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412/416

412.はよやれ



 会場となる大広間は、煌びやかなシャンデリアの光で満たされていた。

 磨き上げられた大理石の床には、着飾った貴族たちの影が落ちる。


 テーブルの上には、この世界では珍しい食材を使った料理が所狭しと並べられ、食欲をそそる香ばしい匂いが漂っている。


 グラスが触れ合う軽やかな音と、優雅な弦楽器の生演奏。

 パーティは、まさにつつがなく進行していた。

 

「このような素晴らしい料理の数々を、簡単に用意してしまわれるなんて……」


「今後の王こそ、我ら国民を、豊かにしてくれるに違いない……!」


 参加している貴族達の表情は、一様に明るい。

 今まで、パーティってなんのためにやるのか、いまいちわからなかった。

 ただの金持ちの道楽だと思っていたけれど。


 これを見て、ちょっと理解した。

 つまり、国王の力を示し、派閥をまとめ上げるための場でもあるわけね。


『!? そこに気付くとは……マスター、天災ですか? おっとぉ、ここの天災は、天才とかけたゴッド・ジョークですよ!』


「…………」


 脳内に響くハイテンションな声。相棒の真理だ。


『あれあれ、どうしたんですか、マスター? もしかして最近スミコ→リオン→ソロキャンおじと書きまくってるせいで、自分のキャラがわからなくなってきた感じですか?』


 誰だよスミコ、リオンって。そこが人名なのはわかるけど、ソロキャンおじってなんだよ。


『マスターはナガノミカ。山の神にして、元社畜OL。得意技は丸投げと全知全能インターネット検索ですよ。思い出しましたか?』


「真理さー、どう思う?」


『どうって? 一日に何作品も更新することについて? 読者が追うの大変そうだなってこと?』


「ちがうっての。そろそろマジの話ししたいんだけど」


 まあ、この子がふざけてるってことは、まだシリアス展開にはならないだろうけどさ。


『で、なんですか?』


「あまりに順調に物事が進みすぎてない?」


 もっと邪魔が入るもんかと思ってたんだけど。


『マスターが事前に、不穏分子を取り除いたからじゃあないですか』


「そらそーだけどさ……」


 それでも、もっと邪魔が入ってくるもんだと思った。

 魔族ってほら、しつこいからさ。ゴキブリ並みに。


『まあ、ミオケンボ本人が姿を見せないのは気になりますね』


全知全能インターネットで検索できないの?」


『隠蔽してるようですから、無理です』


「つかえねー」


 全知全能インターネットって、全知全能じゃあないの?

 なんか毎回ジャミングされるんだけど。ポンコツ検索エンジンかよ。


『使えない? 今、この全知全能を、馬鹿にしましたか?』


「はい」


『肯定しやがった……! このー! ワタクシを、ただの面白いだけの女だと思うなよ-!』


「違ったの!?」


 面白いだけが取り柄の女だとばかり思ってた(あと緊急時に役に立つ)。


『ワタクシが本気出しちゃったら、やばいよやばいよっ?』


「出●さんかよ。……本気?」


『本気出せば、隠蔽スキルをぶち破って、敵の情報を検索できます!』


「ほ、ほぉ~……」


 そ、そっかぁ~。

 頑張ればできるんだぁ、へえー。


 私はこめかみに青筋を浮かべ、空間を鷲掴みにする勢いで拳を握りしめた。


「は や く や れ や ぁ……!」


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※12/27(土)


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