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グールとまさに

よろしくお願いします

 「……」


 あれからいくつか回ったけど手に入れたのはポーションでは無く『ゴブリンの首飾り』『ゴブリンの靴』『ゴブリンの牙』と何故かゴブリンシリーズ。


 ゴブリンの首飾りは【VIT】低下、靴は【AGI】低下、牙は少し違って



 名称 ゴブリンの牙

 レア度 2

 効果 不明

 ゴブリンの牙。飢えを凌ごうと何でも噛み切ろうとする強い意志がこもっている。どこかの村では装備品に組み込んでいたらしい。



 『ゴブリンの牙』は効果が不明となっている。

 これは装備品につけたり装備品にする用の素材にたまに起こる現象らしい。装備にしてみないと何が起こるか分からないと言うギャンブル要素強めの仕様である。


 このゴブリンシリーズは後で試してみるとして、……結局目的の物は何も買えてない。


 そろそろ生産通りも終わると言うのに……。

 試しに屋台じゃなくて店に入ってみる、気分転換もかねてこのレトロな店にしよう。


 カランコロン、


 店に扉を開けるとかなりの人が店内にいた。結構人気の店らのようだ。


 「いらっしゃい」


 そう言ってヒョコッと顔を見せたのはおしゃれな装備の女の人。赤い髪が華やかで店の雰囲気に合っている。リアルで見ることがほとんどない赤い髪が新鮮だ。


 「初めての人だよね?ここは服をメインに扱ってるけど他にもイロイロあるよ。ポーションとかはカウンターで言ってくれたら出すから、もしよかったら自分に合う服があるか見て回ってね」

 「あ、ありがとうございます」


 服がメインかー。

 今は安いローブを大量購入してるからここで一つ良い装備を手に入れるのも良いかもしれない。


 でも今度こそ、忘れない内に。


 「HPポーションとMPポーションありますか?」

 「はい、ありますよ。何本ですか?」

 「五本ずつお願いします」

 「分かりました、少し待ってくださいね~」


 そう言って店員は奥に。待ってる間手持ち無沙汰なため、視線をふらーとカウンターの奥の戸棚に向ける。


 「アレ格好いいな………」


 ハンガーに掛かっている黒のローブが目に止まった。少し色褪せて完全な黒ではないのが雰囲気がある。中二病なら気に入るだろうデザインだ。


 「お待たせしました~」


 奥から店員が戻ってきた。あのローブのことを聞いてみる。

 

 「あれって売り物ですか?」

 「はい、一応……売れるとは思いませんけど」


 売れるとは思わない?


 「何でですか?」

 「え~と。これ、飾りでして。我ながらデザインは良いと思うんですけど効果が、……ステータスが下がっちゃうんです」

 「なるほど。買っても良いですか?それ」

 「え、本当ですか?もちろん良いですけど、大丈夫ですか?ステータス減少ですよ?」


 大丈夫です。もともと凄い低下してるんで……。


 「はい、大丈夫です」

 「わかりました。ありがとうございます。見たところ初心者なので安くしときますね。こんなの買ってくれたことですし、次回からも少しサービスしますよ」

 「えっ、本当ですか、ありがとうございます」

 「こちららこそ、本当にありがとうございました~」


  ◆□◆□◆□◆


 良い装備が手に入った。

 ステータス減少は既に起きていることだから気にならないし、俺的にはお得だ。

 でもお金がもうすっからかん。

 買い物はこのくらいにしてログアウトするとしよう。


 「──あ、でもその前にゴブリンシリーズ試してみよう」


 試すのはまず、装備系の腰布、首飾り、靴だな。


 持ち物から一気にタップ。

 これでゴブリンシリーズを5つ装備したことになる。


 <『ゴブリンの腰布』を装備しました。称号【死に向かうもの】によりステータス減少の効果は消失します>


 <『ゴブリンの首飾り』を装備しました。称号【死に向かうもの】によりステータス減少の効果は消失します>


 <『ゴブリンの靴』を装備しました。称号【死に向かうもの】によりステータス減少の効果は消失します>


 <称号【ゴブリンを模倣するもの】を獲得しました。スキル【病魔耐性•微】を獲得しました。スキル【病魔耐性•微】がスキル【病魔耐性•微】に統合され、【病魔耐性•小】を獲得しました>


 また称号?

 嬉しいけど、効果は何だ?



 称号 【ゴブリンを模倣するもの】

 効果 【VIT】10%減少する。スキル【病魔耐性•微】を獲得する。

 ゴブリンになりたいものに与えられる。ゴブリンに似て矮小な存在で在ろうとするため防御力が下がる。汚い環境でも生きるゴブリンの体に近づく。



 また減少?

 こんどは【VIT】?

 もう良いじゃん減らさなくてもさ。

 ステータスマイナスばっかりだよ……。


 もう次いこ……。


 「次は『ゴブリンのよだれ』か……」


 このアイテム、牛乳瓶のようなものに入ってるし飲んで使うのかな。


 蓋を開けるとドロッとした見た目と白濁した色がより鮮明に伝わってくる。


 こ、これを飲むのか。

 

 「き、気が進まねぇ……」


 いや、大丈夫。

 これはゲーム。これはゲーム。これはゲーム!


 ──ええぃ、思い切ってグイッと!


 「うぇっ――ガホッ!」


 キモっ!

 ドロッとした冷たい液体が変な臭いと共に口に入って……。


 「おえぇ……」


 <スキル【腐食耐性•微】を獲得しました>


 <スキル【毒耐性•微】を獲得しました>


 <スキル【溶解液1】を獲得しました>


 「何か色々獲得した……」


 【毒耐性•微】って、これ毒扱いなのかよ。【腐食耐性•微】は多分ゴブリンの胃液のせいかな?


 何かスキル獲得してるけど、【溶解液1】?


 どういうスキルだ?



 スキル【溶解液1】

 効果 体液が微弱な溶解液となる。相手プレイヤー、もしくはモンスターからダメージを受けたときに、自身にダメージを与えた部位または武器を腐食させる。


 ──まさにグール!


 他のゲームだとグールは体が崩れたり何故か溶けてたりするもんね。グールである俺にうってつけのスキルだ。

 要はダメージを受けたら、相手にもデメリットがあるということだ。


 相手にするのが嫌がられそうな良いスキル。


 「……全然吸血鬼要素はないけど」


 まぁ、それはそれ、これはこれ!


  ◆□◆□◆□◆


 「──さて」


 良いスキルも手に入ったし、そろそろログアウトしよう。

 次は夜にログインするし、いつもと勝手が違うから今の内にログアウトして準備だ。


 いざログアウト! 


 「ではさらば!」


ありがとうございました!

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ありがとうございました!

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