第二話 見てしまった
各自の自己紹介・挨拶が終わり、その日は終わった。
俺は紛失物を探し、教室に残っていた。
そして、紛失物を見つけ、下校する支度をし、廊下を歩いていた。
既に夕暮れ時で、もうすぐに日は暮れそうだ。
ふと隣の教室のドアの窓から中を見た。
すると、信じられない光景が広がっていた。
「あんたねぇ?ふざけてんの?」
「えっと…その…」
「マジありえねーし!ほんとムカツク!」
「なんか言ったらどうなんだ?黙ってんじゃない!」
「だ、だから僕は…」
「うるせえ!早く金出せや!」
「…」
「正直でいいねえ、にしてもこれっぽっちかい?」
「だって…」
「あたしらにとられてるからっていいたいのかい?次からもっと持ってきな!」
「…」
「あ~そうか、あんた親いないんだっけ?」
「え~マジ?チョー貧乏じゃ~ん?」
「…」
「悔しそうな顔してるけど、あんたはあたしらには何も出来ないもんね?」
「まあいいわ、それじゃあ後はこうして…」
「な、何を…」
「こうやってこうすればっと…」
「出来ましたね、姐さん。」
「ああ、今日もまた縛られたままで過ごしな」
「…」
「そんな嫌じゃ無さそうだねぇ?」
「嫌だよ…」
「ふーん、まあせいぜいその姿でいるんだな」