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インド放浪記  作者: 山田健一郎
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ベナレス


「初めてだ」

「ふ~ん そう」

少年は、それきりぷいと横を向き流れる景色を見ながら 何事か考えているようであった。

20分程経ったであろうか、 少年は 運転手とヒンディ(ヒンズー語)で密談している。

俺は ヒンディは 片言しかわからない。

(なに話してるんだろ?やな感じだな) 俺は 少し不安になっていた。

少年は俺の方に振り返り 微かに引きつった様な笑顔を見せた。

「メインバザールまでの料金だけど、300ドル払ってもらうよ」

「300ドルだって!! 冗談じゃない!! 相場は100ルピーってとこだろ」

「払わないつもりかい?」

「100ルピー払う」

少年の表情が一変した。

鬼の様な形相になった少年は俺に飛びかかってきた。

少年は俺の首を思い切り絞めだした。俺は車のドアを蹴り開け外に飛び出した。



俺は 心地よい ゆれ の中でまどろんでいた。

(ん・・・あれ・・そうか俺は・・・・・)

ヴァラナシ行きの寝台列車のベッドの上で俺は目を覚ました。

二段ベッドの上の段である。

(あれから一週間か・・・)

俺が東京からデリーに着いて一週間経過していた。

そこは一等寝台車の個室である。

左右に二段ベッドが一つずつあり、廊下側に鍵の掛かる

扉が、反対側の窓の下には 小さなテーブルがあった。

そのテーブルの辺りに人の気配を感じ俺はベッドから 身を乗り出した。

そこには見憶えのある白人男性が座っていた。

昨晩列車の中で隣に座っていた男だ。

中年のオッサンである。まぁ俺もにたような奴だが。

派手なTシャツに短パン・サンダル履きだ。

何やら黒い粘土の様な塊をナイフで削り 煙草の葉と混ぜている。

それを手巻煙草用の紙にのせ器用にクルクル巻いていた。

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