表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/82

第31話 黒幕

 引っ越しが完了してから数日。


 実は昨日ミコさんや雪さんたちもこちらに引っ越してきた。

 部屋はたくさん余っているし、パーティを組んで行動することも多いからということで誘ったところ、2人が来てくれたのだ。星奈さんには丁重にお断りされたけど。


 そして今。

 俺の目の前には雪さん。何やら話があるということで呼び出されたのだ。

 彼女もいつになく真剣な顔をしている気がする。無表情だからわからないけど。


「えと……話があるっていうのは?」

「ん。これ」


 タブレットには、とある配信の画像。俺が映っている。『コスチュームプレイ』中の。

 ご丁寧に顔のドアップである。マスク姿とはいえ恥ずかしい。


「あ、あぁ! 最近話題になってるね!」

「……」

「俺の最初の配信と同時期だったから人気が分散して困っちゃうよね!」

「……」

「こんな大きなモンスターと戦うなんて……大変、だろうなぁ~……」

「……」


 段々と雪さんの表情が暗くなっているのは気のせいじゃないだろう。

 なぜなら眉毛が『八の字』になってきているから。フラット眉毛じゃなくなっている。


「えーっとぉ……」

「……」

「これ、俺なんだぁ~……」

「やっぱり!」


 白状してしまった。雪さんの無言の圧に負けてしまった……!

 まぁ……うん、仕方がない。彼女の眉毛がV字回復してるから、これで良かったんだ。


「説明を求む」

「あ、はい。実は――」


 実は別の世界からの転生者で、ダンジョンを破壊することを目的としていることや配信の目的。

 それに第2聖句を既に習得していることなどなど。

 つまり、全て話した。話してしまった。


「ということなんです……すみません、(だま)していて……」

「……あ、そっか。そういうことになるんだね」

「え?」

「え?」

 お互いキョトンとして見つめ合ってしまった。


「実力を隠してサポートを依頼していることとかに対して怒っている訳ではない……?」

「そこは別に……探索者としてサポートが必要なのは事実でしょ? 戦闘面での実力はともかく」

「それはそうだけど……星奈さんが知ったらめちゃくちゃ怒りそう」

 『曲がったことは大嫌いです』と顔に書いてあるもの。


「星奈さんは……怒るかもね。だから、私だけの秘密にしておくよ」

「……そうして貰えると助かります」


 何だかよくわからないが、雪さんが楽しそうに笑っている。案外いたずら好きなのかも知れない。

 ここまでの彼女の笑顔は初めて見たもの。


「ところでさ、どうして気が付いたの? 剣とか別のものだったし、他にも色々気を使ったんだけど……」

 結局、ゴーレムのやつと鳳凰のやつは音声だけ切り取って配信したそうな。

 なぜならランチョンもリアたちも俺の名前を呼びまくっていたからね……。


「口元でわかるよ。多分ミコもそのうち気付くと思うし」

「確かに口は出てるけど……結構画像荒いし注意して見ないとわからなくない?」

「そ、それと! 手が映ってた! あのワンちゃんの! この前真世さんのお部屋に置いてあったからすぐ気がつけたの! それだけだよ!」

 慌てた様子で教えてくれる。まさかリアの手が映っていたとは気が付かなかった!


「……だめ、これ以上は……勇気出ないよぉ……」

「え? ごめん、聞こえなかった」

「な、何でもないよ! それより、動画のチェックも細かいところは漏れちゃうから……」

「うん、気を付けなきゃね。俺も真世さんも気が付けなかったよ」


 真世さんは色々忙しいからなぁ。

 俺はそんな細かいところの確認などできるわけがないとわかっている。


「も、もしよかったら……手伝おうか? そっちの配信も」

「えっ!? それは嬉しいけど……いいの? 雪さんも色々あるんじゃない?」

「だ、大丈夫! パーティでの活動がない日はおうちで動画見てるだけだし! それに……」

「それに?」

「り――……」


 再び眉毛が下がり、目を(つむ)って何かを(こら)えるような、絞り出すような顔をしている雪さん。

 そんなに(りき)むとう◯こが――いや、これ以上はやめておこう。


「……真世さんとお話するのも楽しいから」

「……そか! そういうことならぜひお願いするよ! 早速フランと真世さんに話しに行こうよ!」

「えっ!? あっ……」

 雪さんの手を引っ張り、現在フラン達がいる3階の仕事場区域へと向かう。

 



 その後は給料などのことも含めスムーズに話が進み、今後は雪さんも『漆黒堕天騎士』の配信を手伝ってくれることとなった。




 ◆◇◆◇◆◇


 ――雪さん帰宅後。


「仕事ができすぎる真世お姉様が、機密事項であるリアを人目に付く場所に置く訳がないです」

「いくら忙しいと言っても、真世ならリアが動画に映っているのを見逃すはずがありませんわ!」

「人手を欲しがっていたのは事実。そして信頼でき、かつ高度な専門知識を持つ人物といえば雪さんしかしない」

「……」

 そう、つまり今回の話は――。


「全て計画通り、そういうことですね?」

「……ふ、ふふ……ふふふふ! あーっはっはっは! はい、その通りです」


 何で黒幕風高笑い……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ