4月7日 ~いつも一緒だったんだよ?~
目を開けると、そこには見知らぬ天井が広がっている。
「気が付いた?」
起き上がろうとしたら、右から声が聞こえた。声のした方を向くと、そこには、僕を殴り飛ばした女の子が椅子に座っていた。
辺りを確認すると、どうやらベッドに寝かされていたらしい。回りはカーテンに囲まれている。ここは保健室だろう。
とりあえず、身体を起こそうと、身体に力をいれる。
「…っぅ……」
が、頭を動かそうとした時、頭に鈍い痛みが走った。
「だ、大丈夫!?」
女の子が僕の身体を支えて、起こすのを手伝ってくれる。
「…ありがとう」
「ううん…それよりも、さっきはごめんね。恭ちゃんの事情も知らないであんな……」
僕がお礼を言うと、女の子は悲しそうに誤った。彼女の話を聞くと、僕は殴り飛ばされた後、壁に頭を打って、気を失ったらしい。保険の先生は、今日は偶々居なかった為、彼女が付き添っていてくれたらしい。
「あれから、どれ位経った?」
「えっと…二十分位、かな」
女の子は壁に掛かってる時計を見て答えた。
「そうか。なら、早めに戻った方が良いかな?」
「…そうだね」
ベッドから降り、立ち上がると、二人一緒に保健室を後にした。
教室に戻るまでの廊下を、僕達は無言で歩く。
「…それじゃあ、わたしのクラス、ここだから」
四組の前に着くと、女の子はそう言った。
「…さっきは本当にごめんね」
儚い笑顔で告げ、彼女は教室に入ろうとする。
「ねえ、君もその…八年前……」
「うん……いつも一緒だったんだよ?」
今度こそ、彼女は教室に入って行った。
一話をワンシーン毎で区切っていこうと思います。