171.オリハルコン握り潰せる神
伝説の武器増やしまくってしまった……。
ま、多すぎて困ることないか。エンデの人に配って、使って貰えばいいし。
流通に出さなければ問題ないよね。うん。
「で、どうするの? この大量の希少鉱石たち」
山積みになってる、魔銀、神威鉄、そして聖金剛石。
「魔銀、神威鉄くらいなら、流通させても問題………………あるんですね、わかったからそんな怖い顔しないで二人とも……」
セイラちゃんとオベロンが凄い形相でこっちみていた。
どうやらどっちもレアで、流通とかさせちゃだめらしい。
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Sinri:どちらも希少で、これらを大量に、流通させたら確実に市場が壊れます。最悪、そんなレアな鉱石を何処で取れるんだ、うちにもよこせ、と他国が襲ってくるやもしれません
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「まあ魔蟲事件を解決した、冒険者ミカりんの噂は出回ってますし。彼我の実力差を理解せず、無理にエンデに侵略してくるようなバカは、そうそういないとは思いますけどね」
と、オベロン。あれ?
「魔蟲事件のことって、噂になってるの……? てかなんでそこ知ってるの?」
「……ミカ神さまって、新聞読まないんですか?」
う……。
「よ、四コマ漫画を少々」
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Sinri:異世界の新聞に四コマは連載されてませんよ?
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ふぐぅうう……。
「ミカって知識偏ってるわよね……」
「ほんとそれね」
「同意しちゃうんだ……」
セイラちゃんがあきれたようにため息をつく。そりゃまあね。
「ミカ神さまって、あんまり下界について関心ないんですね」
「まーね」
正直、異世界に来たけど、冒険! とか、チート無双! とか、あんまり興味はないんだよね。
のんびり、穏やかな暮らしができればいいかなーって思ってる。
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Sinri:その割に神チートで魔族相手に無双する、平穏とはほど遠い暮らししてますけどね
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そーね……。真理。
人の望みってほんと叶わないもんね……。
で、話は戻って……。
「これらの希少鉱石は流通させないとして、じゃあ、武器とか、家や外壁の素材に使いましょう。それでどう?」
「良いと思うわ」
とセイラちゃんがうなずく。じゃ、そーしよっと。
「セイラさまって、幼いのにしっかりしてますね」
「でしょー? しっかりしてる子なのよ。うちの幼女たち」
リシアちゃんは、領主としてしっかり仕事してる。
セイラちゃんは、錬金術師としてポーションなどの管理をおこなっている。
しっかりした良い子たちだ。
「でも、ミカ。魔銀はともかく、神威鉄や、聖金剛石って加工めちゃくちゃムズいわよ?」
「そうなん?」
「そーよ。魔銀は、魔力を込めれば変形できるけど、神威鉄は超高温の熱が必要だし」
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Sinri:具体的には、マグマと同程度の熱さが必要となります
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はえー……まじか。
「そーしないと、硬くて変形しないってことなのね」
試しに、私は近くにおいてあった、神威鉄の原石を手に取る。
ちょっと握ってみる。おお、確かにカチコチ……。
「ええええええええええええええ!?」
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Sinri:はいまたマスターがやらかしました。彼女は学習という言葉を知らないようです
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真理くん真理くん、こうなるなら先に教えてくれないかな……?
君、全知全能で先読みみたいなことできたよね?
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Sinri:(・ω・)ん?
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んじゃないよ……まったく……。
「み、ミカ神さま……す、すで、素手で……神威鉄を変形させてます!」
オベロンが、私の手元を指さす。
あらほんと。神威鉄が、握った指の形に、へこんでいた。
「なんだけっこーやわっこいじゃん?」
ぐにょーん、と伸ばす私。
「「そんなわけないでしょ……!」」
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Sinri:世界最高硬度の金属ですよ?
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へー。
「普通はこうはいかないのね」
「そーよ……どーなってるのよ……」
「神パワー的な? その理屈だとセイラちゃんも加工できそうだけど」
契約神だし。
セイラちゃんが原石を掴む。力を込めるも、びくともしなかった。
「あらま。無理なんだ」
「無理に決まってんでしょ!? 神威鉄を素手で変形できるわけないでしょ!?」
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Sinri:マスター美香の握力なら、神威鉄を握りつぶせます
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え、待って……私ってそんな握力強いの?
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Sinri:肯定であります。日常生活に支障がでないように、普段は神プロテクトが発動し、握力をセーブしてますが
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なーるほど……。
「神威鉄を腕力だけで変形させられちゃうなんて……恐ろしい御方ですね……」
オベロンにドン引きされてしまったのだった。




