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UFO? 異世界? 何それ? 美味しいの?  作者: 豊臣 鎌足
第一章 王都で冒険者を
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困った時の駆け込み寺 冒険者ギルドへようこそ! 脱出編!

お待たせしました。最新話です。

ドタバタに挑戦してみました。


小説って難しいですね。

入り口に立った王女をその場にいた全員が注目する中、うつむき加減に異様に目を光らせ〔コフー、コフー〕と息を切らせてその場にいた者を恐怖に陥れながら一条に近づく。



「やぁっっと見つけましたわよ!



私の目を盗んで何をしてらっしやるのですわぁ~」

王女はギギギと音が聞こえそうな雰囲気で一条に顔を向ける。



なにも悪いことをしていないつもりの一条と、事情通のエルフ嬢は手を取り合ってその場から逃げ出したくなる程恐怖を感じていた。


あれほどざわついていたギルドのホールは静寂に包まれて、エルフ嬢と一条に注目して事の成り行きを見守っている。

普通に訳あり新米の新規受付のはずが、今や恋人と、泥棒猫の直接対決の雰囲気である。(;つД`)


しかも恋人役の王女が捨てられる展開の。


もちろん一条はそのような認識はなく、綺麗なおねーさんだけど、逆らってはいけない怖い人扱いで断じて恋人ではなかった。

王女が知ったら確実に発狂して辺り一面焼け野原になってしまいそうだが。



対してエルフ嬢は、その容姿とつい先程頼みもしていないのに受付のやり取りだけで、こちらの事情や心細さを見抜いてサポートしてもらったので、恋人とするならこんな人がいいなぁ等と勝手な男の子の妄想をしていた。





現時点でエルフ嬢はもちろんそのつもりはなく、ただ単にいきなり異世界に飛ばされて右も左もわからない状態の彼を、可哀想で弟のように面倒みようと思っているだけである。




王宮、御前会議室


王女が一条発言の知らせは直ちに王宮へ伝令によってもたらされる。

知らせを受けた国王付き騎士団長は国王陛下に奏上するも、王女とギルドの間にトラブル発生に渋面を作る。


「では、なにか?そのイチジョウとやらはうちの王女の目を盗んでギルドの事務に二股掛けていたとな?

もし、本当ならいくら来訪者でも許せん!」


一条にとっては謂れのない罪でヒートアップする国王に末席の上級貴族の一人が、


「王女様の目を盗んだ訳ではなく、ただ単にここに来る前に身分証を作りたかっただけじゃないですかね?

謁見するにしても住所不定の旅行者だったら身分証なしでは王女の口添えがあっても、此処に来れないですからね」


この発言に宰相以下の貴族は納得の表情を作り、頷き合う。


「そうですわよ、貴方。あの子が一目惚れして、美少女とは必ずしもいえないけどそこそこの容姿のあの子よ。

普通だったら出会ってすぐに二股交際はあり得ないわ。

此処に来る前に最低限の生活手段と身分証を作ろうとする辺りは流石ね」


王妃はとりあえず一条の行動を評価して、国王を宥める。

正直、普通の来訪者だったら王女の身分の少女が自分に構い倒そうと寄って来たなら、とことん利用するだろう。

身分証や生活手段は王家に負担させればよっぽど楽だし、面倒がないからだ。



しかし、相手は王女と知っているはずなのだけれど、なぜか王女の目を盗んでギルドに身分証とジョブとして冒険者を選択した。

王家を頼り後ろ楯にすれば、少なくとも当面は不自由はなかったはず。

もしかすると、王女の件はともかく彼はこの国に長く居るつもりはないのでは?王妃は、はたと思いあたる。

そう考えれば目を盗んでギルドに駆け込んだりした意図は通じる気がする。

元々、資金も、身分証もなければ都市には入れない。

魔物の餌か、野盗に捕まり犯罪者か。

なんとか都市に潜り込めれば、差し当りの危険からは逃れられるしギルドに加入もできる。

生活手段の確保にはなんとしても入都が不可欠である。

そこへ王女が都合よく目の前に現れたら?

利用しない手はない。


つまり、陛下のいう通り王女は利用されただけなのだ。

王女の身分があれば彼くらいはフリーパスで通してしまうだろう。

ましてや、王女と付き騎士団長の命の恩人である。


彼にとって誤算なのは、こちらが来訪者の存在を知っている事と、王女が利用されたと気付かないで初恋と勘違いして追いかけ回しているのだろう。


ここまで王妃が思考したところで不味いと気がつく。

このまま彼を逃がしてしまえば、王女の初恋が木っ端微塵に砕かれて結婚式なぞ二度と彼女にチャンスが来るはずが無くなるし、貴重な異世界の技術情報が他国や冒険者ギルドに流れてしまう。

そうなれば下手をすると国が無くなるかも知れない。


王妃は国王に自分の考えを伝えて、騎士団に迎えにいかせるように進言する。

また、上級貴族に派閥の令嬢をギルドに送り込んで王女の援護をするように命じる。


上級貴族もあわよくば彼を自分の派閥に取り込めれば強力な力になるし、かなわなくても自国に取り込めれば周辺諸国に政、軍両面で影響力を強めることができるとあって、直ぐに会議室から飛び出して自分の屋敷に向かう。




ギルド受付ホール。


一条はエルフ嬢と王女に挟まれて身の置き場がなかった。

王女の恋人発言に怯んだエルフ嬢だったが。



「なにか勘違いなさっていらっしゃいますけど、彼は当ギルドのハンターで今契約上の説明をしているところですの」

と王女を追い払おうとする。



騒ぎを聞きつけたギルドマスターが王女をみるなり手近な事務員に、エルフ嬢に王女に彼の身柄を渡すな!と書かれたメモを渡すように指示をする。



エルフ嬢の机にそれとなくギルドマスターの指示が書かれたメモをみるなり顔をひきつらせる。


援護もなく、王族相手に何をしろというのか!


「なら、さっさと終わらせて欲しいのですの!彼はこの後の予定も詰まっていますので!」

王女は自信満々に腕を組んでエルフ嬢を見下ろして高圧的に言い放つ。



「いえ!まだ暫くかかりますからお嬢様は一旦お戻りになってお待ちください。

昼食後に、戦闘訓練と検定、採集の注意事項等の講習もありますので」

苦し紛れに口から出任せを述べたが、正直、一条は冒険者のライセンスを取ってもそのようなスキルも情報もないので、今は喉から出るほど欲しい予定であった。



何よりこの修羅場から直ぐに逃げ出せると勘違いして・・・・。

このやり取りを聞いてガッツポーズをするマスター。

内心今日の仕事が引けたら特別賞のボーナスをたんまりくれてやる!と思っていた。




王宮会議室。 略して踊った会議室。



「なぁ~に~!ギルドの奴ら来訪者の存在に気がついているだと~!

おまけに、身柄を引き渡すのを拒否しているだと~!」


国王がギルドの中に潜り込ませている協力者のハンターからの情報に愕然とする!

王妃の懸念した通りの展開になっているからだ。

「とにかく速く令嬢と騎士団を送り込んで穏便に連れ出せ!

今はギルドとことを構えるわけにはいかん!」


指示は速やかに騎士団に伝えられる。


そして騎士団がギルドの内通者と繋がっているように、何らかの事情で騎士団を辞めたときの為にときギルドに便宜を図って貰おうと、ギルドに便宜を図る騎士団の内通者を通じてギルドマスターに情報が伝えられる。



「なぁ~に~!王宮の奴ら、騎士団を使ってギルドにカチコミかけるだとぉ!」


なんかいろいろ情報が間違っている。(;つД`)



基本的に実動部隊はのーきんの傾向があるので、武力担当が動いたと情報を受け取った奴らが即、殴り込みと勘違いしたのである。


まぁ途中で情報を整理している上級ハンターは正確に状況を予測していたが、あえて口を出さない。


そもそもが下らない退屈しのぎの芝居としか思っておらず、そんな判断力しかない奴らは上級ハンターには慣れないからだ。



当然ギルドマスターもその程度以上に優秀ではあるので普段であればこんな軽率な情報には踊らされない。

しかし、今回は政治案件ということと、現役ハンターレベルでは都市伝説の来訪者が絡んでいる。


当然上級ハンターは一条が来訪者とはまだ知らないし、来訪者の価値等知るよしもない。

彼らは、アイドルのエルフ嬢と王女にコナを掛けて二股しているリア充で選択に寄ってはボコると思っているだけである。




「そんなことはこちらが一条様にお教えします!

そもそもそんな講習、新人に教えている等と聞いた事はありません!!

さっさと彼を解放なさい!

収納魔法持ちの彼を騙して手元におこうなどと、王宮は許しません!最初に保護をしたのは我々です!」


確かに本当はそのような講習はギルドでは行わない。

初度登録は通常出身のギルドで行うし、貧困層はギルド証の有無に関係なくハンターパーティーについて行って実践的に覚える。

せいぜいが武器の扱いと白兵戦闘の仕方をパーティー参加経験のない、中間層から富裕層の坊っちゃんに軽く教える程度である。



しかし、この王女の発言はマズかった。

ギルド云々もそうであるが、彼が収納持ちであることがハンター中に知れ渡ってしまった。



たびたび小説にも出てくるように、収納持ち、アイテムバック持ちはこちらの世界にも少数いるが、総じてチート扱い。

ギルドにとっても、ハンターや、パーティーにとっても絶対に他には渡せない人材である。


ある意味この人数の多さでギルドの実力と対魔物、治安維持能力の目安になると思っても過言ではなかった。

そして国力という面でもある意味同じである。



王女の発言はそれほどまでにインパクトを与え、周囲のハンターは色めき立つ。

ギルドマスターに詰めより問いただす者、ハンターパーティーを呼び出す者。


もう、しっちゃかめっちやかである。(;つД`)



収集がつかなくなりかけたホールの片隅で、たらこ唇の老齢の引退ハンターの相談役が、若いハンターに『新人ハンター獲得操作本部』という看板を作らせて、


「なんだ世ぅ、この下手くそな字は!

もっとこう!あいつをなにがなんでも獲得するんだ!という気概が感じられない字じゃねぇか!

書きゃあいいってもんじゃねぇ!かせっ!」

などとどーでも良いことをやっていた。


「おやっさん・・・」

それを見ていた別の若いハンターが尊敬しているたらこ唇のハンターを宥めるという本当にどーでも良いことをやっていた。


とにもかくにも騎士団が押し掛けて来るのが判り、ギルドマスターは決断する。


「野郎供!この一帯を完全封鎖するんだ!

それと!おまえ!上級パーティーに集合を掛けろ!

とくにスカウトと盗賊スキルのあるヤツを最優先!

アイツが泊まった宿屋に行って私物を全て回収するんだ!

収納スキル持ちを連れてくのも忘れるな!」


ギルドマスターが指示を出すと一斉にハンターたちが連絡に散らばる。



それを小耳に挟んだエルフ嬢はだんだん大きくなる騒動に眩暈がしてくる。

一体どう始末をつけるのか?小一時間正座で問い詰めたかった。



「まったく、ありもしない講習なぞと言ってそんなにイチジョウ様に取り入りたいのですか?

まっ!そんな貧相な胸でイチジョウ様がなびくとは思えませんが。┐(´д`)┌」

そう王女は言い放つと困ったように両手の平を上に向けてかぶりをふる


別に恋愛感情はなかったエルフ嬢ではあるが、なにかと奔放でムダに正義感が強いいかず後家になりかけの王女にそこまで言われる謂れはなかった。(# ゜Д゜)



「へぇ~!王宮では自分の名前も覚えて貰えない殿方を無理やり旦那様にするのが流行りなんだぁ~!

それじゃ録な男の子は寄ってこないわよね~!胸の脂肪がつきすぎてのーみそまで脂肪が詰まっているのかしら!(# ゜Д゜)」

と言い返す!



エルフ嬢が本気になって言い返したので、女性ハンターはそうだ、そうだと頷きながらヤジを飛ばす!



一方、宿屋でも一足早くギルドのスカウトチームが収納持ちを連れて一条の軽ワンボックスを確保。

遅れて到着した騎士団とギルドが発行した人身保護令状と物品差し押さえの有効性で揉めて武力抗争に発展、市街戦が始まる。



住民や通りすがり、宿屋は訳も判らず迷惑千万だったが。┐(´д`)┌



踊った会議室。


ギルドの封鎖部隊と各地で衝突し、負傷はまだ出ていないものの、屋台や店先が壊れた等の被害届が続々入ってきた。

こうした被害届は最終的には、ギルドマスターと折半になると思われるものの、国王の統治能力での支持率的には非常にマズい。

そろそろ退きかたを考える時期かと横を見ると、真っ赤な目をした王妃が地図を見つつ突破口を探して上級貴族と話しあっている。(;つД`)



騎士団を動かしたのは早まったかもしれん。(;つД`)


国王は我にかえってそう思うが、ここで止めると夜の営みで何を言われるかわからないので言い出せなかった。


会議室は止める者が存在せずに、ますます会議は踊っていく。



最早事件は会議室で起きていた。┐(´д`)┌




冒険者ギルド




洗濯板!(# ゜Д゜)、牛女(# ゜Д゜)と作者のボキャブラリーが疑われる定番のキャットファイトが繰り広げられているなか、ギルドにロイエンタール伯爵令嬢が増援に派閥令嬢を引き連れて到着。

本気の言い争いを見て、引き継ぐ形で陣形を調えエルフ嬢と女性冒険者と対事していく。


ギルド側も舞台がお膝元なので、普段はエルフ嬢に優良物件の冒険者の目線が集中していることに面白くなかった女性冒険者たちは、ここぞとばかりに集結、貴族令嬢に反撃していく。


彼女らはギルドに優良物件を集めるのにエルフ嬢は居て欲しいのだが、ここで彼女が問題化した男の子とくっ付けば彼女らに優良物件が回って来ると思ったからである。┐(´д`)┌



早々上手くいくとは思えませんが。┐(´д`)┌



なんですって!(# ゜Д゜)敵に回すとどうなるか・・・分かっているんでしょうね!(# ゜Д゜)by女性冒険者一同。



(こほん)さてさてそうこうしているうちに、ギルドマスターにも被害届が凄いいきおいで届けられていて、さすがにマズいと思った。



結果的に王宮が手をつけた人物を正式な保護令状を調えていないことを良いことに横取りしようとした形になっていたからだ。

このままでは王宮から被害届の損害を一方的に押し付けられ兼ねない。

そこでギルドマスターは一計を案じる。





「呼び出して悪かったな、イチジョウ。

時間がないから手短にいうが、おまえの横に座っているエルフ嬢、ディードリットという」


「ドタバタして自己紹介ができませんでしたわね。ディードリットと言います。

ディードか、ディーと呼んでくださいね!」

ディーは可愛く頭を下げる。


「ところで見ての通り、王宮の奴らが無茶苦茶しおって王都全体に混乱が拡大しつつある。そこでおまえはギルドの隠し通路を使ってディードリットと供にこの場を脱出。

隣国の冒険者ギルドに行け!

おまえが乗ってきたゴーレム馬車はうちの収納持ちが回収している。そいつを道案内にして行け!」

腕を組んでギルドマスターは傍らの冒険者に顎で合図をする。



「こいつは向こうのギルドマスターへの手紙、紹介状だな。

相手はこのギルドマスターの兄貴だ。

で、これはおまえのギルドガード。まだギルドライセンスは付与されていない。

ただし、身分証の機能はあるから無くすな!

現在のところはおまえは、王宮からもギルドからも追われる立場ではないが、国境を越えるのが遅くなるほど立場がマズくなるはず。

迅速に行動しろ!」


なぜライセンスをここで発効させる事は出来ないのか尋ねると、それは時間がないから道中ディーに聞けと言われて相手にされない。



話しはおわりとばかりに追い払われ、しぶしぶディーと収納持ちといわれるハンターに案内されてギルドを脱出する。


一条は思った。





俺の昼飯はいつ食えるんだ~(# ゜Д゜)




ある意味騒動の発端は一条なので作者的には自業自得な気がする。

如何ですか?


次回は明後日に追撃編を投稿して、出来れば改稿作業に移ろうかと思っています。


読了ありがとうございました。m(。≧Д≦。)m

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