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過去の鍵  作者: ブルーガソウ
一章
7/14

4月8日 ~ほお、早速ぶっちか。やるな、恭介~

 オリエンテーションは午前中に終わったので、まだ昼前なのだが放課後となった。

 僕は学校の自動販売機でジュースを買い、それに口を付けながら学校の敷地内をぐるっと回りながら、通用門に向かって歩いている。

 門付近で、僕はそこに知った顔を捉えた。男は(しな)るように伸びた短髪に鋭い眼をした男、樫原ががっしりとした身体を門の柱に預けている。

「樫原」

 無視して通りすぐるのも(なん)だから、声を掛けるだけ掛けた。

 僕の呼び掛けに気付いた樫原は体制を変えずに、顔だけこちらに向ける。

「何だ、恭介か。樫原って呼ぶから、誰かと思ったぜ」

「樫原もい……」

「玲司で良い。昨日も言っただろ?」

 樫原は僕の言葉を遮り、名前で呼ぶよう要求してきた。

「……ああ、そうだったね」

「恭介ももう帰りか?」

 僕の返答に満足そうな表情を浮かべ、さっき僕が言いかけた事を聞いてくる。

「うん、玲司も?」

 よくよく考えてみれば、僕等は同じ一年なのだ。このやり取りに意義は無い。

「俺は二人待ち。舞も菜々香も委員長の仕事だってよ」

 ……委員長。このキーワードに僕は何か引っかかる様な感覚を覚えた。僕はその答えに直ぐ辿り着く。

(まず)っ!僕も仕事頼まれてた!!」

 委員決めが終わった時、放課後、教室に残るよう言われてたのだ。

「ほお、早速ぶっちか。やるな、恭介」

 玲司はニヤニヤしながら言う。

「いや、今から行ってくるっ」

 僕は玲司にそう告げ、教室に向かって走り出した。

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