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第24話 下心はない(とは言っていない)


「ふぅ……どうでした?」

 配信を終え、そのままボス部屋の扉近くにいた『アヘ顔ダブルピース』の方たちの方へ向く。


「いい感じ。山もあって盛り上がってたと思う」

 雪さんからのOKがでたので安心だ。彼女は割とこういうこと詳しい。アヘ顔の配信関連も彼女がやっていたらしいからね。


「……あ、あのね――」

「りおっち、お疲れ~☆ 疲れてるだろうし私がヌイてあげよっか?」

「なんと! 何かで突かれたのですか? お怪我は大丈夫ですか!?」

「むしろ突く方――いえいえ、大丈夫ですよ」

 2つの意味でね。


 それにしても、雪さんが何か言いかけたように見えるが……。


「――わ、私もう帰るね。疲れたし動画編集しなきゃだし」

「あ……」

 そう言って雪さんは走って帰還ゲートへと向かい、早々に地上へと戻ってしまった。


「そんなに慌てなくてもいいのにね~!」

「そうだな。いや……もしかするとずっとトイレを我慢していたのかも知れない……!」

 星奈さんも、素でこういう事言うんだもんなぁ~。仮にそうだったとしても、ここでバラしちゃ意味ないでしょ。

 



 ◆◇◆◇◆◇


「雪さん!」

 気になったので追いかけてみた。

 というか最近元気がない様子なので、どうにか元気付けてあげたいのだが……。


「凜音さん……どうしたんですか。ミコとこの後用事があるんじゃないんですか?」

「……えーと」

 しまった、何話すか考えてなかった。

 というか、言葉に棘がある気が……当たり前か、彼女からしたらパーティーメンバーに手を出してるんだから。


「……?」

「え、えーっと~……」

 あ、そうだ。


「よかったら俺ん家来ない?」

「へ!?」

 雪さんが驚き慌ててる。かわいい。

 じゃなくて! このままじゃただのナンパ野郎じゃないか!


「う、うぅ~……」

「じ、実はさ! うちにパソコン好きな人がいて、雪さんのことを話したら、ぜひ会ってみたいって言ってるんだ!」

 嘘ではない。半分くらいは。


「へ? あ、うん。別に……いいけど……」

「ほんと? 嬉しいよ! 予定いつ空いてる?」

「べ、別に……今日でもいいけど……」




 ◆◇◆◇◆◇


 そして車で自宅へと戻った。


「ただいま!」

「お、おじゃま……します」

 おどおどと、まるで小動物のように縮こまっている雪さん。

 俺よりも年上だけど、こういうところは何だかかわいい。


「おっかえりぃ~♪ あら、かわいいお客さんね♪」

「ど、ども……」

 迎えてくれた真里愛に対し、恥ずかしそうに返事をする。

 人見知りかな? 俺の時は大丈夫だったと思ったけど。


「おかえりなさいませ、私にしますか――おや失礼しました。私の作ったお夕飯にしますか?」

 うっかり発言をしかけた真世さん、この人こそお目当ての人である!


「実はさ……真世さんパソコンとか好きでしょ? こちらの雪さんもパソコンが得意で……それで……」

 伝われ真意! 都合よく目覚めよ俺のテレパシースキル!


「……ふふ。では早速私の仕事部屋に参りますか? 作業後のままでしたので少々散らかっておりますが」

「う、うん……はい」

 伝わった!?




「こ、これは……! GEIFORCEの最新ハイエンドビデオカード!? 裏やま素晴らしい……従来品よりもゲームなどへの出力は苦手なものの動画編集関連の機能を全面的に強化し価格も大幅にアップしたハイコストハイリターンの一品! うわぁっ、しかもCPUは主流じゃないメーカーだけどGEIFORCEのパフォーマンスを存分に発揮できるようにチューンナップされた特別性かつこんなもの誰が買うんだって当時騒がれたマニアックな代物!」

「ふむ、想像以上にお詳しい。ではこちらをご覧ください。この動画編集アプリですが独自のカスタマイズを特注させて頂いて――」


 ……楽しそうだね!

 俺もちょっとは知ってる方だと思ってたけど……井の中のミジンコだったみたいだ。


「あ……ご、ごめん……」

「ん?」

 思い出したかのように俺の方を振り返り、何故か謝ってくる雪さん。


「つ、つい我を忘れてしまって……それに、気持ち悪い、よね……?」

「いやいや、楽しそうでよかったよ。それに気持ち悪いだなんてミジンコも思わないよ!」

 微塵(みじん)も、だった。


「……でも……」

「そうやって好きなもののことをたくさん話してる雪さん、素敵だよ!」

「……ほんとぉ?」

 泣きそうになりながら上目遣いで尋ねてくる雪さん。なんだこのかわいい生き物。


「うんうん! だからさ、もっと話してよ! 雪さんの好きなこと!」

「うぅ~……でもぉ……」

「私も同好の方とお話できて嬉しいです。お嬢様もまひるもあまりお好きではないようですからね、こういったことは」

「……わかった」


 その後よくわからない単語が飛び交いつつパソコンや配信について熱く語る2人を眺めながら満足した気持ちになるのだった。




「……また……お姉様を取られた……」

 ドアの影からこっそり覗いているまひるちゃん。こっちくればいいのにね。

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