グールと次の日
よろしくお願いします
ログインしました。
今日は誰かログインしてるか?
ウクは「時間あわないからよろしく」って言ってたからいないとして、ユートとカイトはどうだ?
「えっと……カイトはログインしてない、ユートもか」
フレンド申請は通ってるから、昨日のあの後ログインしたのだろう。
「──今日はソロか」
一人ですることと言えば……取り敢えずレベル上げだな。
◆□◆□◆□◆
「【ファイヤーボール】―ッ!」
よし、あらかた片付いた。
【火魔法1】で使えるようになる【ファイヤーボール】を角ウサギと距離を取って連発中。コレなら不意打ちでやられることもない。
昼からずっとやってるからほぼ作業になっている。
<レベルが上がりました>
レベルがこれでで7に上がった。
レベルの上がりかたも緩やかになってきたしそろそろやめようかな。
ウクやユート達はどれくらいのレベルなんだろうか?
「えっと、カイトとユートはレベル9、ウクは……レベル15!?」
ウクのレベルが桁違いに高い。さすがはランキング上位のトッププレイヤー。
「確かに種族によってレベルの上がりやすさは違うけど早すぎだろ……」
見ると、ウクは最終ログインが夜の3時になってる。
「大丈夫なのかコレ?」
ウクの体調が少し心配なログイン時間である。俺は無理なく進めて行きたいが、このままだとウクとレベル差が開きすぎる。
「やっぱ、追い付きたいな、次の群れは……うわっ!」
今、角ウサギの攻撃でHPがごっそり削られた。
角ウサギの攻撃がかすっただけなのに残り一割しか残ってない。初日の配布のHPポーションは使用してもう残り少ない。
勿体ないから【再生】で自動的に回復するしかない。
襲ってきた角ウサギを蹴飛ばして戦闘続行……
……
……あれ?
「HPが減り続けてる?」
もしかして……
「またかっ!」
服の腕のところが角ウサギの攻撃で破れてる。
肌が太陽の光に当たるとダメージが入る。装備してるのも安物ローブだから耐久値も低く、すぐに壊れる。
こんな事もあろうかと大量購入してるが、このままだとすぐ無くなってしまうだろう。
今の装備もこれで24枚目だ。
「金のかかる種族だ……」
連続で破かれると俺の懐もかなり厳しくなる。
「──むしろ一回、高くても良い装備買うか?」
ローブの下の初心者装備は耐久値が高く設定されているから壊れることはないけど、ローブを破られると肌が露出するから結局フードとかで日差しを防ぐしかないし……。
「やっぱり、値段高めの装備を買ってみるべきか?」
一度買ってみるのも良いかもしれない。でもそれにはお金が必要だ。
今一番簡単にお金を稼げるのは……
「……モンスターを狩るか」
エルカは遠くの群れに向かって
「【ファイヤーボール】―ッ!」
◆□◆□◆□◆
途中までは順調だった。
──けど、今は違う。
「ちょっと待って!ちょっと待って!」
何故か角ウサギの群れに挟み撃ちされてます!
どこを見てもウサギ、ウサギ、ウサギ………。
この状況で、HP50なんて!
「死ぬ、死ぬ、死ぬ!──危な!今の恐っ!」
さっきから角ウサギ達がひっきりなしに襲ってくる。
「うおっ!」
今も角が顔を掠めた。HPの低い俺にはそれだけでも大ダメージだ。
「ちょっ!……まっ……っ!」
ヤバい、ヤバい、ヤバい!
「ぎゃぁああああ!」
プレイヤーの死亡エフェクトがきらめき、俺は角ウサギの群れに沈んでった。
勿論一撃。
レベルアップしたのに、結局クリティカル攻撃で一撃死だった。
くそっ…またかよ……。
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