無題 夢 07・01
彼がそこにいるとどこで聞いたのでしょう?
私は自転車でそこまで行きつき、コンクリートの地べたに横たわっている彼に気付いて、慌てて自転車から降りて、自転車を引いてバックしながら自分の身を壁に隠して彼を覗き見ました。
しばらくして、彼は警察官のような人たち二人に腕を引かれ向こうの方へ歩いて行ってしまいました。
私はどうしても気になり、すぐ近くにいた両目の大きさが著しく違い、顔には赤いできものがいくつもある男に「ここは病院?それとも警察?」と尋ねますと、その男は「病院。」とだけ答えました。
彼との『あの時』からの想い出をたくさん思い出し、「なんだ、あんなことがあった後も私たちは結構会っていたんだな。」と思いました。
目が覚めてから、それは夢の中でたくさん会っていたということであって、実際に会っていた訳ではなかったんだと、想い出を辿って再確認する必要がありました。
「そうゆうこともあるんじゃないかしら。」
私の話を聞いていた、友だちのお母さんはそう私に言いました。
そして、「大丈夫よ、大丈夫。」と続けました。
聞き分けのいい子ども。
叱られても泣かない子ども。
大人の話をいつもじっと聞いている子ども。
「この子は怖い。」と祖母に言われた子ども。
その友だちのお母さんは、そのぷっくりとした手で私の手を握りました。
私も、自分のそのか細い手で彼女の手を強く握りました。