入部に向けてー春季大会ー
ー春季大会当日ー
山滋高校陸上部は、京都府丹波ナチュラルパークにて行われる春季大会に来ていた。
「頼むぞ。お前がポシャったら俺まで入部出来ないんだからな。」
牛尾が念をおす。
「わかってるよ。口を動かす暇があったらほら、マッサージして!」
「この野郎……春季終わって無事に入部できたらこの関係解消だからな。」
「わかってまーーす。」
ここ最近は、会話の内容はともかくとして、頻度が増えた事で部内の雰囲気も良くなっていたことで、もう1人の1年生、東谷としては安心していた。
「陸上の試合って、こんなんなんだ……!」
高校から陸上を始めた東谷は、会場の雰囲気に目を輝かせる。
「集合!」
脇中の号令に合わせ、部員が集う。
引率の馬堀先生からゼッケンをもらい、脇中が当日スケジュールを読み上げる。
「1500mは15時から、5000mは10時半から。5000mの選手はすぐに準備するように。」
脇中が続ける。
「どの種目もやはり、ランキングトップは鹿鳴館宇治高校の選手だ。しかし、駅伝の全国出場枠は府内で1つしかない。つまり、鹿鳴館宇治はいずれ倒さなければならない相手だ。臆せず、全員で戦うぞ!!」
「おーーっす!!」
そして、駆ら1年生にとっては初めての、試合前の円陣を組んだ。
「山滋ファイッ!!!」
「おーーっす!!」
駆にとって初めての、高校陸上が今、幕を開けるー
☆登場人物☆
・高道 駆
中学チャンピオンになり、鳴り物入りで山滋高校に入学したエリートランナー。
全国高校駅伝(都大路)に、全てを懸けている。
〇ベストタイム
1500m…3分55秒98
・牛尾 貴裕
地元の中学から進学してきた1年生。高道と違い、持ちタイムなども平凡。
〇ベストタイム
1500m…4分25秒50
・東谷 健吾
高校から陸上競技を始めた初心者、1年。気が弱い。
・脇中 健太
山滋高校3年生で、陸上競技部主将。駆と同じく、強い山滋憧れており、再建を狙う。
・田村 龍一
山滋高校2年。一見不真面目なヤンキーに見えるが、実は後輩の事も気にかけたり、結構いいやつ。
・馬堀先生
山滋高校陸上部の顧問。であるが、陸上の知識は無いため、試合の引率要員みたいになっている。