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第三話 出会い

「う、うう…」


「あはー、ざまーみろー、そんじゃーなー、気が向いたら解いてあげるわ~」


俺は速攻で教室に隠れた。下手に現場を見ていたことが知られたら俺が被害を被ることになるからな。


いや、今の俺の考えはクズに等しいんじゃないか?どうするんだ?このまま帰るか。

俺は何も見なかった。何も見なかったんだから…



いや、



無理だろ。


教室の窓から見えた月は俺を全て見透かしていて、俺のことが知られるんじゃないかと思えるくらいだ。


そんな厨二病のようなことを言いながら、さっきの教室のドアの前に立つ。


でもいいのか?少なくとも無理やり縛られてる所なんか見られたくないだろ、特定の性癖の持ち主でないと。


それに女子だぜ?変な噂立てられたりしたら…


まあいいや、最悪はさっきのいじめっぽい現場の話をすりゃあいいし、そうだよな、うん、大丈夫だ。


俺は意を決して教室に入った。


ガラガラ


「えっ…」


戸惑っているようだった。そりゃそうだ。


「あ、あの…」


「…グスッ」


「えっ、あっ、ちょ」


「…ひぐっ、うぐっ…」


「いやあの泣かないで頂けるとこちらとしてもまあその何と言いましょうか」


「…うぅぅぅ…」

ポロポロ


泣いてる。いや、そりゃ泣くだろ。だって恐怖でいっぱいだぜ?身動きが取れない状態で知らない男と

二人なんてさ

「あーあのー」


「…ごめんなさい…」


「うぇ?」


「お願いします、そ、そのっ…」


「な、なにもしませんよ、実際クラスの親友にはめっちゃええ奴って言われてますからか弱い女の子に手を出すなんてふざけた真似はしませんから」


「…」


「と、とりあえず解いてあげますよ、それがいいでしょう、ね、やっぱりそれは…」


「…本当に?」


「え、ええ」


「何もしない?」


「はい」


「じゃあ、解いて…」


何をだよ。いやいやいや、何を言っているんだ俺は。女なんて全員俺の敵であると言うのを忘れたのか

そうだよ冷静に考えて。だから解いたら速攻で帰るか。うんそうしよう。それが良い。


「これをこうして…」


「…」


「んでそこは…」


「お願いしていいかな?」


「でもそこは私もかなり抵抗があり責任を持てるような人間ではなく…」


「…ふふっ」


「えっ」


「…いや、何でもないよ。それにほら、もう自分で解けるし」


「あ、ああ…」


「…もう暗いね」


時間はとっくに7時を過ぎていた。部活動も6時30分までだから帰らないと不味いな…


「…あの、じゃあな」


「そっち方面なの?」


「え?いやそうですけど」


「僕もそっちの道なんだ。良かったら一緒に帰らないかい?」


「いいのか?」


「うん。」


そして、俺はさきほどの状況に陥ったわけだが…

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