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第六話 原因
「大丈夫か?」
「…うん」
「…あんなの、気にしなくても…」
「…いいんだ。僕に原因があるんだから。」
「そうなのか?そうは見えないけど…」
「君は優しいね。僕にこんなに優しくしてくれる人なんてそうそういないからさ」
「当たり前だろ。急にどうしたんだ?」
「…お願いだ。僕と距離を置いてほしい」
「は?」
「…これ以上いると君の身の安全も保障できない。」
「そりゃ分かってるけど…」
「…君だけは僕の所為で傷つけてしまいたくない。だからお願いだ。」
「…ダメだ。里奈を見捨てるなんて出来ない」
「…もう…ほっといてよ…僕の所為で誰かが傷つくのは嫌なんだ。」
「…誰も傷つかないのが普通じゃないのか?」
「…もう…いいんだ。だから、ね?」
「…分かったよ。里奈がそうしろっていうんだったら仕方ないしな」
「…ありがとう」
「でも、何かあったらそんな忠告受け付けないからな?」
「…うん。」