第2章(19)/7
「もう止めないか、こんなこと」
「いまさらなんだよ」
突然のことに、思わず反論してしまった。
「正直俺はさ、こんなことがいつまでもうまくいくなんて思えない。いつか失敗する時が来ると思うんだ」
竹田が真剣な目つきでにらみつける。
「今まで黙ってたけど、実は大西とお前以外の3人には話をとおしてあるんだ。みんな止めることに賛成してる。俺達は今日限りでこの集まりから抜ける」
竹田は決然と言い切った。
「それって・・・」
「そう。解散だよ」竹田の言葉に迷いはなかった。「もう2ヶ月くらい前から決まってる。今回俺がみんなを集めたのもそのためだ」
「お前が集めた?何言ってんだ。今回の計画を提案したのは・・・」
「大西だよ。でも違う。俺達4人で決めたんだ。そして大西をけしかけて、今日集まるように仕向けた」
「なんのために?だったら放っておけばよかったじゃないか。わざわざこんなことをする必要なんて・・・」
「大西がどう出るか分からなかったんだよ」
意味不明だ。どうしてそんなに大西を意識するんだ?あいつ一人に、何ができる?
「青島は知らないかもしれないけど、大西はしばらく前からかなりまずい連中と付き合いはじめてる。いわゆる不良だよ。バックには暴走族だとか暴力団とかも繋がってるらしい。」竹田は困り果てたというふう苦笑した。「そいつらに大西が、武勇伝ってことで俺達の活動を触れ回ってたんだ」
「だから面子を守るために、大西はなんとしても解散に反対してくるって、そういうことか?」
「そうだ。だから今日俺達は、わざと計画を失敗させるつもりでいる」
「自分が言いだした計画が失敗に終わったところで失意のうちに話を持ちかけて、それで、大西に解散を納得させる」
「そういうことだ」
「何で俺に黙ってたんだ」
「青島も反対してくると思ったんだよ。盗みをしようと最初に提案したのはお前だったろ」
「そうだっけ」すっかり忘れていた。
「で、どうなんだ。賛成なのか、反対なのか?」
もちろん賛成だ、前から止めようかと思ってたんだよ、と言うと、竹田は大げさに安心した。
「お前が反対してきやしないかと不安だったんだよ。もし大西にこの事を話して形勢を巻き返そうなんてされたら、それこそ俺たち4人は大西の仲間の連中にどんな目に合わされるか分からないからな。特に同じ学校の3人は」
竹田はそれから今日の計画について説明しだした。なんてことはない、単純な方法だった。要するにわざと学校のセキュリティーに引っかかって後は逃げるだけだ。
頼むぞ青島、とだけ言って竹田はもと来た道を戻りだした。一輝もそれについて、冷たい寒空の公園の散歩道を歩いた。




