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ヴァンパイアグールと知られてない

よろしくお願いします

 どこにいるんだ?


 今日は明日のイベントのせいなのか、人が多い。時計台の周りにもかなりの人数がいてウク達がどこにいるのかよくわからない。


 「………あっ、あれか」


 やっと見つけた。


 ウクの全身鎧が目印になってくれた。カイトとユートがどんな装備なのかよく見てなかったから助かる。


 「──おい、お前らふざけんなよ」


 全くあのとき俺を置いて生きやがって───ちなみに“生き”は誤字じゃ無い。


 そうやって俺が笑いながら文句を言うとカイトたちも笑って。


 「ごめん、ごめん。逃げれた?」

 「普通に死んだわ、あとちょっとで倒せそうだったけどな」


 嘘です。

 まだ結構な数のモンスターいました。

 でもすぐ死んだって言うのは格好悪いからね。


 「マジごめん。お前がそんなに遅いとは想ってなくて。何であんなに遅かったの?」


 あんまり人にステータスとか言わな良ほうが良いらしいけど、別にこいつ等なら言っても良いか……。


 「種族の特徴で昼間はステータスが減少するんだよ」


 ヴァンパイアグールになってもこの特徴は変わらなかったから。


 「……そんな種族あった?」


 ユートは少し考えると思うとそんな答えを返してきた。


 「……」


 え~……もしかして知らない?


 数が少ないのは知っていたけど、まさか知らない人がいるなんて………。


 「人数別の集計の下の方にあるよ」

 「…………あっ、あった」


 集計を見るユートのスクロールが長かったねぇ。

 そんなに下にあるのか……。


 「……まあ、それのせいで【AGI】も減少してるからあの時遅かったんだよ」

 「なる程ね、じゃあ昼は雑魚ってこと?」

 「……そゆこと」


 雑魚って言うなよ。君達はそんな俺を置いていったんだぞ!


 雑魚の俺を!


 「………ごめん、デスペナとか補填出来るのある?」

 「ああ、良い良い。こいつはデスペナ殆ど無いから」


 おいっ。ウク、教えるなよ。

 せっかくアイテムをタダで貰おうと思ってたのに。


 「えっ、何で?」

 「称号のせいだよ。【死に向かうもの】って言うんだけど、HPが10%減る代わりにデスペナがランダムで少なくなる。あと、装備のステータス減少も無くなるぞ」

 「え……キツっ」


 カイトが顔を少し同情を浮かべてそう言った。


 ……だよね。


 俺もそう思う。あんまりメリット無いよねこの称号……。


  

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