388.VTuberでびゅー
孫……爆誕……!
『Hi! 初めましてぇ~。名無しのごんべーでごじゃーいまーしゅ♡』
パソコンの中では、かわいらしい女の子が映ってる。
長い髪、おおきな瞳。そして……可愛いお声。
なんというか……あれだ。
「VTuberみたいだ」
『OH! 私しってまーす! ワインの兄貴とかー、いすずワインちゃんのことですねー!』
よく知ってるなこの子……。
お下げ文官ちゃんが手を上げる。
「あ、あの……ぶ、ぶいつーばーってなんですか? それに、わ、ワインの……兄貴?」
「あーえっと……。なんというか、あれだ」
異世界人にVTuberってなんて説明すりゃ良いんだ……。
「私の居たところでは、このパソコンを使って、その、配信ってものがはやってたんだ」
「配信ですか……?」
「そう。動画を、リアルタイムで、遠方に届けることができるのよ」
「! そんなことが……」
「で、VTuberっていうのは、パソコンの中に仮想のアバターを用意して、動かしながら、配信するっていうもの」
「は、はぁ……?」
ううん、やっぱ理解されないよな……。
『仕方ない事デース。VTuberを異世界人に知らせるのでしたらぁ、それこそこっちの世界で配信をやらないとデース』
「まあ……ね。えっと……」
そういやこの子の名前まだ決めてなかったな。
駄目な姉の真理。
しっかり者の妹、天理。
そして……このえせ外人みたいなしゃべり方の……。
ええと……。地理?
地理て。学校の教科かよ。さすがに女の子にそんな名前はよくないな……。じゃあ……。
「海理。今日から君は、海理ね」
『あ、ばかますたー!』
ばかますたー?
カッ……! とパソコンのモニターが、光り輝く。
モニターのなかから、美女が……現れる。
「じゃーん! 海理ちゃん、参上デース! グランマに名前を付けてもらって、存在進化したデース!」
あ! しまった……! 私……名前を付けるだけで、相手を進化させられるんだった……!
『あーもー、どんだけこのくだりやるんですかもー』
「…………」
お下げ文官ちゃんが、なるほど……とうなずく。
「VTuberさんっていうのは、画面からもでれるんですね……凄い……」
ああ、異世界人に、誤った知識を植え付けてしまった……。




