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UFO? 異世界? 何それ? 美味しいの?  作者: 豊臣 鎌足
第二章 男爵領開拓編 ダッシュ開拓領地
23/24

第三王子との対談

王城の断罪騒動から2週間。



こんにちはー。イチジョウです。

いやぁ~、やっぱり迂闊に人を悪く言うのはいけませんね。




今、私達イチジョウとディー、後ろ楯に成ろうとして大失敗をした公爵一家は王都、公爵邸にて絶賛軟禁ちうです。

近衛一個大隊に邸宅を囲まれ公爵邸を含む周囲を威圧して、まるでヤの付く職業の方の抗争中事務所前も真っ青な空気を発散しています。


で、結局あの時何がどうなったかというと、私達イチジョウが謁見中に発言していたことをリミア公爵令嬢やディーがヘリを出して中継しながら王都上空を旋回。


危ない発言の直後に王宮を牽制のつもりでヘリが攻撃。

皇太子が国王の言に乗っかって雪崩れ込んだその刹那、皇太子にコールドスピアを。

振り向き様に国王にスーパーグラビトンの魔法を叩き込んじゃった。てへっ


なんか振り向き国王に正対したときに、なんか感じた第二夫人が王妃を押し退けて国王にすがり付き王妃と私に勝ち誇った笑みを浮かべたのが印象的だった。






帰宅直後から当主は寝込み不在に。

第三王子の指揮で公爵邸に軟禁におかれましたとさ。が冒頭の状況下である。

実はこの軟禁。公爵令嬢以下使用人の一部には好評だったりする。

公爵令嬢と皇太子は婚約直前ではあったものの女癖が悪く、所謂ネット小説でよくある悪役令嬢ものの断罪シーン間近だった為、内心酷く喜んでいる。

因みに断罪はこれまたテンプレートだが、でっち上げの冤罪だったりする。

令嬢つきの侍女についても皇太子から粉をかけられたり、皇太子の取り巻きに襲われそうになるなどがあった為これまた喜んでいる。



で、現在第三王子から事の次第と断罪した根拠の説明を公爵邸にて求められ、資料請求、開示、説明会を開いている。

列席者は、王子と宰相、農業関係と建設関係の大臣級文官、王宮騎士団の担当者である。




「つまり、貴殿がいうにはこの土地は開発不能で狩場としても機能が失われ、本来王法上では認められるかは置いておくとして、先住民として国民として扱わなければいけない魔族を不当に権利を侵害、民族浄化を図ったというのか‼」

激昂する宰相にイチジョウは、


「有り体に申し上げればそうなりますよね?

とりあえず騎士団の皆様には当地で活動中の指名手配の盗賊団長の遺体とアジトに残された証拠を提出物として出してありますので確認されて、罪状が確定していると思っていますが」


「とりあえず騎士団としては提出物を精査したところ、表面上は矛盾は無さそうだが、国として認められるかは政治判断で・・・な?」


「まぁそんなところでしょ?こちらはそんなこんなはどうでもよく、いざとなればヘリでお宅ら蹴散らして逃げれば良いし、国の面子上、こんな事認められる訳はないし、逃げられればただでさえ他国から疑う目を向けられそうなのに、内情を漏らされ、あること無いこと難癖付けられて領土を失いかねないよね?」

イチジョウは心底どうでも良さげにお茶を飲む。



「判っているなら国家騒乱罪状により拘束。表向きは死刑、実際はこちらの法を知らなかったとして、終身幽閉とする。

団長!捕らえて王宮へ!!」

宰相は興奮気味に団長へ指示し、内心ニンマリする。

そもそも離れ小島の島流しではなくて王宮に連行するのは、宰相の派閥のみがイチジョウに面会。知識を引き出して利権を独占する為である。

過去のイチジョウのような稀人は、専門が酷く偏るものの、広範囲の知識と技能を持っている事が知られている。

イチジョウが何を専門としているかは現時点では分からなくても、今より国を、というより、自派閥を更に肥え太らせる事が出来る知見を持っている事は想像にかたくない。

だからこその王宮幽閉である。

まぁ、全てを宰相派閥で握ると、王族が思わぬ横槍を差して来るかも知れないので、面会は王族と、宰相派閥のみにしてやっても良いか?等と宰相は思い描く。



「止めんか‼馬鹿者!大体此方が聞きたい事は何一つ聞けておらぬわ!

すまなんだ、イチジョウ殿。

処で開発不能とはなぜだか教えてもらえぬか?」

第三王子は周囲が唖然とするなか頭を下げる。

怒鳴られた宰相は面子丸つぶれだと顔を真っ赤にして不機嫌な表情をするが、国王と皇太子が謁見中に死亡した為名実共に国王である。

ましてや派閥で王族や他の貴族と暗闘を繰り広げ、場合に依っては国を売るまでの行為をしていたのである。

下手に騒ぎ立ててやぶ蛇に成っては本末転倒である。



「主に開発不能と判断したのは、以下の通りですね。

まず当地に違法入植したのは、多くのケースは何らかの事情で多額の借金等をしてもといた地域を追われた人達だということ。

この方々が見知らぬ持ち主不明の原生林で人里離れて自給自足の生活をして再出発。というのはおおよそ考えつきそうなお話ですが、ほぼ開拓や農業等をしたことない人達が思いつきで出来るハズはなく後先考えず森を燃やし、手っ取り早く土地と畑を手に入れようとした結果土地が痩せ、比較的お金になりそうな同じ作物を連続して作付けした結果、収穫実績が年を追う毎に悪くなっていった。

私が元いた故郷でも新しく田畑を開墾した場合売り物になりそうな作物を作れるようになるには数年から十数年掛かるのに。

しかも一度作付けした作物を同じ土地でもう一度作付けしようとする場合、特別な手間をかけるか、数年待つかしないとならないのは比較的よく知られたお話です。

それを示すのがこの画像ですね」

とイチジョウは言い、タブレットを差し出して一面の荒れた畑を示す。

そこには一面の畑に同じ作物を植えてある画像だが、あるものは枯れはて、あるものは明らかに生育が悪くとても満足な収穫が望めそうにない状態だった。


「また、無分別に開墾した為、農業に大量に必要な水の確保の為の灌漑用水路が整備されておらず、焼畑をした際に取り除けなかった木の根や埋まっていた岩等の為に畑の形が歪になってしまい効率的な栽培が出来なくなっています。

抜根等については私の故郷ではやはりかなりの手間がかかり大変でしたが、此方では土魔法で比較的簡単に処理が出来るでしょう。

但し、用水路は区画整理して整備しないとならないので、収量の少なかった土地の持ち主はともかく、収量の多い農業のスキルがある地主は反対するでしょうね。

何せ開墾した土地の一部を接収される上、移転した畑が今より悪い土地の可能性が高いのですから」


「成る程な。ではイチジョウ殿はこの先この土地をどう開発するかなにかお考えがお有りか?」

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