4月8日 ~勝負は一瞬で決まった~
また、今までの話をほんの少し修正しました。本当に修正はこれで最後にします。
現在、二次創作をメインで書いている為、暫く更新は遅いです。
4月8日(水)
今日はまだオリエンテーション期間の為、授業は始まっていない。現在、行っているのは委員会決めである。
「まずは委員長から決めます。立候補者が居れば手を上げてちょうだい」
緑川先生が教室に居る生徒全員にそう告げる。こういうのは、最初は誰も手を 上げないもの……と思ったら、一人だけ手を挙げた人が居た。それは僕から見て、点対象の席の女性。
「えっと、あなたは…見波さんね。それじゃあ、これから先はあなたにお願いするから、前に出て来て」
先生は座席表を見て、名前を確認すると、ホームルームの振興を引き継ぐよう言った。
「はい」
前に出てこちら側を向いた事により、彼女の容姿が確認できた。腰まで伸ばした黒髪。目はパッチリしている訳でもなければ細いわけでもない。これといった特徴はどこにも無いが、全てがそうであるが故にバランスがとれていて、整った顔をしている。
「では、男子の委員長も決めたいと思います。立候補する人は居ませんか?」
見波さんが男子全員に問いかけるが、誰もそれに答えない。僕も委員長はおろか、他の委員会にも入る気は無かった。
「…先生、どうしましょう?」
「じゃんけんで良いんじゃない?」
「分かりました。それでは、男子は後ろに集まってじゃんけんして下さい」
「よろしくね、岡村君」
前に出てきた僕を、見波さんはそう言って向えた。
「…よろしく」
じゃんけん勝負は一瞬で決まった。一発目、僕が出したのはグーで、他全員はパーだったのだ。まさかの結末である。
「それじゃあ、他の委員を決めようか」
俺は見波さんの言葉に同意し、共にホームルームを進めていった。