第五話 異常な教室
翌日。朝来ると里奈が絡まれていた。しかしまさか昔よく遊んだあの里奈だったとはなぁ…
何かなぁ…昔は仲が良かったのに、なんか離れていってしまう…
そんなもんなんだろうけどなぁ…
「どうした?厨二病みたいなこと考えてるような顔してるけど」
「えっ」
「図星だった?俺すげー」
いやお前の方が厨二病のような考えだろ
「ところでさ、あの葉月って奴知ってるか?」
知らないって答えとくか
「いや、知らないけど」
「アイツさ、結構ヤバイ噂あるらしいぜ」
「そうなのか?」
「ああ、そうは見えないけどな、清純そうな子に限ってビッチだったり、ギャルが清純だったりするんだよな」
「…お前それ誰から聞いたんだ?」
「え?落川だけど」
落川…そういや俺と仲悪いな…何か関係してるのか?
それとも昨日里奈といたのが見られてるとか…
「とにかく、近づかないほうがいいぜ?」
その日は学級委員やら色々決めるのだけで、俺はまた図書委員とかいう委員会に入ったから残っていて遅くなってしまったわけだが。
とりあえず、念の為教室を覗いた。
そこには、里奈と落川の姿があった。
そういや、落川も里奈も学級委員をやってたっけ?
それなら、変な事は無いだろうけど…ん?
ゾロゾロと人が入ってきた。昨日の女子もいたし、少なくとも昨日より人数は多い。
俺は耳を澄まして様子を窺うことにした。
「ふーん。で、持ってきたの?」
「も、もう限界だよ…」
「そりゃあねぇ?あんたの家には親はいないし、姉だけだもんねぇ?」
「…」
「黙っちゃったよ、そんで、あんたに頼みがあるんだ」
「…何?」
「うっふふ、簡単よ。あんたに飯野と付き合って欲しいの?」
「!?」
「驚いちゃって、大丈夫よ。あの子障害者だからねぇ?あんたが優しくしてあげなさいよ?」
「そ、そんなの…」
「うっせえ!いいか?明日には付き合ってるって報告するんだぞ!出来なかったらな…」
「…でも…」
「あんたに拒否権なんか無いわ?ねぇ皆?」
「そうよ。出来なかったら、男子の肉便器になりなさい!分かった?」
「ミミ最高~。そんぐらいしないとね~?」
「…」
「あんたに話しかけたり優しくするやつはみ~んな、あんたのことなんてクズだと思ってるのよ?」
「ああ、そうだぜ?分かったか?分かったなら、明日飯野と付き合ってろよ?」
「…」
「じゃーねー?糞ビッチ里奈ちゃん?」