表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハズレダンジョンの制覇者 ――ガチャで俺が引いたのは、美少女モンスターしか出てこない「ノーマル未満」ダンジョンでした  作者: 猫目少将@「即死モブ転生」書籍化
9「けっこん」の謎

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/95

9-3 新しい「おともだち」

「あっ戻ってきた」


 寺小屋へと近づく俺達を目ざとく見つけて、グリフォンのイグルーが立ち上がった。


「おーいおーい。エヴァンスくーんっ」


 いつもの羽毛ビキニ姿で手を振っている。寺小屋の「せんせい」ソラスや生徒のみんなが、つられて立ち上がる。見たことのない娘もひとりふたり交ざっている。この世界のモンスターはみんな勝手に動き回るようだし、寺小屋に顔を出すのも気まぐれだ。だからまあ、そういうこともあるだろう。


「外の世界から来た、『おとこ』という謎の存在」――つまり俺の噂を耳にして、興味を持った子が顔を出したのかもしれないしな。


「おかえりー」

「ねえねえ、どうだった」

「穴掘りうまくいったの」

「宝箱、あった?」


 質問攻めだ。学習机に座ってお茶をもらいひと休みすると、俺とアンリエッタは教卓の脇に立たされた。もちろん宝探しの首尾をみんなに話すためだ。


「――と、いうわけなんだよ。みんなのおかげで無事、ふたつめの宝箱が手に入ったんだ」

「不思議よのう……」


 ハイドラゴンのグウィネスが首を傾げた。


「『ムンムの種』……そのような宝、余は知らんぞ。何百年もの間、聞いたことすらない」

「ムンム……って何? って感じよね」

「そうそう」


 みんな、口々に言い合っている。


「とにかく重いんだ。丸っこいから、あれをこう……地面に転がして」


 バステトがジェスチャーした。


「両手でじゃらしたら楽しいと思うんだよな」


 いやそれ、猫じゃん。


「そうそう。私もそう思う」


 コマだけが、うんうん頷いている。こいつネコマタだからなー。


「それでエヴァンスくん……」


 先生役のウエアオウル、ソラスが、眼鏡をくいっと直した。


「エヴァンスくんはこれからどうするのですか」

「第三の宝箱を探そうと思っている。みんな……俺達の居ない間に調べておくって言ってくれたけど、なにか情報とかないかな」

「それよ」


 グウィネスが頷いた。


「余がひと飛びして、飛行友達が集まる山で聞き込みしてみた。そうしたら、ひとつあるようだぞ、エヴァンスよ」


 そういや、飛行型モンスター仲間に聞いてみるって言ってたよな、たしか。空を飛ぶので行動範囲が広く、それに上空から見るのでなにかを探すには最適だとか。


「のう」


 グウィネスに促され、「お初」の娘が立った。長い黒髪に赤く輝く瞳。スリムな体はボンデージっぽいボディースーツに包まれ、奇妙なことにフリルの付いたメイドスカートと黒エプロン、白レースのヘッドドレスを装着している。スカートといっても短いから、ボディースーツの下半身がちらちら見えている。


「そうよ。私が前、見つけていたの。険しい離れ山に囲まれた谷底だから、空からでないと近づけない。だから誰も知らなかったのよ」

「へえ……」


 つまりこの娘も、飛行型モンスターなんだな。人型になってるから、元の姿は想像もつかないけど。


「何人かのともだちを連れて行ったけれど、誰も開けられなくてね。あなたなら開けられそうね。外の世界から来た……『おとこ』の子なら」


 興味深げに、俺をじろじろ見てくる。


「俺達を案内してくれるか」

「もちろんよ、エヴァンス様」


 助かった。この調子なら宝箱、次々に見つかるかもしれないな。


 とはいえ、前回の穴掘り探索に続き、今回も課題はある。宝箱は、地上ルートが使えない場所にある。俺やアンリエッタが、どうやって空から近づくか。例によって動かすことの不可能な宝箱だろう。だから飛行型の女子に持ってきてもらうわけにも、いかないしな。


「ところで君の名前は」

「私? ルシファーよ。初めまして、エヴァンス様」

「ル……シファー……って」


 俺の隣で、アンリエッタが目を見開いた。息を飲んでいる。


「ちょ……ちょっと待てよ」


 ずかずか進むと、自称「ルシファー」の前に立った。意外に小柄だ。年頃の女子特有の、甘い香りがする……。


 屈み込むように顔を寄せると、フリフリエプロンの膨らんだ胸に、小さな名札が見えた。


――魔帝♡ルシファー――


「マジか……」


 魔帝……って早い話、魔王じゃん。圧倒的な魔力を誇る悪逆大魔王が、俺のダンジョンでは、かわいいボンデージメイドさんになってるってのか……。


「わあ、近くで見ると、すごくかっこいい……」


 ルシファーは微笑んだ。


「これからよろしくお願いします、エヴァンス様」


 俺の手を取ると、頬ずりしてきた。大魔王ルシファーが。かわいらしい美少女姿で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ