へたくそ
付き合い始めて、
初めての月曜日の朝。
付き合い始めて、
初めての登校。
付き合い始めて、
改めて見る、健の男の子らしさ
そんな朝、家を出る10分前
歯磨きをしながら今日の学校の用意を確認する。
携帯が鳴った
通知画面だけを見た
マネージャーからのLINE
胸糞悪い
ムスッとして、歯磨き再開。
[おはよー!☀️]
うるせえ気安く話しかけるな
と真顔で画面を睨みつける
もう一つLINEが来た
健だった
動きが止まる
「んぐ……」
歯ブラシをくわえてる時間が長くて、だんだん口の中に水分が増えていく
[おは]
うわぁ、うわぁ
なにこの、素っ気ない感じなのにLINE送ってきてくれるこの優しさツンデレ感。
気づくと床にぼたぼた口の中の水分がたれていた
「ん゛っ!」
急いで口を閉じてティッシュを3枚ほど取る
何動揺してんの自分、今日からずーっと一緒にいることになったのに。
[大丈夫かー?]
追加でLINE
まじ、え、今の自分の状況見てたの??
[遅刻すんぞー]
待って、待って、偶然にも程があるよ
本当に遅刻しそうになって慌てて洗面所へ
「用意バッチリ、髪の毛よし、表情よし!」
いつもと違う気分で家を出る。
いつもの待ち合わせ場所に小走りで行って、
近くなると呼吸を整えて、髪の毛を整える。
2,3分待った。
彼らしき人が遠くから見える
心臓がバクバク言うのがわかった
向こうも私を認識したのか、走ってくる
待って待って待って
あんた走るの速いんだから
あっという間に近づいた
『……おはよ!』
なんか笑えてしまう彼のキラキラスマイル
「おはよ(笑)」
『なんだよ』
「スマイルがキラキラしすぎてて(笑)」
『……行くぞ』
つっこまれたのが嫌だったのか、話を終わらす彼。
いつもの登校なのに、いつもと違う気分。
これから毎日、楽しみだ。