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最初に、この作品は「続編」です。
前の作品知らなくても大丈夫な物語を考えております。
血・グロ・ホラー表現がありますので苦手な方はご注意下さい。
(NL・BL・GL関連は一切ないです。)
周囲に響き渡る耳を劈く悲鳴
悲鳴喝采とは良く言ったものだと感心さえしてしまう。
ケンタ「え…?何が起こったんだ…」
目の前の出来事を全く理解出来ない俺は立っている事しか出来なかった。
《下校口》
ようやく皆落ち着いてきた様だ。
その場に座り込んで項垂れるもの、友人と抱き合って泣くもの、スマホで連絡を取ろうとするもの
それぞれが懸命にこの状況に対応しようと行動している。
ケンタ「…くそ。なんだってんだよ…」
俺は小さく独り言を呟き。
深呼吸をして頭を安定させる。
こう言う時は焦っては駄目なんだ、とにかく落ち着くのが一番だ。
ケンタ「……よし」
大分落ち着いた。
とりあえずは外には出られないって事は確かだから警察とか来るまででない方が良さそうだ。
そして次は。
ケンタ「アイリとショウマツは大丈夫かな」
そう、あの二人が無事か?
思い切って外に飛び出したりしそうだから有る意味怖い。
ケンタ「急いで探さないとな」
俺は重苦しい空気が漂う場所を離れ、学園内を探す事にした。
《2階》
俺は教室に向かって歩いている。
窓の外を見てもやはり闇が広がってて何も見えない。
ケンタ「…」
脳裏に先ほど下校口で起こった出来事を思い返す。
「ぶつかった」や「倒れた」でもなく、目に見えない何かに押し潰された様にも見えた。
思い返すだけでも吐き気がこみ上げる。
ケンタ「うぷ…」
やめよう。思い出すと気分が悪くなる。
一刻も早くこの事を二人に伝えて、外に出る事を考えないと。
ケンタ「そろそろ教室だ。頼むから居てくれよ…!」
階段から教室までが長く感じた。
なんでだ?
ケンタ「はぁ…はぁ…なんだってこんなに動機が早いんだ…」
普段とは違う風景がそうさせるのか。
先ほどから身体が緊張して動機も早い。
ケンタ「ふぅ…ふぅ…」
俺は深呼吸をして息を整える。
しかし全く収まらない。
ケンタ「身体中がピリピリしている感じがする…はぁはぁ…」
妙な感覚を覚えながらやっと教室の前にやって来た。
ケンタ「頼む…居てくれ」
教室のドアをガラリと開けた。
《自分の教室》
ケンタ「…」
静まり返った教室、明かりはついているが重苦しい雰囲気が漂う。
教室を見渡しても誰もいない。
ケンタ「くそっ…」
普段なら気軽に別の場所を探せるが、何故かむやみに歩き回る事をしたく無い。
何故だ?
ケンタ「…もしかして、俺怖がっているのか。」
身体に走る緊張と不自然に動機が早くなる。
未だかつて無い恐怖に怯えていると感じた。
ケンタ「ははは…何もないさ…。このまま三人で帰って、今日はゆっくり寝て、明日もいつも通りの生活が」
そこまで言って俺はある物を見つけた。
ケンタ「アレは…」
教室の後方に靴が落ちている。
ケンタ「何だってあんな所に靴?」
俺は教室の中に入り、靴に近づく。
誰もいない教室にカツカツ、と俺の足音だけ響く。
ケンタ「…ごくっ」
自然と唾が出てくる。
昼間はこの教室で馬鹿な話やうるさい位の喧噪だったのに、今は物音が全くしない。
電気のブーンと言う静かな低音だけが耳に入ってくる。
ケンタ「誰のく…つ…?」
靴を手に取った手に違和感を感じる。
ケンタ「なんだ…これ」
靴は妙に重たい。
こんな重い靴を履く奴なんて居ない。
ケンタ「…どうしてこんなに重…い…」
俺は信じられない光景を目の当たりにした。
ケンタ「ひ…うわあ…ぁぁ…!」
自分でも情けない声が出たと思った。
しかしそれ以上にあり得ないモノを見ていた。
驚いて手を離した靴が地面に落下し、重々しい音と共に一緒になっていたモノが転がり落ちる。
ケンタ「…な…なんだ…コレ…はぁはぁ…おかしいだろ…俺、夢見てるのか…」
ドチャと嫌な音を発しながら転がり落ちたソレは、紛れも無く【人の足首】だった。
ケンタ「…はぁ…はぁはぁ…」
心臓の鼓動が早い。
苦しくも無いのに自然と呼吸が荒くなる。
ケンタ「お…あ…はぁはぁ…はぁ」
きっとそうだ、コレはイタズラなんだ。
そんな思考が過る。
ケンタ「はぁはぁ…」
しかしそんな淡い期待にも似た感情はすぐにかき消される。
目の当たりにした下校口での『非現実』。
ケンタ「…っく…はぁ…はぁ…」
今置かれている状況を受け入れなければならないと思った。
だから二人に会う事を優先しないとならない。
ケンタ「く・・そ。こんな事…ここから出たら警察に行って」
ペタ…
ケンタ「…え?」
廊下で足音が響く。
ペタ…ペタ…
裸足?他の生徒がきっと廊下を歩いているのか?
とりあえずこの状況を教えてあげないと危険だ。
俺は教室の扉に向かう。
ケンタ「…ぐ…ぐぐ…何…?」
扉に近づく程、身体に嫌な緊張が走る。
いや、コレは緊張ではない、身体から発せられる『警報』だ。
ケンタ「…駄目だ…」
扉に近づく度、ではなく廊下を歩いているであろう相手が一歩一歩近づく度に『警報』が強くなる。
ペタ…ペタ…
何か分からないけど、こんな感覚は始めてだった。
俺は急いでショウマツの机の下に隠れた。
ペタペタ…ペタ…
足音が廊下にこだまする。
音が近づく度に心臓がはち切れる程鳴り響く。
ケンタ「…」
寒くも無いのに歯がカチカチと鳴る。
俺の身体はどうなってしまったのか?
ただ忘れ物を取りに来た生徒が廊下を歩いてるだけだ。
ケンタ「…ふぅ、ふぅ…」
目の前には電気に照らされている靴と足首が見える。
それも見慣れてしまったのか?それとも『警報』の方が上回っているのか。
ペタ
ケンタ「…!?」
教室の扉の前で足音が止まる。
身体中に嫌な汗が噴き出す。
頭が真っ白になり、何も考える事が出来ない。
ケンタ「ハァハァハァハァ…」
呼吸が速くなる。苦しい。深呼吸をしたくても出来ない。
「 あ」
扉の前の何かが喋った?
ほら、人だって。「忘れ物ですか?今、外に出ると危ないから。」
なんて、何事も無く机から出て話しかければ済む事だ。
ケンタ「ゼェ…ハァ…」
出来ない。いや、してはイケナイ気がする。
明らかにおかしい。重苦しい空気。
何が在るのかは分からない、しかし出ては行けない。見つかってはいけない。
俺の身体が全力で、そう『警報』を発している。
ケンタ「フゥフゥ…」
俺は口を手で押さえ少しでも音を消す。
「 け も」
何か言っている?どうでもいい。
ここから早く消えて欲しい。
そんな事を冷静に考えた刹那。
ドガァン!
ケンタ「…!?」
轟音が静かな教室に鳴り響く。
ケンタ「…あ…あぁ…」
俺は目を疑った。
目の前に有った、足が消え。
床が抉れた。
ケンタ「…」
目の前で何が起こったか理解出来ない。
瞬きする事もせずに凝視する。
足音が、ペタ・・・ペタ・・・、と教室から遠ざかる。
ケンタ「…」
俺は、その場から動く事さえ忘れ。
息をする事も忘れ。
一点をただただ、ナニかがアッて、抉れた教室の床を見つめている事しか出来ない。
初めまして、無演技劇団◆ぱらすあてね らびLine'S と申します。
OVD作品「re:MEMORY」の続編に位置する話を先ずは小説にて公開していきます。
長い作品ではありますが、お付き合い頂ければ幸いです。
尚、OVD作品は当サークルサイトより一部フリー公開されておりますので、気になりましたら併せて聞いて頂けると喜びます。感想もあれば感涙。
1人でも多くの方を楽しませられる作品を心がけて行くつもりです。
以上、宜しくお願いします。
HP : http://pathena-muengi.info/
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