別れは突然に
こんにちは、廻る四季です。なろう初投稿です。
今までは読む側で楽しませてもらっていましたが、様々な作品を読むに連れて執筆への興味がわき今に至ります。表現、構成、内容、キャラ等、全てにおいて未熟ですがこれから成長していきたいと思います。
読んでいただけたら、面白くない、面白いといった感想やアドバイス等なんでも教えていただけると、ありがたいです。自分の理想を詰め込んだ作品にしていきたいと思っていますので、楽しんでもらえたらいいなと思っています。しばらくの間よろしくお願いいたします。
いつだって、誰にだって、どんな状況だって、どんな場所でだって、 突然になんの前触れもなく、感情を表現する暇もなく、 変化というのは、別れというのは……やってくるのである。
ましてやフラグなど立っているはずもない。
7月も終わりかけあと数日で8月となった夏の暑い日。街は8月の頭に開催される祭りの準備に騒がしい。ただ、俺の視界にあるのはきれいな夕焼けときれいな彼女の横顔。
先月の中頃、告白されできた俺の初めての彼女の横顔。
(今日は少し元気ないけど学校で嫌なことでもあったのかな?
いや、でもこういうのは本人が話してくれるのを待とう。)
「ねぇ、氷雨…」
きたかっ!
「どうしたの?真衣がしてほしいことならなんだって」
「友達に戻りたいの、私…いいえ、私達」
「もちろん、いい………わけないじゃん!え?急にどうしたの?俺なんか真衣が嫌がることした?なんか悪いところあった?あったなら言って、ちゃんと直すから。」
「悪いところは、ないわけじゃないけどそうじゃないの。なんというか、私、一回嫌いなとこあるとそのイメージが付いちゃって。」
「大丈夫、ちゃんと直すから言ってみてよ。」
「直すって言っても完全になくなるわけじゃないじゃん。あと、彼女らしいことしないといけないのかなーとか考えちゃって氷雨にも冷たくしちゃって、どっちの幸せのためにもその方がいいと思うの」
「え…いや、ちょ…」
俺は自分の中から、口から真衣を離すまいと出てこようとする言葉をこらえて
「真衣はその方が幸せになれるの?」
「うん。」
「わかった、友達に戻ろう。友達なんだから無視とかやめろよ。」
震えた声で精一杯の笑顔でそう返した。
「ありがとう、氷雨」
「こちらこそ、楽しかったよ。」
「「また明日」」
こうして、俺、冬樹氷雨の高2にして、初めての恋は、初めての青春は、たったの1ヶ月にして
言いたいことも、したいことも、叶えたい夢も名の通り
氷のように冷え切った心から溢れ出る涙の雨に流され……終わりを告げた。
真衣と別れ、一人泣きながら家に帰る。
(こんなことなら、別れるフラグの一つくらい立っててほしいもんだな)
そう思いながら、ベッドでも泣いて気づくと夜の8時。両親は今日は飲み会でいないから食事を買いに行かなければならない。
「コンビニ弁当でいいか?」
部屋から出て、氷天の部屋をノックし、そう問いかける。
「兄さん、起きたの。遅いからもう買ってきちゃったよ。」
そう言ってノックした方向の真横から温まった弁当が出てくる。
「兄さん焼肉弁当好きだったよね?はい」
「お、おう、ありがとう」
氷天の優しさが弁当の熱とはまた違う温かさだった。
そうして、氷天の買ってきた弁当を氷天と向かい合い、リビングで食べた。食べ終わり、氷天の淹れたお茶をすする。
「それで兄さん?氷天になんか言うことない?」
「え?あぁ弁当買ってきてくれたんだよなサンキュー」
「そうじゃないから、兄さん馬鹿なの?」
「いや、だって他に言うことなんて…」
「へーじゃあ帰ってくるなり、部屋でグスグス言ってたのはなんでなのかなー」
(う、そういうことか。てか、聞かれてたの、恥ずかしい。俺どんだけ鼻水啜る音でかいの。)
「え、いやそれは」
「真衣さんと別れた」
「はい、そうです」
氷天の顔は見れず、バツが悪そうに頷く。
「やっぱり、そうだったのね。普段必ず帰ったら声かけるのに今日は何もなくておかしいと思った。兄さん、もったいないことしたのね。真衣さんかわいいし、胸も大きいのに。」
少しだけ顔を上げて見えた氷天の顔は少し笑顔でどことなく嬉しそうだった。
小さく主張する胸が小刻みに揺れるのとは反対に、トレードマークの長いポニテを大きくはねさせながら。
(きっと、俺の不幸を笑ってんだな。)
「お前の中のいい女は外見だけなのかよ。ちょっとブルーブル買ってくる。」
そういって、少し落ち着こうと愛用のエナジードリンク購入を理由に外へ出た。
「それなら、お母さんが買ってきてるのに…」
嬉しさに気を取られ、兄の行動を止められなかった妹はそうつぶやいた。
私生活との兼ね合いで投稿は不定期ですが、なるべく上げていきたいと思います。
感想等ぜひ教えてください。といっても、まだなにも始まっていないんですけどね。