ヴァンパイアグールと何とも言えない
よろしくお願いします!
レラのスキルによって襲い来る聖剣と聖槍、光のビームみたいなのが襲ってくる。
(……っ、きつい)
エルカは気休めかもしれないけどこっちからも【フレイムショット】を放つ。
ガリガリとHPが減っていく、【高速再生】が常に発動されるも追い付かない。
<【高速再生】が【超速再生】に進化しました>
<【火魔法5】が【火魔法6】に進化しました>
タイミング良くスキルレベルが上がってる。【高速再生】が進化してくれたおかげでHPの減りが減った。
それでもまだ足りない。まだまだどんどん減っている。
<一定条件に達しました。種族による固有スキル【屍】を獲得しました>
何かスキルが手に入った。でも今のエルカの状況では見る暇がない。
残りHP、6
<【火魔法6】が【火魔法7】に進化しました>
残りHP、3
<【火魔法7】が【火魔法8】に進化しました>
残りHP、1
まだ隣の狙撃野郎は残ってる。俺が先にやられるのかよ。
……まじかぁ
残りHP、0
<【火魔法8】が【火魔法9】に進化しました。称号【死に向かうもの】により魔法【終わりの命炎】を獲得しました>
その瞬間、一帯を爆発的な炎が覆った。
「な、何だ?」
死ぬ瞬間新しい魔法獲得したと思ったら爆発みたいに炎がブワと広がったぞ?
まあ、そんなことより……
「……俺生きてるの?」
さっきHP0になったくない?勘違い?
HPは……
「…………あ、あれ?」
何度確認してもHPは0のまま。
……何でここにいられるの?
……
……もしかして新しい魔法の効果?
「この魔法の効果は……」
【終わりの命炎】が、死んだときにそれまで受けてきたダメージを自分を中心に広範囲に与える。範囲はダメージ量に依存する。とな…………強くね?
(でも、これじゃない……あとは……さっきのスキルかな?)
ええっと……【屍】は、HP0になってもしばらく動ける。とか………コレだわ。強くね?
これやばいわ。
狙撃野郎は俺のスキルで死んでしまったみたい。……マジで申し訳ない。レラさんの攻撃から頑張って耐えてたのに。
レラさんは……
……
「……おいおい、生きてんぞ」
レラは満身創痍に見えるが【終わりの命炎】をなお生きていた。装備のいくつかが壊れているのが見えるのでそれなりにダメージは負っているみたいだ。
「化け物か……」
【屍】はどれくらい持つんだ?今のレラさんなら勝てるかもしれない。
油断している今がチャンスだ!
「【フレイム……ん?」
さっきは切羽詰まって気付かなかったけど、周りの【命の種火】が残ってる。スキルの説明には回復用のアイテムは使用出来ないらしいけどスキルならどうだ?
「《我が身に命の炎を》【命の種火】―――ッ!」
俺のHPバーが動いた。
(おお、おおお、お、ぉおおおおお!)
き、来たコレ!
つまりこれは【命の種火】のストックが有る限り
(いくらでも復活出来るってことじゃないか!)
もうレラさん何て怖くねぇ!
「俺様、復活!」
「な、――なんでここに!?」
レラさんが大きく動揺した。
(やっぱり俺が死に戻りしたと思っていたな)
行くぜレラさん!
「【フレイムショ――ッ!」
俺の左手を光の斬撃が通り過ぎていった。
(もう立て直したのかよ……)
さっきまであんなに驚いていたのに早いな。
「さっきHP0でやられたはず、――【光剣】ッ!」
おう、やられたぜ。でも、復活するから。
「【命の種火】ッ!【フレイムインパクト】ッ!」
エルカはさっきと同様、【命の種火】を待機状態にしておく、そして新しく獲得した魔法、【フレイムインパクト】を発動。
【フレイムインパクト】は【火魔法】のレベルが大量に上がった時に手に入れた魔法、打撃に炎が宿るって書いてある。一撃一撃に追加ダメージが入るらしい。
「得体のしれないスキル……《――纏え》ッ【聖鎧】!」
「うおっ!」
(何だ!?)
レラの体の周りを半透明な鎧が覆ってる。その鎧に触れると弾かれる。ノックバックするみたいだ。
「このままッ、――【聖槍】ッ!」
「ぎっ―――」
(……いてぇ)
エルカに槍の先が直撃した。ゲームだとはいえかなりビビる。
エルカのHPは【命の種火】がまだ残っているため、少しずつだけど回復はしている。それにいつものHPが減ったときに発動するスキル達で攻撃に上手く耐えれている。
「っ【フレイムダッシュ】!」
「【聖剣】ッ!」
はぁ、あっぶねぇ!
エルカの顔スレスレに聖剣が通ってった。
「【フレイムインパクト】ッ!」
全然当たらねぇ!
マジ、どんなプレイヤースキルしてんだよ!
(キッツ……)
「【聖剣】【聖槍】―――」
ヤバい!
さっきのが来る!
絶対来るでしょ。
「――【循環する神器】」
ほらぁああああああ!
……
……
(……あっ、もう一回発動するんだ)
……
――【終わりの命炎】発動。
フィールドに本日二度目の大炎が咲いた。
◆□◆□◆□◆
それからしばらく、
……
「のわぁああああ!」
……
「おわぁああああ!」
……
「ぎょぁああああ!」
……
……
死んで生き返ってをしばらく繰り返した頃。
「はあ、はあ、一体どういうスキル構成をしているんですか!?」
「……いや、こっちが言いたいんですけど」
もう何十回とこっちは死んでるってのに、全然ダメージが入ってなさそうだ。
マジで頭おかしいんじゃね?
「……何で死なないんですか?」
「………それこそこっちのセリフです」
もう2人とも満身創痍、さっきから同じ行動の繰り返し、もうキツいて……。
ん?
レラは一瞬考えるような素振りを見せるとエルカの方を向いて言った。
「《我、天に属する者・空をかける者・白く強き翼を持ち――
まだ、何かあるの?
【命の種火】をミスらない限り、絶対に死なないから別に良いけどね?
魔を滅するものなり》――
レラの姿が変わっていく、周りに光が現れて集まっていく。
(まるでプリ○ュアの変身シーンだな)
背中に翼が現れて、周りに剣が現れる。光が集まって鎧が出来ていく。
光の全てがレラを包んだ、……そう思った瞬間パッと弾けて元の姿に戻った。
「「……え?」」
<大会時間が終了しました。各自元のフィールドに戻ります>
大会が終わったらしい……
レラとエルカの間に何とも言えない空気が漂ったような気がした。
(この終わり方はないわー)
そう思いながら元いたフィールドに転送されたのだった。
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