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動機  作者: 嘉那
7/8

第六話「母の秘め事」

ちょっと現在と、過去が混ざりそうで、わかりづらいです…すいません。

夕日は傾き始めていた。

―こんなにあの頃のことを思い出したのは、何年ぶりだろうか。

あの事件の後、この家に辿り着いた李乃を百合は抱きしめて、泣いてくれた。

その涙を見たとき、莉乃の胸に熱いものが漲った。


―もう誰も信じない。でも、お母さんだけは、大切にしよう…

どんなに反対しても、お店を手伝おう。

もう、モデルには戻れない。

目立つことをすれば生き延びたことがばれてしまう。


数日後、傷の治療に専念して、家で寝たまま過ごしていた莉乃に百合は言った。

「外国に逃げなさい」

あまりに神妙な顔をしていたので、莉乃は何も言えなかった。

それでも、百合は続けた。

「あなたは、顔を知られすぎている。このままでは、また命を狙われるわ。母さん、あなたを失ったら、生きていけない。いけないの。だから、手が届かなくったって、生き延びてほしいの」

悲痛な願いだった。

自暴自棄になっていた莉乃は、百合が望むなら、それもいいかもしれない。

ゼロから始めてみるか…

仕事にも、恋にも、日本にも未練なんかなかった。

どこか遠くに行ってしまいたかった。

誰も知らないところへ行きたかった。

『蒼井莉乃』もモデルの『リリ』も知る人がいないところへ…


―何か引っかかる…

西日を見つめながら考えていた。

あの頃は、心に余裕がなかった。

でも、今改めて考えると…

―お母さんは犯人を知っていたの?


ガタっ!!

震える腕が机にぶつかり何かが落ちた。

―手帳…?

百合の手帳だった。

しかし、どう見てもおかしかった。

いたるところが破られたり、切り取られたりしている。

それも1冊ではない…4冊あった。

あの年から…

―母さん、何を隠そうとしているの?



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