166.妖精に仕事を与える
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
オベロンの配下である妖精達が住む場所を提供した。
湖の周り、シクラメン畑が広がっている。色とりどりの花が実に綺麗だ。
今度ここに、神獣子ちゃんずと散歩に来ようかなぁ。リシアちゃんたちにも見せたいし、ピクニックもいいかもしれん。うんうん。
「かみしゃまー」
「ん?」
ちっこい妖精が、私の前にやってきた。
「なぁに?」
「ありあとー」
ありあとー?
「皆、ミカ神さまに感謝しているようです」
オベロンがそう言うと、妖精達が集まってきて、頭を下げてくる。
「どういたしまして」
「そでのしたあげたいですが?」
「そで……え? なに?」
オベロンに通訳して貰おう。
「どうやら、感謝の印を上げたいようですね」
「ははん、なるほど。いいって、感謝の言葉だけでだよ」
別に感謝の印がもらいたくて、花植えたわけじゃあないしね。
ずぅううん……と妖精達が暗い表情をする。
「ぼくらいらんこ?」「ぼくらのよーいするぷれぜんとじゃたりぬというのか」「わがいのちをもっておんにむくいるべき?」「それなー」「じゃみんなでしにましょー」「そーしましょそーしましょ」
いやいやいやいや。
「死ななくて良いから」
「「「なんとー……」」」
明らかにしょぼくれている。
うーん……どうしよう。ほんとに別になにか見返りが欲しくてやったわけじゃあないんだけども。
「みかえりをもとめぬ」「みかしんしゃまおやさしい」「でもぼくらなっとくできない」「やはりいのちをかけねば……」
かけんでいいってば……。
「ミカ神さま、何でも良いので、この子達に仕事をお与えください」
「仕事?」
「ええ。その方が妖精達も、不安にならずにすむかと」
何が不安なんだろう……?
~~~~~~
Sinri:ただで領地を貰い、あとから、何か大きなものを要求されるのではないかと、不安がってしまうということです
~~~~~~
なるほど……。別に後から要求するつもりはない。
けどこの子らが、そのことを気にするというのなら……。
そうだね。何か、仕事を用意してあげようかな。
「じゃあ、そうだね。とりあえず……蜜」
私は、妖精花の蜜で作ったパンケーキを思い出す。
ふわふわのパンケーキに、妖精の蜜はめちゃくちゃあっていた。
アレが毎日食べられるなら、とても素晴らしいことだと思う。
「定期的にでいいから、蜜を運んできてください」
「がってんしょーちのすけー」
私に最初に声をかけてきた妖精が、パァ……! と輝く笑顔を浮かべる。
……ん?
なんか……今実際に光ったような……?
「かみしゃまー」
くいくい、と別の妖精が、私のそでをひっぱる。
「なぁに?」
「ぼくは?」
「え……?」
ぼくは……?
「いやだから、蜜を運んできてって言ったでしょ? それでチャラでいいって」
ずぅうん……と妖精が暗い表情をする。
「ぼく……つかえぬ。まどぎわぞく」
「いやいや、なんでそーなるのよ……」
「みつばいにん、さっきの子のしごと」
みつばいにん……?
~~~~~~
Sinri:蜜を運ぶ妖精のことのようですね。~~~~~~
ややこし……。
「君も蜜を運んでくれればいいよ」
「でもしごとかぶる。りそーすのうばいあい。せんそー? こぶしでなぐりあうてきな?」
う、うーん……。
「へいオベロン、どういうこと?」
「まあ、蜜を運ぶ仕事に、何人もいらないでしょうと。毎日パンケーキを食べる訳じゃあないですし」
なるほど……。
仕事のとりあいになって、自分の仕事が半減してしまうと。
「別の仕事が良いの?」
「てんしょくきぼー」
どうやら別の仕事がいいらしい。
「別に仕事なんて無理にしなくてもいいんじゃあない? 浮遊島の子供ら、みんな仕事してないし」
「でもお野菜眷属(大妖精)は、ミカ神さまに奉仕なさってるんですよね?」
「そりゃ……まあそうだけどさ」
「この子達も、お野菜眷属と同じ大妖精。ミカ神さまの眷属となったのです。だから、神に尽くしたいと思ってるのですよ」
神に尽くす……ねえ。
「しごとぼしゅー」「しかくをいかしたしょくにつきたいね」「てんしょくならでゅーだ?」「いんでぃーどすてがたいよね」
妖精達がじっ、と私を見つめている。
……え? ちょっと待って。
「この子達全員に、仕事与えないとだめなの?」
「「「しごと、きぼんぬ!」」」
みんな……働き者すぎる……!
私なんてできれば仕事もせずだらだらしてたいのに……。
~~~~~~
Sinri:労働は義務ですよ
かくいうワタクシも、しっかり労働してますがね
~~~~~~
よーいいよるわ。
ゲームしてばっかりのくせに。
~~~~~~
Sinri:仕事をしながらゲームもしてるのです(`・ー・´)ドヤ!
~~~~~~
はいはい。
~~~~~~
Sinri:(´・ω・`)ショボーン
~~~~~~
「ミカ神さま、妖精達への仕事なのですが……」
「あー……うん。どうしようかね」
「とりあえず、わたしのほうで適当な仕事を割り振っておきましょうか?」
「おー、まじ? 助かるわ」
仕事をいちいち考えるのもめんどくさいし、丸投げしたほうがいいよねー。
~~~~~~
Sinri:でた、基本丸投げ娘
~~~~~~
だーって、この数の妖精達に、個別に割り振る仕事を、全部考えるのめんどくさいでしょー?
「皆、なんかいいかんじに、テキトーに働いてちょーだい」
そのときだった。
パァアアアアアアアアアアアアアア!
妖精達が、一斉に輝きだしたのだ。
むくむくむく、と妖精達が各々、大きくなっていく!?
しかも、個々で違う形をしてるし!?
~~~~~~
Sinri:どうやら、また妖精達は進化したようですね
~~~~~~
わっつ!?
どうなってるの!?
~~~~~~
Sinri:全知全能の全能スキルが発動したようです。
~~~~~~
全能。私にとって都合の良い能力を、配下に与えるスキル。
名前を付けたり、役割を与えたりすると、それに応じた力が芽生える。それは……まあ、知ってる。
「私まだ仕事の割り振りしてないじゃん!」
~~~~~~
Sinri:マスター美香がさきほど、妖精達に指示を与えたでしょう?
~~~~~~
いやいやいや、あんなちょーざっくりとした指示じゃん。
仕事割り振ってないじゃん。
~~~~~~
Sinri:こうなることを予測し、ワタクシが刹那の時間で仕事を考え、事前に、妖精達にその仕事を割り振って起きました。
そこにくわえて、マスターのざっくりとした指示も加わり、結果、妖精達に神が仕事を割り振った扱いとなったのです
~~~~~~
「あんたのせいじゃないのよぉ……!」
つまり、私が頼む前から、このポンが仕事を考えていたってことらしい。
~~~~~~
Sinri:ポン呼ばわりされるのが、ムカついたのです。どうです? できるAIは今日も有能でしょう?
~~~~~~
すると、オベロンが体を震わせる……。
「勝手に、余計なことをするなと申したはずですよね!?」
~~~~~~
Sinri:きゃんっ!
~~~~~~
きゃん?
「遍在で作った、わたしの分身が、真理……いえ、ポンの尻を叩いております」
「そ、そう……」
~~~~~~
Sinri:だ、だ、だって! ポンってみんなが馬鹿にするからっ! でき女なところを見せたかったから……きゃんっ!
~~~~~~
「指示! されるまで! 勝手な! 行動を! しないの!」
~~~~~~
Sinri:ひぃいん……。お尻たたきなんてそんな……。昭和平成初期の表現ですよぉ……令和じゃ放送できないですよぉ……
~~~~~~
どうやら向こうでは、遍在オベロンが、真理の尻をぺしぺしたたいているようだ。
確かに令和じゃ見なくなったけども……。
一方、勝手に仕事が与えられた妖精達。
みんな、姿が変わっている。
「ぼくは【レプラコーン】。かみしゃまの靴をつくるです?」
赤帽子をかぶった妖精が言う。
「ぼくは【ケットシー】。猫のブラッシングたんとーするです?」
猫耳の生えた妖精。
等々、色んな妖精達が、今回ので爆誕したようだ。
「ミカ神さま……」
「ひ……!」
オベロンから怒りの波動を感じる……!
「ご、ごめんて……勝手にざっくりした指示与えてさ」
まあ、ほんとは部下が勝手にやったことだけども。
でも責任は上司である私にもある。
「それに、真理も悪気があってやったんじゃあないから。私の仕事が楽になるよーにって、考えて動いてくれた結果だから。怒るのはほどほどにしてあげてよ」
~~~~~~
Sinri:ますたぁ~……(;。;)
~~~~~~
はぁ……とオベロンがため息をつく。
「いえ、ミカ神さまがまさか適当にしゃべるだけで、こんなに大きな影響を及ぼすと、把握し切れてなかったわたしにも原因がありますし。ポンの暴走を止められなかったわたしにも非があります」
「いや別にオベロンは悪くないよ。だれも悪くないって」
~~~~~~
Sinri:そーだそーだ
~~~~~~
うん、真理はちょっと反省してね……?
~~~~~~
Sinri:(´・ω・`)ショボーン
~~~~~~
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タイトルは、
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