13-3 聖婚儀式
寝台に腰を下ろしてふたり、黙ったまましばらく抱き合っていた。
「エヴァンスくん……」
アンリエッタが呟く。
「おいで……」
顔を上げさせ、唇を重ねる。唇で促すと、アンリエッタの唇は諦めたかのように開いた。
「……んっ」
アンリエッタの体が震えた。気が付くと俺の手は、学園制服のブレザーの中に入っていた。
唇を離す。俺の手がシャツのボタンを外すが、アンリエッタはじっとしている。シャツの中、さらに下着の中に手を入れるとまた一度、アンリエッタが熱い息を吐いた。
「恥ずかしいか、アンリエッタ」
アンリエッタは、瞳を開いた。みんなは黙ったまま、俺とアンリエッタの姿を見つめている。誰も茶化さないし、口も利かない。
「ううん……。エヴァンスくんに触ってもらえてうれしい」
ブレザーを剥ぎ取り、シャツも脱がせた。プリーツスカートの中に手を入れると、下着も脱がせる。
「ずるい……。わたくしだけ」
「ごめんな」
俺も秒で服を脱いだ。上半身裸になる。
「……ん」
アンリエッタはもう瞳を閉じている。優しく寝台に横たえると、俺は全裸になった。ここはヒエロガモスの地。この世界で封印されていた俺の機能は、ここでは解放されている。俺が立ち上がると、全員の視線が俺に集まった。俺の第二形態を見たのは、みんな初めてだ。
不思議なことに、恥ずかしさは感じなかった。裸を見られることも、アンリエッタと愛し合うことも。ここ聖地の地形効果なのか、あるいは俺とみんなとの心の繋がりのためなのか。それはわからない。
「いいな、アンリエッタ。後戻りはできないぞ」
アンリエッタは目を開いた。濡れた瞳で、じっと俺を見つめる。
「いい。エヴァンスくんなら。わたくしはエヴァンスくんの初めての聖婚相手になる。それは……マクアート家の本懐。そしてもちろん、わたくしの魂が求めているの。エヴァンスくんの恋人になりたいって……」
「俺もだよ」
アンリエッタと魂が繋がったことを、俺は感じた。




