409.狂犬
現実世界の料理に、貴族達はみんな舌鼓をうっている。
みんなが美味い美味いと幸せそうな顔で、キャロちゃんの料理を食べている……。
いやぁ、これよ。こういう、平和なのがいいよね。
ほらキエリュウとかさ、ああいうのを、私が魔殺呪文で倒すとかさ……。
そういうのって、よくないよ。武力による問題解決ではなく、料理を使っての外部交渉。
これが……知性ありし人間のすることよ。
ビームで一発解決なんて、野蛮なマネは本来やっちゃいけませんってばさ。
どら、私も食べちゃおうっと。
「ミカ様っ!」
フェルマァ(美人獣人姿)が、こちらにやってくる。
……うむ。
「かわゆいなおまえ……」
この場において、浮かないようにと、フェルマァはドレスを着ている。
これがまあ……綺麗なんだわ。子どもを産んだ母親とは思えないくらい、艶っぽい、大人の女な見た目をしてる。
ドレスのおかげで、いつも以上に、美人度があがっている。
現に、貴族のぼっちゃんたちが、フェルマァにみとれてらっしゃった。やめとけ。そいつは……狂犬。手を出したらかまれちゃうよ……?




