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ぼくらの無人島開拓ライフ!  作者: えっくすせりあ。
序章 無人島へ
2/12

一話 文化祭

登場人物紹介パート。

プロットがまだ出来ていなくてぼんやりしているせいで、今ある設定を詰め込む形になっちゃってます。

序章はほとんど設定の説明ばかりなので、一章まで飛ばしてもらっても大丈夫です。

「はーいっ! 皆さんよく聞いてー! 今から、文化祭の出し物決めますよー?」


 音楽教師兼2-A副担任である桐原きりはら音美おとみが、いつも通りのニコニコ顔でクラスのみんなに話しかける。

 高校の文化祭というものは普通、学級委員とかが仕切るもののはずだが、なぜ桐原きりはら音美おとみが壇上でこの場を仕切っているのかは……謎である。


 ちなみに、2-Aの担任で数学教師でもある守山もりやま数人かずとは、教室の隅にいる。パイプ椅子の上で、まるで酔いつぶれたおじさんのごとく項垂れている。

 なお、これは普段通りである。決して気分が悪いわけでも、酔いつぶれたわけでもなく、これがいつも通りの守山もりやまだ。


「それじゃあ、やりたい人は手を挙げてくださいねー」


「はーい! はい! はい! はーい! 私メイドカフェやりたい! メイド姿でお出迎えしてみたい!」


 まず勢いよく手を挙げたのは、調理部の遠桃とおもも唯那ゆいなだった。桃色の髪に桃色の目をしていて、なかなか豊満なボディの持ち主である。

 思い切り立ち上がった勢いで、遠桃とおもものふわふわとした長い桃色の髪がバサッっとなる。


「何を言うとんねんあんたは……」

「お前が客引きやってたら逆に客が逃げちゃうだろっ!」

「文化祭までにくびれを付けられたら考えなくもないぞっ!」

「というかあんたは料理上手いんだしやるとしても厨房に行くでしょ」

「いやでも遠桃とおももさんのメイド姿ってなかなか需要あるんじゃないか!?」

「ははは、んな訳ないだろっ!」


 ハッハッハッハッハッハッハッハッハッハッ


遠桃とおもも唯那ゆいなはぽっちゃりである。


「はーい! みんなもうおしまい! 遠桃とおももさんはやりたいことを言ったんだから、そうやって悪口いったら駄目よー! ねぇ遠桃とおももさん?」


「そうだよー! みんなひどいよー!? ……絶対需要あると思うのに(ボソッ)……」


 最後の言葉は、きっと誰も聞いていない。


唯那ゆいなちゃんがメイドやるのはちょっとどうかと思うけど、メイド喫茶は私もやってみたーい!」


「うぅ……夕葉ゆうはちゃんまでぇ……」


 楽宮らくみや夕葉ゆうはは、セミロングの茶髪に茶目の運動大好き活発女子だ。他の女子より、一回り背が高い。部活は運動系ではなく、吹奏楽部。本人曰く、バスケ部と悩んだからさいころ鉛筆で決めたらしい。

 

「あ、メイドじゃなくても喫茶店とかは俺もやってみたい」


 ガタッ


「なに!? 雅人まさとお前! そういう趣味だったのか! 見損なったぞ!」


「龍うるさいぞ。誤解のないようわざわざメイドじゃなくてもって言ったのが聞こえなかったのか?」


「うおおおおぉぉぉぉ! 雅人まさとおおぉぉぉぉぉ!」


「龍ちゃんちょっと静かにしようよ」

「うるさい」

「黙れ馬鹿龍」


「おっとすまない。雅人まさとが変なことを言うからつい……な」


「誤解解けてねぇのかよ……」


 徳海のりうみ雅人まさとは、サバ部ことサバイバル部の副部長で、緑髪に黄色い目をしている。目がとてもよく、ナイフ捌きもよくて、部長からの信頼も厚い。


 生徒たちがうるさい話し合いをしている中、桐原きりはらは黒板に文字を書いていた。


「えっとー、とりあえずメイド喫茶に三票入ったんだけど、他に何かやりたいことある人いますかー?」


 バンッ!

 ガタッ!


 桐原きりはらの言葉に、今度は野村のむら龍一郎りゅういちろうが勢いよく手を挙げた。


「きいいいいさまらあああぁぁぁぁっ! よおぉぉくきけえええぇぇぇ!」


「うるさい」

「うるさい」

「うるさい」


「文化祭と言えば……劇に決まっているだろおおおぉぉぉぉ!?」


「うるさい」

「うるさい」

「決まってない」


 野村のむら龍一郎りゅういちろうは馬鹿である。

 いや、正確には頭は良く、学年トップレベルなのだが、そのはずなのだが、頭のねじが一本外れているのだろうか、ものすごくうるさい。部活は野球部で一番バッターをやっている。このクラスで唯一の丸刈りで、黒髪に黒目だ。


「えーっと……。野村のむらくんは劇がやりたいってことで、大丈夫?」


「はい! それでおっけーです!」


「わっかりましたー」


 そういうと桐原きりはらは、また黒板を向いてすらすらと書き出した。


「ったく劇とか子供かよっ。ほんっと馬鹿龍だわ」


 球弥たまやが、変わらず肘をついて窓の外を眺めながら、ため息を吐いてつまらなそうに言う。


「はっはっは球弥たまやめそんなこと言っちゃってぇ、俺にはわかるぞぉ? 本当は劇やりたいんだろう? やりたいなら最初っからそういえばいいんだぞ?」


「畜生やっぱ馬鹿龍だわ」


「まぁまぁそんなこと言うなよ! 俺とお前の仲だろう!」


「俺はお前と友達になった覚えはないぞ」


「少なくとも部員ではあろう? 部員は仲間だ! 部員は友達だ! よって、俺とお前はぁ、友達だあああああぁぁぁぁ!」


「…………」


 球弥たまや蘭馬らんまは、野村のむら龍一郎りゅういちろうと同じ野球部で、五番バッターだ。白髪に緑色の目で、その顔のぱっと見の怖さと耳についているピアスで初対面の人にはかなり怖がられる。

 ただ、『やるときはちゃんとやる可愛いやつだよ!』という野村のむらの噂が広がってからは、むしろみんなが彼に近づくようになった。一応球弥たまやは、野村のむらの行動に少なからず感謝している。


「でも蘭ちゃん手先器用なんだから、劇だったらいろいろ活躍できるんじゃない?」


「うるせぇ羽葉うぶは! 俺のその名前で呼ぶな!」


「えぇいいじゃん! 可愛いじゃん!」


「俺は別に可愛さなんて求めてねぇんだよ!」


「蘭ちゃん可愛い!」

「蘭ちゃん可愛い!」

「蘭ちゃんマジ萌え!」


「おい遠桃とおもも! どさくさに紛れてなにがマジ萌えだふざけんな!」


「蘭ちゃんマジ萌え!」

「蘭ちゃんマジ萌え!」

「蘭ちゃんマジ萌え!」


「ああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! クソ村がああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 なお野村のむらは、やるときはやるという噂とともに、『以外と優しいから蘭ちゃんって呼んでも怒られないよ! というかむしろ呼んであげて!』と言いまわった。おかげで蘭馬らんまは、見知らぬ人にいきなり、『あ、蘭ちゃんじゃん! やっほー』と言われるほどの有名人となった。


「えぇっとぉ……蘭馬らんまくんは劇に一票ってことで大丈夫ってこと?」


「劇以外ならなんでもいいです!」


 そういうと蘭馬らんまは、勢いよく机に突っ伏した。


「あらそうなの? てっきり本当に劇やりたいと思って劇二票って書いちゃったわ。消さなくちゃっ」


「……………」


「とりあえず、あと意見を聞いてないのは五人だけね。羽葉うぶはさんは何か希望ある?」


「あっ、私もメイド喫茶やってみたいです!」


 羽葉うぶはかなでは、金髪碧眼の吹奏楽部である。


「おっけー。メイド喫茶四票っとー。歌海うたうみさんはどう?」


「えっ、あっ、はい。……えっとぉ、私も恥ずかしいけど、メイド喫茶……やってみたい……です……」


 歌海うたうみみどりは、合唱部で、緑髪、緑目のストレートロング。このなかでは一番背が低く。いつもタオルを持ち歩いている。


「メイド喫茶五票。華乃伊はなのいさんはー?」


「うちはうどんさえ作れればなんでもええよ」


「ほんと華乃伊はなのいさんぶれないよねぇ」

「部活でもうどんしか作らないからねぇ杏奈あんなちゃんは」

「へぇー、うどんを極めしものって感じだね」


 華乃伊はなのい杏奈あんなは、高校になってとあるうどんが名産の地域からやって来た黒髪黒目のポニーテール少女だ。調理部に入ってはいるが、うどんの腕以外は遠桃とおもも唯那ゆいなに劣る。というかあまり上手くない。逆にうどんだけは異様に上手い。彼女は調理部でも基本うどんしか作らない。


「それじゃあメイド喫茶が五票(+2票)ってところかな? あとは嘉山かやまくんと虎島とらじまくんだけだけど……」


「僕は何でもいいですよ」


「俺はこんなことよりサバ部の練習の方が大事だからな。お前らで好きに決めてくれ」


 嘉山かやま優羽ゆうはは、黒髪に青い目で、眼鏡をしている。度はあまり入っていない。


 虎島とらじま魁人かいとは、ちょっと目つきの悪い赤髪赤目の青年で、サバ部の部長をやっている。徳海のりうみと同じくナイフが得意で、全体的な運動神経は徳海のりうみより良い。


「もぉー、虎島とらじまくんも参加するんだからそういうこと言わないの」

「そうだよそうだよー、虎島とらじまくんももうちょっと私たちとも仲良くしようよー?」


「……ふん」


「えーっとぉ、それじゃあ、一応メイド喫茶が第一候補だけど、野村のむらくん……どうする?」


「ぐうぅ、文化祭といえば劇のはずなのに…‥しかし仕方がない、俺もメイド喫茶でも構わん!」


「それじゃあ決まりだねー」


 桐原きりはらが、黒板に書かれたメイド喫茶に赤で丸をしてからすぐにそれを消した。

 それからすぐに、黒板の右側に新たに【メイド喫茶でやりたいこと】と書いた。


「はーい。それじゃあ次は、黒板の通りやりたいことを決めるから、何か意見がある人言ってねー」



 その時だった。



「はーい! はーい! わしはいくら金をかけてもいいからしっかりとした衣装を作りたいぞ! 市販のメイド服も確かに可愛いが、それを越す究極にえろくてくぅあわいいメイド服を作りたいぞ!」


「「「!?」」」


 その場にいるすべての人が、反射的に真上を向いた。手を挙げようとしていた人たちは、片手が少し上に上がっている状態で固まっている。さっきまでずっと項垂れていた守山もりやままで、目を大きく開いてガバッと上を向いた。


 自分たちの上に人がいるはずもないのに、それでも確かに上から聞こえた声。


 やがてその場の誰もが、


「おっとこれは失礼。つい興奮してしまったようじゃの」


 確かにいないとわかっていても、なぜか不思議と目の前に、


「わしの名は、まぁ神様と呼んでくれればよいぞ」


 彼が立っている気がした。


「おぬしらに、第二の、いや、新しく異世界ファンタジーワールドを創ってもらいたい」

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