火属性魔法こわい【まんじゅうこわい】③
一人の家に集まり、若い男達が話をしている。
『おい、ところで話は変わるんだが、お前達は何か怖い事はあるか?死ぬのが怖い?馬鹿野郎。俺達は国の為なら命も惜しまぬ勇敢なる戦士だぞ。そういうんじゃねえんだよ。どうしても、これだけは苦手ってものがあるんじゃねえか、ってそういうのを聞いているんだよ』
『おお、なるほど。じゃあ俺はあれかな』
そこで、一人の男が手を上げる。
『おう、ワンチンか 。お前、言ってみな』
『ああ、俺はあれが怖いな。半月刀』
『半月刀?』
その返答にリーダー格の男は明らかに眉を潜める。
『何でだよ。半月刀っつったらあれだろ?こう、ぐにゃっと曲がった形の剣だろ?武器じゃねえか。ワンチン、戦士のお前を守ってくれるもんだろうがよ。なんでそれが怖いんだよ』
『いや、あれさ、振ったら自分に当たりそうだからよ。その度にビクってなっちまって、どうしても怖いんだよな』
ワンチンは頭を掻き、笑いながらそう答えた。
戦士にとって思い当たる所が十分にあるのだろう、酒場にいる戦士達がうんうんと頷きながら笑っている。
ジンダ=スプリングはムスっとした顔のまま、腕を組んでいる。
『他に誰かないのかよ?怖いもの』
『だったら俺は、あれが怖いな』
『おお、誰だ』
リーダー格の男は嬉しそうに手を挙げた人物を見る。
『お、ツートーンじゃねえか。魔法使いのお前が怖いもんってのはなんだろうな。興味があるね。是非聞かせてくれ』
『ああ、俺は口内炎が怖い』
その一言だけで酒場の魔法使い達は転げ回る程の大爆笑だった。口内炎は魔法使いの詠唱にとっては、天敵なのだ。だから魔法使いは普段から食物繊維をしっかりと取り、夜更かししないように心掛けている。
『あとはMP切れかな。MPがなければ俺なんてスライムにも勝てないからな。いや、赤ん坊にも勝てる気がしないね』
『それはお前自身が鍛えてないからだろうが。まったくこれだから魔法使いってヤツは、とんでもないクズ野郎ばかりしかいないんだからな』
被せた毒舌ネタに魔法使い達が再び笑い転げる。
――本当に魔法使いはすぐ笑う。これが旦那の言っていた「ゲラ」というヤツか。ラッカは呆れ顔でその光景を眺めていた。
ジンダ=スプリングはムスっとした顔のまま、腕を組んでいる。
『俺はあれだな』
『お、シーフのバースリーにも怖いものがあるんだな。一体何だ?』
『開いていない宝箱だよ』
その答えにリーダー格の男は首を傾げる。
『宝箱?開いていないって事は、まだ中身を誰にも持ってかれてないって事だろう?シーフのお前にとってはウキウキワクワクする最高の瞬間なんじゃねえのかよ』
その言葉にシーフのバースリーは心底嫌気が差したように顔を歪める。
『まったく。お前はシーフじゃないからそんな気楽な事が言えるんだよ。宝箱の中身が罠やミミックだったらどうするんだよ。ゾッとするじゃねえか。知ってるか?シーフの死因第一位は宝箱の解除中なんだぞ!』
『だったらなんでお前シーフやってんだよ』
リーダー格の男の追及に即答するバースリー。
『ステータスの都合でそれしかなれなかったからだよ。シーフになるヤツなんか元々盗みが好きなコソドロか、ステータスの低い落ちこぼれと、相場は決まってんだ』
酒場のシーフ達がそいつはちげえねえや!と、自虐的にケラケラ笑う。
ジンダ=スプリングはムスっとした顔のまま、腕を組んでいる。
怒りを含んでいると取れる明らかに不機嫌そうな顔である。だが、既知の仲であるラッカはその表情の微妙な差異を感じ取っていた。
――流石は一福の旦那。コイツにこれだけの短期間でこんな表情をさせるなんて……。まったく、やってらんねえぜ。俺は三年はかかったってのによ……。
『俺はエンシェントドラゴンが怖い』
『そら誰だって怖いわ。俺だって怖いよ。敵うわけないからな。出会ったらおしまいだ』
『俺はネバネバネーバが怖い』
『はあ、何言ってんだよ。あれはあのネバネバ食感が美味しいんじゃねえかよ』
それから他の者もそれぞれ自分にとって怖いものを次々に挙げていった。
『はあ!どいつもこいつも、情けねえな!!』
ひとしきり皆の意見が出た所で、一人の男が大声をあげる。
『なんだマンダラ、じゃあお前には怖いものはねえのかよ?』
その言葉にマンダラは自信満々に頷いてみせる。
『ああ、俺に怖いもんなんてねえよ。半月刀?あの曲線が怖いなら、降り下ろす時に自分も一緒に身体を反ればいいじゃねえか。戦士が聞いて呆れらあ。ハハハ!口内炎?俺なら口の中血だらけで呪文唱えてやるよ。血の契約っつって更に魔法が強力になるんじゃねえかよ!?知らねえがな!まったく、魔法使いってのはやせっぽちが多いだけあって、デリケートなんだな!ハハハ!開いてない宝箱?そんなもんブンブンと振ってやりゃあいいんだよ。そうしたら音聞いたら中身が何か大体分かるぜ。もしミミックなら中で目を回してくれて、一石二鳥だよ。エンシェントドラゴン?あんなもん怖くないね。簡単な話よ。さっさとやられて死んじまえばいいんだよ。ああいうのはな、死にたくないっつって、なんとか逃れようと思うから怖いんだよ。エンシェントドラゴンが空を飛んでいるのを見たら「ああ、お迎えがきなすった……」と厳かな気持ちになってよ、寿命が来たと思えばいいんだよ。そう考えりゃ何も怖くはないわな。天命に抗おうとするからダメなんだよ。ネバネバネーバ?俺は大好物だね。オクラと山芋と混ぜてご飯にかけて食べちゃう』
強い口調でまくしたてるマンダラ。
『はあ、なるほど。流石はマンダラだな』
皆は揃って関心し、マンダラを見つめる。
だが、そんな自信満々なマンデラの表情が、次の瞬間曇る。
『……ああ……いや、あった。あったな。ああ……そうか。あれだけはダメだったな……』
『おい、どうしたマンダラ』
先程までの威勢はどこへやら、一変して苦々しい表情を浮かべるマンダラ。
『いや、なんでもない……』
『なんでもない訳ないだろうが。なんだよ、教えてくれよ』
『いや、これは情けない。こんな弱点、俺は皆に知られたくねえな』
『なんだよ、怖いものがあったのかよ。だったらほら、皆正直に話したんだからよ。お前も言えよ』
『…………』
しばらく黙ってうつむいていたマンダラだったが、意を決したように顔を上げると、苦々しい表情で口を開いた。
『俺は…………火属性魔法が怖い』
『へ……?何だって?』
『だから…………火属性魔法が怖いんだよ』
マンダラのその言葉に、その場にいる全員が呆気にとられ、目が点になった。
『火が怖い?だってお前は……』
『何だよ。俺が火属性魔法が怖くておかしいかよ。酒が苦手な酒屋だっているだろう。武器が怖い武器屋もいるだろうさ。今夜泊まる宿のない宿屋だっているかもしれねえぜ。だったら……火が怖いサラマンダーだって、いてもおかしくはないだろう?』
そう、サラマンダーのサラ=マンダラは強く主張した。
サラマンダーとは、火トカゲ族の通称で、火に強い特性のある種族である。
当然、火属性魔法を受けても、効果はない。
だが、今目の前でそのサラマンダーが俺は火が怖いと言っているのだ。
『はあ、火が怖いか。サラマンダーのサラ=マンダラがなあ……』
『笑いたければ笑えよ!』
『笑いやしないけれど……いや、でも火が嫌いなサラマンダーってのは……』
やはり釈然としない周囲の雰囲気に、マンダラはもどかしそうに説明を加える。
『そりゃあ、確かに火は効きやしないよ。サラマンダーだもん。ダメージを喰らうわけじゃないんだ。……それでも苦手なもんは苦手でさ。ダメージがあるとかないとかじゃないんだよ。理屈じゃないの。あのメラメラ燃え盛る炎を見ていたら……もう、背筋が冷えて肝が凍るんだよ』
その言葉には皆もいよいよ笑ってしまった。
『ハハハ、サラマンダーが炎を見て背筋が冷え、肝が凍るなんざ、あべこべだ』
『うるせえ!笑うんじゃないよ』
『ああ、悪い悪い。それじゃあさ、火属性魔法の詠唱とかは?』
『ああ、嫌いだね。聞くのも嫌だ』
それを聞いた一人の男が冗談交じりに詠唱を始める。
『へえ、アツクナールモエテクールヒガデール……』
『だからやめろって!もういい、俺は帰るぞ!』
『あ、ゴメン、マンダラ!冗談だって。おい、待てよ!待てったら!あーあ、行っちまった』
マンダラは後ろを振り返る事なく、一目散に去っていった。
『行っちまったな。まったく、吃驚仰天とはこの事だ。まさかサラマンダーが火が怖いなんて』
信じられなかったが、今のマンダラの反応を見る限り、どうやら本当らしい。
『いや、だけど普段あんなに勝ち気で男気溢れるマンダラが、火が怖いとはな……。お、そうだ』
そこでリーダー格の男がポンと手を打つ。
『おい、面白い事を考えたぜ』
『なんだよ、聞かせてくれよ』
『火属性魔法が怖いサラマンダーなんて、聞いた事ねえ。ひとつアイツを怖がらせてやろうじゃねえか。勿論、火を使ってな』
そう言ってニヤリと笑う。周りの者達もそれはいい、と直ぐに乗り気になった。
『この中に魔法使いはどんだけいるよ』
すると、何人かが手を上げる。
『ほう、結構いるな。で、火属性のヤツは?お、お前は火か。お前も火、火、火。結構いるな……おいフォース、お前は踵だろうがよ。踵は唯でさえイフリートに嫌われてんだからよ。燃やされちまうぞ。引っ込んでろよ。まったく……。まあ、これだけ火属性がいれば十分だろう。他の皆も何か火がつくものがあったら持ってきてくれ。じゃあ、10分後にマンダラの家の前で集合だからな』
「そう言って解散して、10分後。マンダラの家の前に皆がやってまいります」
『よし、魔法使い連中は、揃ったな。お前達が頼りだからな。期待してるぞ』
その中の一人が胸を張って答える。
『ああ、任せてくれ。普段なら怖くてモンスターには使えない上位魔法を喰らわしてやるぜ』
『モンスターに使えない様な魔法を友達に使うなよ。でもまあ、その意気だ』
魔法使いの士気は上々であった。
『ええと、じゃあその他のヤツらも来ているな。おう、お前、何か持ってきたか?』
一人の男に声をかける。
『ああ、俺って道具屋だろう。だからほら、火属性魔法の巻物を持ってきたぜ』
そう言って数本の巻物を抱えて、見せた。
『ほう、そいつはでかした。これなら魔法使いじゃないヤツでも使えるからな。でもいいのか?巻物ってのは結構高いもんだぜ?え?使用期限を過ぎているからもう店でも売れない?ああ、そうか。ならこの際だから残品処理してやろうか。おい、何も持ってないヤツは巻物を受け取りな』
俺にくれ、俺にも、と皆が巻物を受け取る。
『おい、俺も家からこんなもの持ってきたぜ』
別の男が口を開く。
『おお、お前は何を持ってきたんだ?』
『俺は花火を持ってきた』
『そうか花火か。いや、良いじゃねえか。そらあマンダラもさぞ怖がるだろうよ。おい、巻物も貰ってないヤツは、花火を受け取りな』
俺にくれ、俺にも、と皆が花火を受け取る。
『俺も持ってきたぞ』
更に別の男も口を開く。
『おお、お前は何を持ってきたんだ?』
『俺は、馬の糞だ』
そう言って嬉しそうに素手に持った馬の糞を掲げた。
たまらずリーダー格の男は顔をしかめる。
『何でお前は馬の糞なんて持ってきてんだよ!しかも何普通に素手で握ってんの?まったく、最低だな』
『おいおい、酷い事言うなよ。友達だろう』
『俺はもうお前と既に友達辞めたいよ』
『すでだけに?』
『うるさいよ』
『あのね、馬の糞ってのは燃えるんだよ。だから、皆の火の燃料になると思ってさ』
『ああ、なるほどね。おい、巻物も花火も貰ってないヤツは、馬の糞を受け取りな』
誰が受け取るか、と周りの者から非難の声が上がったのは、言うまでもない。
『で、マンダラだけど……。おう、偵察ご苦労。いたか?』
『いたいた。奴さん、中で震えていたよ』
マンダラの家を覗きこんできたシーフの男が嬉しそうに話す。
『ようしようし、よっぽど火が怖いと見える。それじゃあいっちょやるか』
その声を合図に作戦が開始された。
『まずは魔法使い隊。前へ』
ズラッと並ぶと1人が詠唱を始める。
『アツクナール モエテクール ヒガデール、火属性魔法ファイア』
小さな火が生まれ、マンデラの家の中へと飛んでいく。
『うわああ!なんだこれは!!?火だ!怖い!』
家の中からマンダラの悲鳴が響く。
更に別の魔法使いが呪文を唱える。
『モエテクール ヒガデール ハイニナール、火属性魔法メガファイア』
中くらいの炎が生まれ、マンデラの家の中へと飛んでいく。
『ぎゃああああ!!まただ!!うおおおお、熱い!怖いよおお!』
マンダラの悲鳴は大きくなる。
別の魔法使いが呪文を唱える。
『ヒガデール ハイニナール チリトカース、火属性魔法ギガファイア』
人一人ぐらい簡単に飲み込んでしまいそうな巨大な炎が生まれ、業火を撒き散らしながらマンダラの家の中へと飛んでいく。
『ぐはあああああああ!!!また炎だ!!さてはこれは魔法だなあああ!!ぎゃああああやめてくれえええええ。誰かああああ!!怖いよおおおおおお!!!』
マンダラは泣きながら助けを求める。
だが無情にも外ではマンダラの友人が新たな呪文を唱えていた。
『ハイニナール チリトカース ホネモノコラーヌ ヒャクネンクサキモハエーヌ、火属性魔法テラファイア』
巨大な炎が凶暴な竜の形となり、ぎゃあああああという耳をつんざく雄叫びをあげながら、マンダラの家の中へと飛んでいく。
『うおおおおおおんんんんn!!!!何か凄いヤツがきたああああああああ。モンスターにも怖くて喰らわせられないようなレベルのヤツじゃねえかよこれえええええ!!!!うおおおおおおおお!!!怖い怖い怖いいいいひいいいいいい!!!』
次から次へと炎が自分目掛けて向かってくる。その度にマンダラは大騒ぎである。
『ぎゃあああああ!!なんだなんだ!!!!うわあああああ!!怖いよおおおおおおお。やめてくれえええええええ!ひいいいいいいいいい!!!』
外にいる連中は大喜びで笑い転げる。
『ハッハッハ!見ろよ。マンダラのヤツ、大慌てしてやがる。効いているぞ。いや、効いているといってもダメージは喰らってないだろうけど。よし、次は、巻物、花火も行け!』
号令と共に魔法使いが後退し、手に巻物や花火を持った者達が並ぶ。
同時に、巻物を読み、花火に火をつけ、各々が作戦を実行する。
巻物の炎は魔法と同一なので、同じく家の中へと入っていく。
だが花火の火は手動照準なので、上手く中を狙えない者もいた。直接家の扉や、屋根にぶつかってしまう。
すると、いつのまにかどこからか煙が立ち上り、家が燃えだしてしまった。
『うわああああ!家に火がついたああああ!火事だあああああああ!!』
マンダラの叫び声に、外にいる友人達も慌てる。
『おいおい、誰が家を焼けって言ったよ!おい、誰か!水!水属性のヤツはいないのかよ?え、火以外には踵しかいない?まったく、なんてこった!どんだけ偏った交友関係だよ。おい、誰か。なんとかしてくれ!マンダラの家が燃えちまう!』
まさかの事態にリーダー格の男も狼狽を隠せない。
『俺に任せろ!』
そこに一人の男が颯爽と飛び出し、手に持っている物を炎に次々と投げつけ始めた。
『これでもくらえ!えい、えい』
『おお!何だそれは?』
期待のこもった表情で尋ねるリーダー格の男に、その者は真剣な表情で一度頷くと、答える。
『決まっているだろう。馬の糞だ』
『お前は何でこんな時に馬の糞投げてんだよ!!何の意味もねえだろうがよ!!』
『これが本当のヤケクソ!』
『だまれ!』
「ええ、こんな具合に辺りはパニックに包まれました。燃え盛る友の家。助けに行こうにも、あまりにもの熱気で近づく事すらままなりません。固唾を飲んで眺めていますと、ガラガラガラガラ、ガッシャアアアアアン!!!!と家が崩壊してしまいました」
『うおおお!マンダラの家が潰れたあああああああ!!』
呆然と立ち尽くす、男達。
もはやマンダラもここまでか、と思った――その時。
瓦礫の山を払いのけ、中からマンダラが現れた。
『マンダラ―ああああああああああ!!』
走り寄る友人達。
奇跡の生還。感動の瞬間であった。
『もう、やめてくれよお前達。俺は火が怖いって言ってたろう』
『すまんすまん、ちょっとやり過ぎちまった』
素直に謝る男達。
『あと、馬の糞を投げつけたヤツ、誰だ』
『ああ、それは俺だよ!俺俺!フフフ……礼ならいらねえぜ。友を救う為なら馬の糞の一つや二つ……ぎゃあああああ!!!!』
男はマンダラから受けたビンタで一瞬のうちに吹き飛ばされた。
『人の家にウンコ投げつけるなよ、このウンコ野郎が』
マンダラには家を燃やされた事より、ウンコを投げられた事の方が重大のようだ。
そして、その鬼神の様な腕力を目の当たりにして、男達はマンダラにある変化が訪れている事に気がついた。
『おいマンダラ……お前、そんなに身体大きかったか?』
そう、マンダラの体躯が明らかに大きくなっていたのだ。それは先程までの倍近くという脅威の成長だった。更に腕や脚の筋肉も隆々と唸り、格段に力強さが増していた。
そしてその頭には炎の装飾があつらえられたきらびやかな王冠が乗せられていた。
リーダー格の男が、王冠を指差し、言った。
『マンダラ。お前……もしかしてサラマンダーキングにクラスアップしてんじゃねえのか?』
『あら、本当だ。そうみたいだな』
マンダラは舌をぺロっと出し、答えた。
そこでようやく男達は気がついた。自分達は担がれていたのだと。
炎のエネルギーを散々受けたマンダラは、最強クラスのサラマンダーへと変貌を遂げたのだった。
それこそがマンダラの本当の狙いだった。ここまで完全に利用されたとなると、男達は怒りを通り越し、もはや清々しい気持ちだった。
リーダー格の男は口元に笑みを浮かべながらマンダラに訊ねる。
『おいマンダラ!よくも騙してくれたな!お前が本当に怖いものは何なんだよ』
『ああ、そうだな……。今度は滅茶苦茶可愛いメスのサラマンダーが怖い』




