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チョコレート姫来襲

『ようこそ日本へ』

『来たわよ。お義母かあさまはどう?』

『元気にしてるよ。田舎のお祖父じいさんに養子縁組の許可をとるべく奮闘中』

『お義母さま、身寄りがないって話じゃなかった?』

『一応、亡くなった両親の親族はいるらしいよ。けど、みーんな両親が亡くなったときにお母さんを助けようとはしなかったらしいね。保護者は一応お祖父さんということになっているけど、現実はお母さんは保護施設で生活しているしね。でも僕らにとっては好都合。お母さんが国に保護されていたら養子として引き取るのは難しいけど、お祖父さんが保護者ならまだ当事者同士ということで目はあるからね』

『それもそうね。あー、それにしても会えるの楽しみ! あのお義父とうさまが惚れ込んでいて、君が未だに崇め奉っているお義母さまに会えるなんて!』

『忠告しておくけど、人前では「お義母さま」とは呼ばないように気をつけてくれよ。変な目で見られてしまうから』

『りょうかーい。じゃ、荷物おいて早速いこうか、ツキコのところへね』



『きゃーっ! 可愛い!』


 いつもの面会室に着くなりハイテンションな声に迎えられて、私は面喰って一歩あとじさってしまった。

 目の中にハートマークが飛んでいるんじゃないかと思われるその女性は、チョコレート色の髪と整った顔立ちをもち、メリハリのあるボディをかっちりしたスーツに包んだ、いかにも出来る女に見える女性だった。うん、その顔がだらしなく笑み崩れていなければ。


『セリア、月湖が引いてるよ。落ち着いて、ドウドウ』

『え? うわっ、ごめんなさい、ツキコ。あまりに可愛かったもので。初めまして、セリアです』

『初めまして、今は月湖・御杉です。以前はダイアナ・ホープ・レイノルズでした。月湖と呼んでください』


 そういって、私は目の前のセリアさんの手をがしっと握った。


『あと、これを口説き落として結婚までしてくれて、本当にほんっとうにありがとう。ひねくれ者の女嫌いだったから、まさかこんなすてきな奥さんができてるとは思わなかったわ』


 顎で息子をしゃくりながらいうと、目の前のセリアさんの手に力がこもった。


『そうなんですよ。口説き落とすの、すっごく苦労しました。逃げるし言い訳するし、身内以外の女を信じていないし蔑んでるし、こっちの気持ち無視するし。何度か本気で殺意わきましたよ』

『バカに育てちゃってごめんなさい。それでも落としてくれてありがとう』


 目の前で聞えよがしに交わされる苦労話に、自分を無視して意気投合していく妻と母に、蜂蜜色の青年はどんどん追いつめられていた。


遅くなって申し訳ありません。

これからも思い出したようにぽつぽつと投稿していくことになると思います。

どうか見捨てずお付き合いください。

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