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過去の鍵  作者: ブルーガソウ
一章
4/14

4月7日 ~また、これから始めようと思うんだ~

 教室に戻ると、自己紹介の最中だった。僕の順番は過ぎていた為、そのまま無難な挨拶をし、席に着く。

 全員終わると、先生が連絡事項を言い、解散となる。

「今日はこれでお終いです。起立っ…」

 今日はまだ委員や係が決まって無い為、先生が号令を掛ける。

 そうそう、担任はやっぱり、始業式の時、うちのクラスの生徒名を読み上げていた人だった。ウェーブ掛かった黒髪を肩甲骨を隠す程度伸ばした女性。名は緑川(みどりかわ) 夏梅(なつめ)。目測だが、二十代後半だろう。

 閑話休題。解散となり、鞄を持って帰ろうとすると、さっきの男がやって来た。

「恭介。この後、時間あるか?」

「うん、大丈夫だけど…」

「そうか。なら、少し付き合え」

 そう言って、男は歩き出す。その後を僕は付いて行った。

 階段で一番上まで登り、前を歩く男が正面の扉を開くと、その向こうには空が広がっていた。どうやら、屋上のようだ。男に続いて、僕も外に出る。

「連れて気だぜ」

 男がそう言った先には、女の子が二人居た。さっき、この男と一緒に居た娘と僕を殴った娘である。二人とも、僕の方を向いた。そして、前者の女の子が話しだした。

「恭介。私達、考えたんだ。これからどうするか。恭介が覚えてなくても私達にとって恭介は友達。だから……また、これから始めようと思うんだ。私、皆川 菜々香(みなかわななか)。よろしくね」

「俺は樫原 玲司(かしはられいじ)だ。下の名前で呼んでくれて構わないぜ。むしろ、そっちで呼べ」

 二カッと笑みを浮かべ、男が続く。

「わたしは天月 舞(あまつきまい)。随分、遅くなっちゃったけど……おかえり、恭ちゃん」

 彼女はまだ割り切れていないのだろう。寂しそうな笑みを浮かべて言った。

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