5 : 2つ目の魔導書
『マスター!落ち着いてください!このままでは魔力が暴走してしまいます!』
クロノスがなにか言っていたが私にはもう声は届かなかった。
その瞬間ガラスの砕けるような音が鳴り私は意識を失ってしまった
それと同時に時は動き始め、アリスの体から大量の魔力が放出し、虹色のようなオーラが滲み出しアリスは死体と、大剣を持った女の人の方へてくてくと歩き始めた
『マスター!?なにを!』
(マスターは意識が無いはずなのですが・・・)
クロノスはアリスに問いかけるが返事はない
そのかわりにアリスは死体と、大剣を持った女の人の前に行き、手を上に上げて呪文を唱え始めた
「すべてを飲み込みそして消え失せろ《ヘブンズフォール》」
アリスが呪文を唱えた瞬間、空が青白く光が眩き地面も微かに光っていた
大剣を持った女の人は膨大な魔力によって生み出された魔法に驚き、回避しようとするが間に合うはずもない
クロノスは大剣を持った女の人に時を止める魔法をかけた
その瞬間、天と地から青白い光が発生し大地を呑み込みアリスの周りには森林だったはずの地形が大きなクレーターが出来ているだけの更地になってしまっていた
大剣の人はクロノスが時を止めていたため無傷だった
『!?』
(私を使わずにどうしてこんな威力が・・・しかも魔力を完全にコントロールしている・・・)
「良い質問ね、クロノスちゃん♪」
『マスターじゃない!?』
(これは完全にマスターではない!)
クロノスは確信した。
「そうよ?あたしは光の魔導書、ホープよ!」
と、光の魔導書のホープは得意げに話した
『では何故マスターの中に魔導書があるのですか?そしてマスターは無事なのですか?』
クロノスは冷静に光の魔導書へ問いかけた
「えぇ、マスターは無事よ?ただ気絶しているだけだもの。それとあたしはマスターに頼まれたからマスターの中にいるだけよ。でもこのまま転生するとは思
ってもいなかったわ♪」
(まさかマスターは転生前も魔導書を持っていたとは・・・。それに魔導書が人間の中に入って力を行使できるとは思ってもいませんでした)
そして転生前にも魔導書を持っていたということは戦っていたということ。そして光の魔導書の<ホープ>というのはは本来、希望という意味。
きっとマスターには戦う大事な重大な目的があったのでしょうか。
『分かりました。ですがそこの冒険者もろとも消滅させようとしたのは何故ですか。私が守っていなければ死んでいましたよ!』
死体と、大剣を持った女の人の正体は、冒険者が人型モンスターを倒していただけだったのだ
その冒険者は今気絶している
「それはクロノスちゃんを試そうと思ったからよ♪人一人守れない魔導書なんて魔導書失格だからね!いざとなれば私が守っていたわけだし」
『そうですか・・・・・まぁいいです。それよりも今の魔法で周囲の国の方々が近づいているようですのではやく撤退しますよ。転移しますので私に触れてください』
「はーい!」
アリス(ホープ)は浮いていたクロノスを手に取った
「そういえば、呪文は必要無いの?」
『呪文はなくても少しくらいは飛べます。それと魔導書が他の魔導書の呪文を唱えられるとでも思ったのですか??』
「だよね~、じゃあ転移お願いね♪」
そう言って4人は転移したのであった