392.祈る
ゲータ・ニィガ新国王主催のパーティ、当日。
ぞろぞろ……と貴族たちの馬車がここ、王都へとやってきていた。
『続々と、ここグランレガリアへと集まってきてますね』
「ちょ、どこ……? グランレガリアって……」
『ゲータ・ニィガ王国の王都の名前ですね』
「名前なんてあったんだ……」
私たちは、城のテラスから地上を見下ろしてる。天理がモニター越しに話しかけてくる。
「怪しいやつって今んとこ来てる?」
『はい。ですが、入り口でそういう輩はしょっ引いてます』
「へえ、どうやって」
やり方は任せるとは言ったけど、具体的な防犯策については、把握してない (丸投げ)。
『シゴデキ妹が受付で、目的を聞いてます』
「目的……」
多分、海理のことだろう。
海理は入り口で、受付係をしてる。
なるほど、人工生命なので、もし万一乱闘沙汰になっても問題ない。
「そっか。目的を聞けば、わかるわけか。それが嘘かどうか」
『はい。全知全能でその発言が嘘かどうかを検索すればいいので。害意のある連中は、入り口で仕分けし、目に見える地雷は取り除いております』
なるほど……目に見える地雷、ね。
裏を返すと、目に見えない埋まってる爆弾は処理できていない、と。
たとえば、本心を悟られない呪いだの能力だのを掛けられていたら、見破れないわけだ。
「とりあえず、目に見える地雷だけ避けといて。潜んでる連中は、個別に処理するからさ」
『承知しました。海理にやらせておきます』
……今更だけど、天理が統括、海理に実行させるの、すんごく便利。スムーズに話が進むわぁ~。
真理たんはほら……横道にそれたり、言われてないことも張り切ってやろうとしちゃうから……。
『む? マスター、ワタクシを呼びました?』
「呼んでない、寝てなさい」
『残念! 今、全知全能友達と、えぺやってるんで!』
「じゃあずっとえぺやってていいよ……」
真理の出番がないことを祈るばかりだ。




