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第四話 帰り道

もう既に暗い道を俺は女の子と歩いていた。傍から見ればカップルに見えるかもしれないが、物凄く気まずい。


「あ、あの…」


「な、なんでしょうか?」


「きょ、今日はありがとうございました。」


「いえいえ、当然の事をしただけですよ」


「で、でも…お、お礼とかは…」


「いいよ別に、そんなの欲しくて助けたわけじゃないし」


「で、でも…」


「いいって。ところでそのあの」


「あ、名前まだ言ってないですよね?その…」


「ああ、私の名前ですか?ええと、蒼河零です。」


「葉月里奈です。もしかして同じクラス?」


「…?里奈?」


「は、はい」


「里奈…もしかしてさ、昔仙台に住んでた?」


「昔…」


「8年くらい前かな?」


「…もしかして…零?」


「やっぱり?やっぱりそうだよな?」


「零…会えて嬉しいよ…」


「俺もだよ。何だ里奈かよ、だったら話しやすいし、最初から気付いてればなぁ…」


「良かった…僕、零じゃなかったら…」


「ところでさ、いじめられてるのか?」


「その事なんだけどさ、君には赤の他人を演じて貰いたいんだ。」


「はあ?何でだ?」


「君の言うとおり、僕は虐められている。僕の所為で君が虐められるのだけは避けたい。」


「…それで?」


「君にだけは…その…」


「?…まあ分かった。里奈がそういうんだから、そうするよ」


「…」


「で、里奈って呼ばないほうがいいんだよな?」


「う、うん…………本当は呼んで欲しいけど」


「何か言ったか?」


「な、何でもないよ!あはははー」


「そ、そっか」


「それじゃあ、僕はこっちだから」


「あ、ああじゃあな」


さっき…なんて言おうとしたんだろうか?まあいいや。

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