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幸せは人を  作者: おぺん
5/23

未確認

『なんか今日めっちゃテンション高いわ』

「私も」

『なんかあった?』

「ん〜〜〜、なんか、わかんないけど高い。」

『なんだよそれ(笑)』


あーーー幸せ。ほんと幸せ。なんでもっと早く付き合い始めなかったんだろう


「健は?なにかあった?」

『俺はぁ』


ちょっと上の方を見て思い出してるみたい。

大きい目。

くりくりで、うるうるして、綺麗な茶色い目。

みとれてしまうほどだ。


『あー……なんだろ、いろいろあるな』

上を向きながら話す彼。

話す度に首筋が浮き出る。


……


なんかヤラシイ


そこを見ないようにした。


「テレビが面白かったとか?」


『うん、まぁ昨日見たやつは面白かった』

「何見てたの?」

『えーっとな、未確認……あ!』


野球部の友達らしい。健は遠くの方にいた部活友達に手を振る。


こういう無邪気なところも可愛い。

ますます、付き合ってよかったとおも

『行くぞ』

「え」


待ってよ、言い終わってないって、心の声だけど


私の手首をつかんで、遠くにいる部活友達の方へ小走りする彼。

「ちょ、え、」

『あいつ俺たちのこと待たねぇのかよ(笑)』


なんだろうこの感情


…………あれ?



いつもなら、そのまま健が遠くに走っていってそのままか、

友達に手を振るだけで何もしないかなのに。


……これ、は……


気づくと追いついていた。

『ほんとお前足速い(笑)』

友達と朝から笑い合ってる楽しそうなふたり。


微笑ましくも、さっきの健の言動に動揺しつつも、その場に立ち尽くす私。


ん、と。

どうしたらいいんだろう


その友達知らないしなぁ


結局その友達、健、私、の順番で横に並んで登校することに。

この配置ありがたい。まぁ普通そうだわな。


『テストできた?』[何もやってないわ]『だよなー、もうほんとめんどくせぇわ』


二人で楽しんでる。まぁいいけど。こんな日もあるかと広い心でうけとめる。


でもなんか、いつも二人で話しながら来てるから何も話さずに登校するのは久しぶりだ。


周りに生えた花や木をのんびり見ながら歩く。


ちょんっ、と左手が彼に触れた


ハッとなって思わず健を見る。

健は向こうを向いて友達と話している。


…………なんだ、気のせいか


またのんびりと標識とかを眺めながら歩く。


また触れた


でも見るとジェスチャーをして向こうと話してるから、たぶんたまたまだろう。


勝手にドキドキしてる。


学校について、友達と健は違うクラスだからと下駄箱でバイバイする。


結局何も話してなかったなぁ今日。



そういえば、


未確認……あ!

で何の話だったか聞けてないし。たぶん未確認生物的な。ああいうの好きそうだし。


下駄箱で履き替えて、履いていた靴を中に入れる。


『なぁ』


健が近寄ってきた


「ん?」


『なんで…………さぁ』


どうしたんだろう


「…………ん?どしたの」


『なんで、……手ぇ繋いでくれないんだよ』


「…………え!?」


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