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転校生
男子「(佐藤凛は、1ヶ月前に転校してきたばかりだ。――佐藤さんの席は、僕の隣席に決まった。教科書はまだ届いていないらしくずっと席をくっつけて、ひとつの教科書を2人で見ている。佐藤さんは、透明感のある白い肌の持ち主で、線の細さから、夜にだけ咲く花のように儚げ、と囁かれている。僕はまだ彼女が誰かと話しているのを、見たことがない。休憩時間は1人で音楽を聴きながら、本を読んでいる。頭はいいようで、授業中もすらすらと問題を解いている。席をくっつけている所為だろうか、香水を使っているわけでもなく、とてもいい香りがする。そんなある日だった――。)」
女子「ふぅ〜〜。」
男子「(――突然、唐突に、なんの前触れもなく耳に……息を吹きかけられた。彼女が狙いすませて僕の耳を狙ったのか、それは定かではない。席がくっついているのだから、偶然に当たっただけかもしれない。慌てて振り向くと、佐藤さんは、新品の教科書を僕に見せて微笑んだ。)」
女子「ありがとう。優しい人で良かったわ。」
カクヨムでラブコメ時々、異世界書いてます!