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序章
初めての作品ということで不慣れな点も多いと思いますが。
宜しくお願いします。
「はぁ…はぁ…はぁ…、」
どれだけ走っただろう、何も無い暗闇の中をただ闇雲に、ただひたすらに。
頼るべき宛などなく、目指すべき場所などなく光を求めてもがいていた。
衰弱しきった身体を雨粒が流れていく。
恵みの雨は私の足跡を、臭いを、痕跡を消していく。
バチャン!!
「はぁ……はぁ………。」
全身から感覚が薄れていく。
水に濡れても、まだ少し暖かい地面にうつ伏せるように倒れた私の身体が呑み込まれていくようだった。
「どうしてこんな所に子供が?」
近付いてくる男の気配、
「おい、大丈夫か お前?」
何か喋りかけられているがそれに応えられる程の体力も残っていなかった。
男は優しく私を抱え上げた。
私なんかを助けようとするあなたはいったい誰?
私の意識はそこで途絶えた。