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異世界落語  作者: 朱雀新吾
抜けドラゴン【抜け雀】
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抜けドラゴン【抜け雀】――解説――

「抜けドラゴン【抜け雀】」でした。


 今回の話は結構な改編を行っています。「ちりとてちん」で原典そのままをやってしまった反動と言いましょうか。「抜けドラゴン」ですから、ファンタジー色を全面に押したかったと言いますか。

 なので原典の「抜け雀」を知っている人から見れば、全くの別物に感じられるかと思います。

 サゲなんて完全オリジナルですね。一応「親不孝」的には原典とかかっているのか、と言い訳は並べておきます。

 変え過ぎた所為で、原典の素晴らしい情緒や雰囲気も違って見える様になっているのではないかという点が、なにより気になります。と言いますか、実際全然違った感じになっていると断言出来ます。

 ですから、皆様。本当に良い噺ですから、是非原典の「抜け雀」もごお聴きになって頂きたいです。


「抜け雀」の内容に関しましては、劇中落語中落語ややこしいで一福が語る通りです。

 いやはや、なかなか難易度の高い落語です。

 ギャグの数があまり多くなく、ストーリーで聴かせる噺ですので。

 ただ、そのストーリー自体がしっかりとしていて、不思議な上に痛快で、かなり人気は高いです。私もこの噺は大好きです。「実は達人でした」といった話はやはり盛り上がりますから。「遠山の○さん」や「静かなるド○」的と言いますか。それを考えますと今回の「抜けドラゴン」は原典のそういった「実は……」部分を最初からラッカが言ってしまっているので、やっぱり違いますよね、雰囲気が。と、今この解説を書いていて思いました。ですが、もう投稿してしまっていますので、どうしようもありませんね。うん、これはこれで、仕方がありません。「抜け雀」をモチーフにして、その流れをラッカが断ち切るというのが、今回のテーマでもありましたから、私自身も原典をある程度無視する覚悟がないと駄目なのだと思います。決して冒涜している訳ではありませんので、落語ファンの方は、お怒りになられないで下さいね。

 ですが「やっぱりちょっと違うんじゃない?」と言った意見は是非頂きたいので、遠慮せずに感想欄でもメッセージでも某掲示板でも、じゃんじゃん書き込まれて下さい。

 前回は原典そのものでビクビクし、今回は原典から離れすぎビクビクする。どちらに転んでもビクビクする事となり、思わず苦笑してしまいますね。


 タイトルに関してです。「抜け○○」で少しだけ悩みました。

 他の案で言いますと「抜けワイバーン」だとか「抜けユニコーン」だとか「抜けケンタウロス」等ですね。

 ですが、脳内会議の結果、満場一致で「抜けドラゴン」になりました。

 これは本当にしっくり来ますね。タイトルではいつもかなり悩むのですが、今回はこれしかない感がありました。「異世界落語」の執筆では、ストーリーを考えてタイトルを決めるやり方と、タイトルを考えてストーリーを決めるやり方とあるのですが、今回は完全に後者です。

 タイトルとしては「ソードほめ」に近い感じがします。まさに「ファンタジー落語」という雰囲気がして、まだストーリーが全然浮かんでいない時点にも関わらず、自分でもワクワクしてしまいました。その次の瞬間には「いや、ワクワクはいいから。お前が考えるんだからね」と自分への突っ込みが入り、しゅんとしましたが。

 そう言えば「ソードほめ」にもドラゴンが登場していましたね。私の中の「ファンタジー色を出したい時にはドラゴンを出せば良い」という安易な考えが無意識に反映されているのだと思います。

「ほら、ドラゴンですよ!ファンタジーですよ!凄いでしょ?私はファンタジーを書いているんですよ!」というドヤ顔を全面に押し出しているのです。ああ、ファンタジーを書いているんだなあ、と感慨深い気持ちになります。

 その他のお気に入りタイトルはと言いますと「MY FRIEND FOREVER【だんじり狸】」や「ちりとてちん【ちりとてちん】」ですね。この二つはタイトルから「やってやった感」が凄かったです。ちりとてちんは最後まで「チリトテチン【ちりとてちん】」と悩みましたけれど。

 後はやはり「たちぎれファイアーストーム」ですかね(笑)。これは気になります(笑)。どういうネタなのかは全く考えていませんけれど。タイトルだけ考えるのも本当に楽しいです。


 後は今回の構成の話になりますが、凄く簡単で分かりやすい、使い古された手法を使いました。

 初めの数行で気付かれた方もいらっしゃるでしょうが、普通にバレても構わない気持ちでしたので。ええ、負け惜しみではありませんよ。元々今回の話はああいった感じで、伝記的な別視点から描く方が良い気がしておりましたので。「それならもう一捻りぐらい……」といった軽いノリでサンプクを登場させた次第であります。ですが「顔は三枚目」を「三代目」にしなかった所を見ると、やはりなんだかんだ言って「何とか気づかれたくない」という浅ましさが見え隠れしていて、情けない限りです。

 ストーリー自体がドワーフ王と王子との継承に関しての話ですから、噺家にとってもお馴染みであります、襲名話をかけてあって、落語と現実が上手く重なったのではないかと、その事に、今この解説を書いていて初めて気が付きました。ああ、そうですね!「ドワーフ王の継承」と「一福の名の襲名」が、被っていますね。いやあ、凄い。

 こういう事が期せずして起きるので、やはり行き当たりばったりで執筆するのはやめられません。初めから狙って、計算して考えていたら、不自然になってしまいますもの。ええ、絶対に。今年もこの「行き当たりばったりスタンス」を守っていこうと、たった今胸に誓いました。


 これで「異世界落語」の裾野が更に広がったのであれば、嬉しいです。今後の展望なんかも見え隠れして、良いアクセントになればとも思っております。


 あとは最終回みたいになってしまったのが少し気になる所ではあります。前回も「最終回じゃないですよね?」といった御感想を頂きましたので、この場で明言しておきます。最終回ではございません。

 いつも最終回と思って、スラムダ○クでいう所の「山王戦」の気持ちで書いてはおりますが。

 そして、次回からはまた時系列も戻りますので、ご安心下さい。


 次回は「延陽伯」。頑張って、私が一番苦手な恋愛を描きたいと思います。


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