トンデモ。
さっきバイバイしたばかりなのに、
もう会いたい
そんな嘘くさい言葉は
漫画の中の世界でしかないと思っていた
実際に思うなんて
実に
初々しい
彼氏、と彼女
この関係
学校に行くまでは
携帯でしか繋がれないけど
それでも
繋がってるだけで嬉しい
何をしていても、
会っていない間は携帯が気になる
健とバイバイしてから、小走りで家に帰った
お母さんには、まだ言わないでおこうかな
……やっぱだめだ
「ねえママ、私……健と付き合うことになった」
「知ってるよ?」
「え?」
なんで?
「え、なんで」
「さっき健くんから電話来て」
ん?????え、どういうこと
「……それで?」
「俺、大事にしますから。って言ってきたわ」
う、わぁ、
なんか、凄いな……
「で、ママはなんて返したの」
「はじめ意味がわかんなくてね。でも話してるとそういうことかって気づいて。よろしくねって言ったわ。」
あ…はは……
自分の部屋に行ってすぐに携帯を開く
連打
LINE
トーク
スクロール
健のトーク
[ねえ]
[ちょ]
[あれ]
[待って]
勢いで連投した。
カバンを置くのも忘れてた
すぐに既読がついた
トーク画面から逃げずにじっと待つ。
[ばれたか]
[まぁ、そーゆーことで✋]
……なに、もう………………
文面からも伝わるかっこよさ。なにもう
これ以上私をどうしたいの…………
顔を手でおおってゆっくりしゃがみ込む
ずっと幼なじみで
ずっと好きで
告白して
付き合い出した彼は
とんでもないやつでした。