とりあえず注意して行くし、用事終わったらまた戻ってくるからさ?」

「…戻れないよ…」


「え?」と俺は女生徒の顔を見る。


「あの女と出会ったら終わりだよ…それで隠れていた皆…連れ去られたの」


あの女?女性なら沢山いるが…。

でも女生徒の顔はふざけた様子も無く、明らかに恐怖の色に染まっている。

それに「連れ去られる」とは一体どう言う事なんだ?


「何か外が暗くなったから、クラスの皆で教室で待っていたの。そうしたら教室に見た事無い女が入って来て…」

ケンタ「見た事ない女…?」


一体それは誰だ?と聞こうとしたが意味が無いと思って口には出さなかった。

しかしその女に連れ去られたって…抵抗しなかったのか?


「今…抵抗しなかったのか?とか考えたでしょ?」


俺はギクっとなりながらやや俯いた。

その様子を察したのか女生徒は言葉を続けた。


「勿論…抵抗はしたわよ。男子もいたんだし。そしたら…あの女…」

ケンタ「…」

「…変な機械みたいなのが・・・抵抗した男子を…男子を…」


そこまで話しをした女生徒の顔がみるみる恐怖の色に染まる。

信じられない光景に、納得したく無い。そう言った顔だ。


ケンタ「…それでも、やっぱ探さないとならないから。」

「…あ!」


女生徒が止めにくるが俺は振り払って廊下を歩き出した。

とりあえず女生徒の情報は気をつけなければならない事柄だと思うから最新の注意を払って探そう。


俺は2人を捜す為に先へ進んだ。

初めまして、無演技劇団◆ぱらすあてね らびLine'S と申します。


OVD作品「re:MEMORY」の続編に位置する話を先ずは小説にて公開していきます。

長い作品ではありますが、お付き合い頂ければ幸いです。


尚、OVD作品は当サークルサイトより一部フリー公開されておりますので、気になりましたら併せて聞いて頂けると喜びます。感想もあれば感涙。


1人でも多くの方を楽しませられる作品を心がけて行くつもりです。


以上、宜しくお願いします。


HP : http://pathena-muengi.info/

Twitter : @PAthenaMuengi

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