129.けが人死人も余裕で治療する
帝都カーターが、現在、魔蟲というデカい魔物に襲われてる。
セイラちゃんの故郷を無くさないためにも、私は助けに参上した。
結界を張って、魔蟲を街の外に追いやることに成功。
「次! へい真理!」
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Sinri:「死傷者重傷者」の居場所検索
→帝都病院に集まっています
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グランセさんが入院していた病院だ。
一度行ったことがある。
「セイラちゃん、飛ぶよ! 大転移!」
一瞬で視界がぶれて、私たちは、帝都病院へと到着。
……入り口の付近には、重傷者達が寝かしつけられてる。
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Sinri:病院の状況
→けが人が多すぎて、病院に入りきらないようです。治療スタッフの数が圧倒的に足りてない状況です
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真理は私の調べて欲しいことを、先回りして、検索してくれる。
そして音声にして届けてくれる。無駄が無くて実に良い。
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Sinri:死傷者の安置所
→先導します
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私の視界、足下に矢印が出現する。
精霊的パワーで、私の視界をジャックして、行くべき場所を示してくれてるんだろう。
「いくよ! まずは死んでしまった人たちの蘇生!」
「うんっ!」
セイラちゃんと一緒に病院内をかける。
『Sinri:神・完全蘇生で生き返らせるのは駄目なのですか?』
四神を使った、広範囲の完全蘇生術のことだ。
「それは最終手段。四神を外に出すリスクもあるし。それに……手持ちの薬で対処できるなら、まずはそれを使うでしょ」
奥の手は最後まで取っておくものだ。
どうしても駄目なときは、四神たちに頼るけれども。
でも神の、赤ちゃんである彼女らを、外界に出すのはリスクが高い。
神の力を奪われでもしたら大変だからね。
私たちは死体安置所へとやってきた。
かなりの数の死者が寝かされてる。
「あ、あなたたちは一体……?」
看護師さんが、私たちに気づく。
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Sinri:死体の状態
→みな死後間もない状態です。美香ポーション(最上級ポーション)での蘇生可能です。
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「いけるわ、セイラちゃん。やるよ!」
「うん!」
「「■、展開!」」
空中から黒い■が出現。
それが分割され、私とセイラちゃんは、そこからポーションを取り出す。
美香ポーション。最上級の回復薬だ。
死後まもない死体であれば、この薬で蘇生可能。
「ていや!」
ポーションの蓋を取って、死体に向かって、液体をぶっかける私たち。
「ちょっと!? 何やってるんですか!」
止めようとする看護師さん。そりゃそうだ。
こんな緊急事態に、いきなり知らない女が現れて、謎の液体を死体にぶっかけてるんだから。
怪しむに決まっていた。
看護師さんが私を止めようとするも……。
「う……ここは……」
「!? し、死者が生き返った!?」
起き上がったのは、軍人っぽい人だ。
「あんた、帝国軍の人?」
「あ、ああ……あんたは?」
「ミカりん。冒険者よ。次……!」
セイラちゃんもポーションをぶっかけて、蘇生してる。
しかし圧倒的に人手が足りていない。
ポーションはだれでも使えるという利点がある。
けれど、1ポーションにつき、直せる人は一人だけという(広範囲治癒ができない)デメリットがある。
「ちょっと……あなたマジで何してるんですか!? 軍人さんを呼びますよ!」
緊急事態だっていうのに、看護師さんが邪魔してくる。
まあ気持ちはわかるんだけど、後にして欲しい。
邪魔しないで欲しいな、と思ったそのときだ。
「その女を手伝ってやれ!」
死体安置所へとやってきたのは、銀髪の、身長の高い青年だ。
……だれだあれ……?
「ショー様!」
と、セイラちゃんが現れた男に向かって言う。
ショー……。ショーって、まさか。
「ショー・イーダ?」
「ああ!」
うそ、あいつなんか、グルグル眼鏡をかけたもっさい男だったような……。
それがどうして、こんな銀髪イケメンになってるのか。それはわからない。でもどうでもいい。
問題は、なぜショーがここにいるのかだ。
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Sinri:ワタクシが、ショーをここへ呼び出しました。
彼の通信用魔道具に電波ジャックし、こちらの状況を伝え、救援要請をしておきました
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ほんっと、有能AIだな、君は……!
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Sinri:b^ー°)
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ショーはこちらに近づいてくる。
「ミカりん殿、感謝する」
「感謝とかいらないから、手伝え!」
「無論だ。軍人を連れてきている。彼らにポーション配布を手伝わせる」
……ショーの衣服が、血やすすで汚れていた。
多分こいつも、この緊急事態に、前線に立って指揮を執っていたのだろう。
最初、嫌な奴、あやしいやつって警戒してた。
けど……割合良い奴なのかもしれない。
「■」
私は強化アイテムボックスである、■を分割。
「そんなかに薬入ってるから、それをけが人、死者に、ぶっかけて!」
「わかった!」
たっ、とショーが走り出す。
看護師に、「あの女の言うことを聞いてやれ!」といって、出て行った。
ナイス。
「えと……」
「看護師さん! ぼさっとしてないで、手伝って! 今は猫の手も借りたいくらいなんだから!」
「は、はいっ」
看護師、医師、軍人総出で、私の作った美香ポーションを使い、けが人を治療していく。
「す、すごい……! かけたらどんな傷でも瞬く間に治っていく!」
「なんだ、この奇跡の薬は!?」
「薬神リーフケミストが作ったという、完全回復薬か!?」
皆このポーションの効果に、驚愕してるようだ。
『これはデッドエンドで作られる、新しいポーション。安い、使いやすい、飲みやすい、三拍子そろった最上級ポーション。その名も【美香ポーション】』
……セールストークがどこからか聞こえてくる。
だれがやってる勝って?
うちAIさんがだ。
どうやら電子精霊の彼女が、外に出て、ポーションの宣伝を行ってるらしい。
自宅に居ながら、たくさんのことができるな、うちの高性能AIちゃんは!
あと緊張感なさすぎだぞ、まったく。
ほどなくして、病院内いた全ての重傷者、死人を治療に成功する。
「ミカりん殿。本当に助かった。君が来てくれてなかったら、どうなっていたことか……」
ショーが私に深々と頭を下げる。
最初あったとき、いけ好かない野郎だと思ったけど、ちょっと印象変わった。
彼は、服はボロボロだし、汗だくだった。必死になって、この帝都の民を守ろうとしていたのだろう。
なのでちょっと見直してやってもいい。
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Sinri:トゥンク。ここから始まるラブストーリー
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やかましいわ。
私は恋愛する気ないっての。
「感謝するのはまだ早いよ。壊れた建物なおさないといけないし。病院の外にもまだけが人はいるでしょ? 建物に下敷きになってるひといるし」
「ああ……」
あくまで、病院内のけが人死人を治しただけだ。
まだまだ、問題は山積みなのである。
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Sinri:マスター、ルシエルのもとへ援護へ向かってください。10分後に魔族が、魔蟲とともに襲撃を仕掛けてきます
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魔族のクソが、忙しいときに限って、わいてきやがるんだから。
とはいえ、帝都内の問題はまだ解決してない。
「セイラちゃん、こっち任せるわ。ルシエルの応援にいってくる」
「OK! 任せて!」
「真理」
ほわ……と真理がスマホから出てくる。
真理の分体だ。
「セイラちゃん。真理使って。がれきの下敷きになってる人いるっぽいから」
「わかった。真理に、その人達の検索させるのね」
「そういうこと。後任せるわよ! 飛翔!」
私はその場から魔法で飛び上がって、ルシエルのもとへと向かう。
「ずえあぁあああああああああああああああああ!」
ルシエルは巨大ハリセン、全知全能の剣を使って、ムシを叩き潰している。
応援に呼んでいた、黄昏の竜の面々も加わり、魔蟲を順調に倒して言ってる。
「ミカ神どの! ということは……魔族か!」
「そう。もうすぐくる。真理が先読みしてくれた」
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Sinri:魔族襲来のタイミング
→まもなく北側の空に転移門出現。敵は、【】です。
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私は手を前に突き出す。
「エルメス居るね?」
「もちろん」
私の隣に、仮面を付けた元吸血鬼の魔法使いが浮かび上がる。
「私の指示する場所に、全力で魔殺呪文」
「承知」
私たちは魔力を十分にため、魔法の準備をしておく。
転移門出現。
「ふはははは! さぁ、人間ども! このワタシ……」
「「魔殺呪文!」」
「ほげぇええええええええええええええええええええ!」
転移門があいた瞬間を狙って、私&エルメスが、魔族を殺す魔法をたたき込む。
殺しの光線が転移門に正確に吸い込まれる。
顔を出したアホ魔族の体を、綺麗に吹っ飛ばした。
「はっ! 残念だったな、魔族! こっちには全知全能の神がついてるんだよ……!」
とルシエルが不敵に笑って、そういうのだった。
あんまり神とか大きな声で言わないで欲しかったけどねー。
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