第6話 いつから母親だと錯覚していた?
その後受付のお姉さんに案内され、個室に入る。
去り際に舌打ちしてったんですけど……?
「わぁ~、素敵なお部屋ね♪ あら、アロマも炊けるわぁ~♪」
昨日のロイヤルでスウィートな部屋には当然劣るものの、部屋は清潔感が保たれ居心地の良さそうな空間が広がっている。前世で言うちょっと豪華なラブホみたいな感じ。行ったことなかったけど。
「それじゃあ……申し訳ないけど、母さんはトイレにでも行っといてくれる?」
さすがに母親の前でする訳にはいかない。いや、俺がトイレで済ませるべきか。ダメだ、少し混乱しているらしい。
「? 見てなきゃ、ダメなんだよぉ~?」
「いや、その……」
「って言うかぁ~、私がシテあげる♪」
「いや、それは……」
「この日のためにぃ、い~っぱいお勉強したんだからぁ~♪」
「いや、いや……」
マジかよ……。
いくらこんな世界だからって……母さんだぞ!?
若くてかわいくて血が繋がってなくていつも会うたびにドキドキしてたけど……それでも母親だぞ!
「ほらほら~♡ 凜ちゃんが大好きなおっぱいでちゅよ~♡ いつも会うたびにチラチラ見てた……凜ちゃんだけのおっぱいでちゅよ~♡」
……バレてたか。いやそんなことより――。
「あ……うぅ……」
声を出そうにも、出ない。というかさっきくら頭がボーッとして……とにかく目の前の愛しい女性をめちゃくちゃにしたい。
「どうしたの凜ちゃん……ママがいい子いい子してあげようか?」
言いながら……息子の頭を優しくさする母さん。
「うぅっ……母、さ……」
「こ~ら、真里愛かママって呼んでって言ってるでしょ? もう、お仕置きよっ♡」
柔らかな感触が息子を包みこみ――。
……。
……。
……。
――小一時間後。
「……」
「うふふ♪」
「……」
「素敵だったわぁ~♪」
「……」
「もっかいする? しようよ~♪」
「……しない」
……やってしまった……母親相手に俺は何てことを……!
しかも、フランを一生大切にするって言った翌日に!
「え~! あ、そうだっ」
「……ん?」
そう言って母さんはスマホをいじり出す。
「……送信、と♪」
「どうしたの?」
「えへへ、フランちゃんにえっちした報告♪」
「――――ッッ!?!?!? ちょっとぉっ!? それだけはダメだって!」
脅しに屈した意味が全く無いじゃないか!!!
「え~? もう送っちゃったよ?」
スマホを奪い、画面を見ると既読の文字ががが! しかもすぐ返事がきて……。
『おめでとうございます! お渡ししたアロマも活躍したようで何よりですわ!』だって……?
「……?」
「あ、バレちゃった? うふふ♪」
頭が回らない…しかし俺の中で歯車がカッチリ合ったような感覚がした。
つまり、フランが用意した興奮作用のあるアロマを炊かれていたってこと!
「母さん! さすがに俺達親子なんだからこんなことはダメだよ!」
「え~? 何で~?」
「親子だから!」
「でも……」
本気でわからないとでも言うかのような顔をしている。
「親子でえっちは普通で……他の男性のハーレムにも大体母親いるらしいし……」
「……」
意味が……わからない。わからないけど、母さんが悲しんでいるのはわかった。
「それに、親子って言っても血は繋がってないし……それにっ……それにぃっ!」
「母さん……」
ついには大粒の涙を流し始めた母さん。
「……私じゃ、嫌だった……?」
「そんなことは……ないけど……」
倫理的に問題があって……。
「私は……凜ちゃんのこと大好きで……ず~っとこうしたくって……!」
「……」
……違う。この世界では、違うんだ。倫理観が間違ってるのは俺の方だったんだ。
ましてや血も繋がっていない、あとは俺達の気持ち次第だったんだ。
「ごめんね……私っ、母親なんかで――」
「真里愛、俺の方こそごめん」
ここで覚悟を決めなきゃ、男じゃない!
「――っ! 凜ちゃ――」
「俺も好きだ! 会うたびにドキドキしてた! もう母親だからダメとか言わないから! 恋人になってください!」
「――っ! はいっ!」
もう迷わないし、母だとは思わない。
昔なじみのお姉さんってことで!
お姉さんです。




